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捨てられたエルフ

作者: ユーガー
掲載日:2026/07/06

慣れない人が書いた慣れない小説ですが読んでいただけるとありがたいです。

人里から離れた森 誰もそこには近づかなかった。そこに密かに集落があった。


木々と共に生きるエルフという種族が住んでいた。建物も木で作られていて不思議な空間だった。


そこで一人の子供が生まれた。しかし、見た目は周りの者とは違い、まるで魔物のようだった。母はそのショックで意識を失い、父も動揺でおかしくなってしまっていた。その子は集落の外へと連れられ置いていかれてしまった。


子供はただただ泣いていた。そんな私の物語・・・・・・


集落から出されて森も離れた所に置かれた。誰も来ないような所そして獣が寄ってきそうな所に・・・・・・


そこに一人の青年がやってきた。しかし、今の私は何をどうする事も出来ずただ泣く事しかできなかった。

青年は私に気づくと剣を構えて寄ってきた。


「・・・・・・?ゴブリン?」


その青年は不思議そうに私の事を見ていた。私は母を求め泣き続けた。


「すごい泣き声だ。でも、ゴブリンってこんな声か?」


青年は不思議そうに私の入った布ごと持ってどこかへ移動した。その間も私は泣き続けていた。何も与えられず少し赤いままの姿で・・・・・・


村に着くと青年は怒られた。


「なぜ魔物の子供なんて連れてきた」


「この子魔物っぽい泣き方してないんだ。まるで本物の赤子みたいな」


「そうね、魔物ならこんな泣き方はしないわね」


一人の女性が私を抱き寄せると巻いてある布で私を拭きながら顔や体を見て行った。


男衆は農具を持ち今にも襲い掛かろうとしていたが、青年はそれを睨み止めていた。


「この子の耳は長くて尖ってて、目はまるで動物みたい、今はお腹ぽっこりして分かりづらいわね」


「やっぱり魔物じゃないのか?」


「魔物の声じゃないわよ。この声は人間と一緒」


男衆と見ていた女性は警戒を解かずにいたが青年だけはどこか優しく見ていた。


「このままじゃこの子は死ぬから、僕が世話してもいいかな?」


「何を言い出すんだ!相手は魔物だぞ!!」


「魔物と決まったわけじゃないだろ!」


「いいや魔物だ!そのうち牙も爪も伸びて手に負えなくなるぞ」


「いいよ、その時は僕が責任をもってこの子と旅をする」


「正気じゃないぞお前!!」


そこで一人の女性が鼻で笑った。


「いいじゃない、どうせこんな子供が赤子を育てられる訳ないんだから」


「それもそうだな」


それからは私はその青年と村の端で生活することになった。


青年は慣れない手付きで私のモノを処理したり、何かの乳を飲ませたりとしてくれていた。ただただ泣く私を必死に世話をしてくれていた。数年が経つと私も落ち着き始め青年は大人になり生活をしていた。


「パ・・・・・・パ?」


「どうした?いや、名前を付けてなかったな」


そこで私の名前は決まった。


「名前・・・・・・そうだな、ノノにしようか!」


それからノノと呼ばれながら生活を共にしていた。背が青年のお腹くらいになった頃、私は家事をするようになっていた。掃除、洗濯、料理はできないけど他の事は頑張ってやっていた。空いている時間で言葉を覚えたりしていた。


私には不思議な物が見えたり感じたりする事があった。そしてその不思議な物と話せたりもできた。その姿に青年は不安そうに見ていた。


私の姿はどんどんととても奇怪な姿となってきていた。不思議なほど綺麗な白い髪、耳は長く尖っていた。不気味な目に鼻は尖り長かった。腕は細く長く、足は股を少し開いて立っている状態、町の人は、気味悪がって寄っては来ないがたまに髪の生えたゴブリンと声を上げてくるようになった。


私はごぶりんが何なのか分からなかったけどパパと居られれば問題ないと思っていた。


ある時、家に村の人達がやってきていた。


「おい、フリッツ!そろそろそのゴブリンを連れて出ていけ!」

「不気味でかなわんのだよ」

「子供たちが怯えるわ」


「この子はゴブリンなんかじゃない!!」


大声を上げ睨みつけると青年は怒った顔を見せ続けて話した。


「なら、明日この村を出ていく!ローブを一つ用意しろ!」


「なっ!?この期に及んでそんな要求を!」


「まあ、それで済むならいいじゃないか」


そして、私と青年はその村を出た。私はもらったローブのフードを深く被り青年の横を歩いていた。


「怒ってる?」


「ああ、ごめんね。あの村の人と喧嘩しちゃったから」


「パパ、謝らないで私が、いい子じゃなかったから」


「そんなことは無いぞ。それにこれから好きな所に行けるんだ。どこに行きたい?」


「静かな場所・・・・・・パパがそんな顔をしなくて済むような」


青年は手をつなぎ別の村の近くへと移動した。そして小さな小屋を村から少し離れた所に建ててもらい二人で生活を始めた。


青年は村長に挨拶をしに来ていた。村長は歳のいった人で優しそうな人だった。


「フリッツさん本当に良かったのかい?こんな離れたところで」


「少し訳アリで、でも、建てていただいてありがとうございました」


「しかも、小さな子とこんな小屋で・・・・・・」


「そうですね、いつまでも居られたらいいですけどね」


「ところで、フリッツさんあの子は・・・・・・」


「私の子ですよ、あの姿になったのは訳アリです」


「言いたくないと言うわけですな、問題を起こさないのであれば居てもらっても構いませんよ」


「ありがとうございます村長」


それからその村で慎ましい生活が始まった。


私は家事をこなし、フリッツは仕事をしていた。村の中には基本私は入らずにフリッツが行っていた。


家事が終わると私は周りに飛んでいると不思議な生き物と話をしながらフリッツの帰りを待っていた。その生き物は妖精と名乗っていた。赤色、黄色、青色、緑色と4人居てとても綺麗な姿だった。


私はその子達にその子達の言葉と歌を教わった。その子達と歌を歌うのがとても楽しかった。その歌を時折フリッツは聞いて微笑んでくれていた。とても嬉しいと感じていた。


フリッツはたまに本を借りてきてくれる。私はそれをフリッツと読みながら文字を覚えた。沢山本を読んで私は文字や言葉の事を知りこの世界には様々な種族がいる事もその時知った。そして見た目がゴブリンと言われた意味もその時に知った。


私はゴブリンなんだと心の中で思いながらもフリッツと一緒にいつまでも居られると思っていた。


日がどんどん進み、ある時フリッツは体調を崩し寝込んでしまった。


「パパ大丈夫?」


「心配しなくても寝ていればよくなるから」


私はフリッツのおでこに手を当てたとても熱く感じたので水を用意しようと思った。しかし、水は村の井戸を使わないと持ってこれなかった。私はそこで悩み、その場で動けなくなっていた。すると、青い妖精が近づいて来た。そして妖精の言葉で呟いた。


「水を出してあげるよ」


私は妖精の言葉で返した。


「いいの?」


「お安い御用さ。入れるものを持ってきて!」


そして私は桶を持ってきた。すると、水が上から降ってきて桶いっぱいに水が溜まった。


「ありがとう!」


「どういたしまして」


私はその水が飲めるのかも試しながら飲み水と体を拭くように分け、フリッツの頭を冷やすために布を濡らして置いていた。


次の日もフリッツはよくならなかった。仕事に出れて居なかったので村の人が心配して見に来てくれた。

私の姿を見てどこか怯えているようにも見えたけど、私の行動を見てその様子は無くなった。


「見れる人と薬を持ってくるよ」


その人はそう言うと呼びに行った。私は頭に乗せた布を替え、柔らかく暖かい食べ物を用意した。


そうしている内にその人がやってきて見てくれた。私はその人に看病を教わり、それから看病を2日した。


フリッツは元気になって仕事にも行けるようになった。私は安心していた。


そして月日が流れ、フリッツは歳をとっていた。髪も私と同じ白色で顔も皺が沢山出来ていた。それに引き換え私は少し背が伸びたくらいで他は変わらなかった。


「ノノ、君は変わらないんだね」


「パパが変わりすぎたんだよ!」


「ノノ、もうすぐ君を一人にしてしまうけど許してくれよ」


「なんで!」


「そうだ、今日も本を読んであげるよ」


私は嫌な予感をしていた。この本を読んだらお別れになるような・・・涙がふと流れた。


「まだ本は読んでいないよ」


フリッツは流した涙を指で掬い笑って見せた。そして本を開け読み始めた。その声はどこか弱弱しくそして少しずつ小さくなっていった。


そして私は一人になった事が分かった。次の代の村長に私はその事を伝えに行った。村の人たちは私を蔑むような眼で見ていた。


「村長すみません。フリッツが亡くなりました」


「そうか、申し訳ないんだが君にはこの村を去ってもらいたいんだ」


「あの、お墓立ててもいいですか?」


「ああ、それは構わないよ。ただこれからはあまり村に近づかないようにね」


私はフリッツのお墓を作り埋葬すると、フリッツの残した物、お金や衣類を持って食料を買い込み村を後にした。


私はどこに行ったらいいのかな?どうやって生きていけばいいんだろう


妖精たちはまた声をかけてくれた。


「悲しいときも辛いときも歌を歌えば気分は紛れるよ」

「歌いながら歩こ?」

「好きな方向に歩きながら歌おう」

「きっと良い事もあるよ!」


私はその言葉を聞いて妖精達と歌い始めた。そして歩み続けた。


周辺の村などでは噂になっていた。歌うゴブリンがうろついていると


そして私は今日も歌いながら歩いていると後ろから殴られて気絶した。


目が覚めると人が沢山入れられた檻に入っていた。首輪と手枷を付けられて。私は周りに居た人に声をかけた。


「ここはどこですか?」


「ご、ゴブリンが喋った!!」


「私は違う」


「そんな知恵まで付けて危険だわ!!助けて!!」


まともに取り合ってもらえなかった。


でも、ここは少し寒いわ、持ち物も取られちゃってローブだけだし


「じゃあ僕に任せて!」


赤い妖精が私の前に小さな火の玉を作り出した。


「暖かい」


他の人たちはその様子を見て怯えていた。私は妖精たちの言葉を思い出して妖精たちに言葉をかけた。


「一緒に歌ってくれる?」


そして歌を歌いだした。周りの人達は驚いていたけどそれでも歌をやめなかった。


次第に周りの目は柔らかく微笑みに変わっていた。私は歌い終わると横になった。

周りの人は心なしか少し近くに居てくれた。


ある日、数人の男の人が檻の前にやってきていた。


「私どもが扱っている奴隷はここに居るのが全部でさあ」


一人の男の人が品定めの様に眺めていた。


「あのローブの被ったものは?」


「あれですかい?あれは多分ゴブリンでさあ」


「なぜ人と一緒に檻に入っている」


「こいつあ、大人しいゴブリンでして、よく歌を歌うんでさあ」


「歌か・・・・・・」


私は小太りの男に手招きされたので怯えながら近づいた。


「歌って見せろ」


私は怖かった、怖いけど妖精たちに話しかけて一緒に歌った。妖精たちはなぜか私の前に立ち男を睨んでいた。


「芸達者なやつだ」


その男は数枚の銀貨を小太りの男に渡した。


「足りやせんぜ!」


「人ではないんだろ?」


「・・・・・・どうぞ」


そして私は首に繋がれた鎖を引っ張られ檻の外へと出された。その男は髪の長い金髪の男の人で外に出る前に鎖を外してくれた。


「これからは稼いでもらうぞ」


そう言うと私は大きな村に出された。


「こんな大きな村初めて」


「村では無い街だ」


「これが街」


私は周りを見ながら歩いていた。周りの人は私を見て気味悪がっていた。しかし、男の人は私の手を取り歩き始めた。


「えっと、いいのですか?私のような者の手を取っても」


「私の物だからな」


そうして連れてこられたのは大きな家だった。


「大きい」


「屋敷だ」


そして入ると綺麗な入口に何人も人が立っていた。


「ルドウィクス様おかえりなさいませ」


「こいつの部屋を用意せよ、広くなくていい屋根裏のような所でも構わない」


「かしこまりました」


私はあの村に建てた小屋を思い出すような部屋に通された。


「ここは?」


「あなたのお部屋ですよ」


ここの人はどこか表情が無くて違う意味で私は恐怖を感じた。


本を読んだことがある、買われたものは奉仕をしないといけないんだ。私が出来ること


私は箒や雑巾のある場所を聞き掃除の準備をしていた。すると、男の人がやってきた。


「何をしている」


「えっと、掃除を」


「そんなことしろと言った覚えは無い」


「でも、ご奉仕を・・・・・・」


「いらん!お前は歌を歌う準備だけしていろ」


私は悪い事をしちゃったのかな?


その夜、私は劇場という所に来ていた。よく分からずに「ここに立って合図が来たら歌え」と言われその場に立っていた。カーテンが上に上がっていった。


「さあさあ、ここにいる変わったゴブリンは歌を歌うゴブリンです!さっそく歌わせますのでお聞きください!」


そして合図が出され私は歌い始めた。


「言葉は分からないけどいい歌ね」

「声が綺麗だ。見た目が良ければうちに呼びたいくらいだ」

「珍妙だな」


そして歌い終わるとお辞儀をした。静かになった部屋から出ようとすると一斉に拍手が巻き起こり、私は驚いて隅へと逃げてしまった。


「次もしっかり歌え」


そうルドウィクスに言われて私は涙目で頷いた。


それからも私は劇場に連れて来られて歌を歌った。しかし、妖精たちは少しずつ歌わなくなってきていた。


そんなある時、私は劇場の帰りに綺麗な耳の長い男の人達に声を掛けられた。


「なぜ、お前のようなものに妖精が付いている、それも4匹も」


「俺は一度戻ってこの事を報告してくる」


「わ、私は・・・分かりません」


残った一人のその男は訳の分からない言葉を発したので私は首を傾げた。


「ゴブリンだから分かるわけないか・・・」


私は訳が分からずに妖精の言葉で聞き返した。


「なんて言ったのですか?」


その言葉に反応して私は、連れていかれそうになった。ルドウィクスが様子を見に来ていたのかそれを止めに入った。


「うちの物に何をするつもりだ?」


「これは我々の事だ、お前は口を出すな」


「私が買ったのだ。お前らに渡す義理は無い」


口論になり私は耳を塞いだ。そして、耳の長い男はそのまま歩き去った。


「もう帰るぞ」


そう言ってルドウィクスは私の手を引いた。


それからも私は歌い続けた、のどの調子が悪くなればルドウィクスは黄色い甘い飲み物を用意してくれた。

そんな日が続くとルドウィクスは一人の女性を連れてきた。どうやら結婚をしたようだった。


「お、おめでとうございます」


「ご、ゴブリンが喋ったわー!」


女の人は驚き悲鳴を上げた。ルドウィクスは私を部屋に戻すと「あまり外には出るな」と言って部屋を出て行った。


その後、ルドウィクスには3人も子供ができていた。しかし、私はその子達とはあまり合わなかった。会うといつも石をぶつけられたり木の棒で叩かれたりと散々だからだった。ルドウィクスが居る時は注意をして辞めさせてくれるが居ない時はいつもされていた。


ある時、屋敷に耳の長い男達が訪ねてきた。


「なんのようだ?」


「あの歌っていた奴をだせ」


「なぜだ?」


「この方に合わせるためだ」


かなり歳をとった耳の長い人が立っていた。


「我々のエルフの族長だ」


「クヌユと申します。歌を歌っている方とお話をさせていただけませんか?歌についての事です」


「なぜそのような事を私がせねば?」


「このままではあの子は歌えなくなるかもしれないのです」


「何?」


その後、その人たちは私の部屋に通された。


「こんにちは、私はクヌユといいます。あなたの名前を教えてください」


「ノノと言います」


「では、ノノあなたはどうやって歌を歌っていますか?」


「妖精さんに手伝ってもらってます」


「妖精さんですか・・・・・・」


妖精たちは疲弊しきった様子で私の前に出た。


「どうしてそんなに疲れてるの?」


私は妖精の言葉で聞くと


「歌い疲れたの」


くたびれながらそう言った。


「やはり、そうであったか」


「何か知っているのですか?」


「このままではこの子達は消えてしまう」


「え?」


「この子達は魔力を使って一緒に歌っていたんだよ」


「魔力?」


「ああ、君にも流れているものだよ」


「私にも」


「悪いことは言わない、私の元に来なさい」


「でも、どうして?」


「人間の里とエルフの里では環境が違うのですよ。エルフの里は魔力が沢山あるので妖精たちもそこまで疲れない」


私は妖精の言葉で妖精に聞くと「そう」と答えた。


「このままではこの子たちは魔力が切れて消えてしまう」


私はこの子達と別れるのは嫌だった。


「じゃあ、付いていきます」


ルドウィクスは声を上げた。


「ダメだ!!それは私の物だ!!」


クヌユは笑顔で質問した。


「そうですか、本人が希望していてもですか?」


「ああ、駄目だ!妖精の力など私には見えないものを信じる事は出来ない!」


「そうですね、では、あなたが亡くなった頃お迎えに来てもよろしいかな?」


「好きにするがいい、ただし息子がなんて言うかは分からんがな」


「ノノさん、最後に自分の魔力で歌えるようになりなさい。そうすれば妖精たちは疲れずに済むから」


「でも、どうやって」


「きっと妖精たちが教えてくれるよ」


そういうとエルフ達は屋敷を出て行った。


私の魔力?


妖精を首を傾げながら見ていると妖精たちは笑って私の周りを飛び始めた。


「ねえ教えて、どうやって歌うの?」


「君の心を使うのさ~」

「思ったように歌ってみて~」

「暖かい物が体を巡ってくれるよ」

「自分の気持ちを大事にね~」


とても難しかった。


私はそれから練習を重ねた。重ね続けて出来るようになっていた。初めの頃は倒れていたけど今は自分の力で歌っても平気になっていた。


それからルドウィクスが老いて亡くなった。私はその後息子や娘に虐められるようになった。その所為か歌がどこか悲しげな歌になってしまい、集客できなくなってしまった。そして屋敷を追い出される事になった。


荷物も何も持たせて貰えずに街を歩いていると街の人に意味もなく暴力を振るわれボロボロになりながら歩いて街の外へと歩いて行った。そして道の傍で倒れているとエルフ達が私を物の様に拾いどこかへ連れて行った。


「やあ、いらっしゃい」


あの時のクヌユという人が目の前に居た。私は包帯を巻かれローブは脱がされていた。思わず前を隠すとクヌユは申し訳なさそうに見たことのない服を渡してきた。


「ここに来たのだから好きに過ごしてくれて構わない、歌を歌っても、本を読んでも好きにしていいんだよ」


「でも、私は・・・・・・」


「そうか、まずは正体を教えておいた方がいいね」


「正体?」


「君はエルフですよ。それもかなり古いエルフ」


「古いエルフ?」


「稀に血が濃くなりそのような者が生まれるのですよ」


「血が濃い」


「最近の集落ではそんな知識もないとは思いますが古くからある集落ではそう言った話伝わっているのです」


「でも、私はゴブリンじゃ・・・」


「ゴブリンには髪は生えません」


「じゃあ、一体」


「混乱しているようですね。この本を読んでみてください」


一冊の古い本を読んだ。そして私が何者であるかをそこで知った。


「あなたは紛れもなくエルフですよ。それも稀なエルフ」


「私が、エルフ」


私は周りを見た。みんな美しい姿をしていた。そして私は自分の顔をゆっくり触ると涙を流した。


「どうして私は違うの」


その言葉にその場にいた人達は口を閉じた。


それからは何事も無かったかの様に私は里に馴染んでいき静かに妖精たちと歌を歌いながら過ごしていった。

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