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18/19

18 掃除してます


 

 ◆


 ただいま。朝起きてからは、朝食食べてから、学校登校からの帰宅でございます。学校では特段変なこともなかった。

 強いて言えばカナ、いや(うみ)から昨日私が寝て、夢オチさんがめちゃくちゃキレて、その影響が私に海を通して伝わってきたことぐらい。

 昔もそんなことがあった気がする。


 

 さて、とりあえず昨日と同じように準備をして寝れるようにしてからゲームに潜りますかね。



 ◆



 ログイン!


『ログインボーナス! 【補充用の消毒アルコール・500】を入手』

 

 な、なんかもらった!!


 補、補充用の消毒アルコール、だと、!!


 つまりあれか? スプレーに詰め替えて使えと? そういう意味で受け取っていいんですね!?



「来たのか、セツナ嬢」

 

 そういえば昨日はギルドでログアウトしていったからギルドスタートなのか。

 シュッターさん、でいいんだっけ? 確か良かった気がする。

 昨日見せてもらったイカれ配信で、ドMということは理解できた。

 


 今日の予定を立てるためにシュッターさんから、昨日聞きそびれた今日の予定とやらをを聞いたところ、特段ないそうです。なら夢オチさんは、そこまでキレるなよって話なんですよ。

 一応レベリングが予定に入って入るけど、いつものことだよね? ゲームしてたら勝手に上がってくもんです。

 

 基本は自由行動。何かあったらギルドメッセージなどで集合がかかるとのこと。

 

 


 初めは掲示板を確認。ゲームの掲示板を制するものは、ある程度ついてこれるプレイヤーである。それが私の持論。

 情報は新鮮であればあるほどいい。手っ取り早く、たくさん集まるのは掲示板だからね。

 

 ふーむ。

 昨日暴れたからか、だいぶ私に関しても情報あるな。というか、ひどいな。

 やれ「壊れたロボットのように感情がない」だの「仕事(掃除、PK)以外の機能がない人」だの。

 まあ、事実を含んでるのは間違ってはないけど。

 ……けど、初日でこれか。今のうちから頭に刷り込んでおくのも大事だよね。


 今後役立せるために、ある情報を加速させるように、書き込んでいく。いつか、大事になってくる仕込みだ。

 

 

 

 次はは貰った【補充用の消毒アルコール・500】からいこうか。空いてる部屋を貸してもらってそこで作業をすることにする。

 見た目は円形で縦長。振ってみるとジャプジャプと液体の音。

 なになに? 適当に注いでも勝手に詰め込むための容器に向かっていく魔法がかけられてる、だって? すっごい優秀な魔法もあるもんですね。

 とりあえずやってみないことには、わかんない。


 まずは、スプレーを取り出す。で、どうするんだね? どこから補充すればいいんですか? 普通だったらここら辺を回し……回ったなあ! 

 めちゃくちゃ精密な作りになってるのか、どこから回して取り外せるのかがわかんない。なのに、手探りで回してみたら簡単にキュッと取り外せちゃうのだ。

 

 さて、優秀な魔法ゲームシステムのお陰で、シャンプーの詰め替えみたいに気を張らなくていい。

 補充用アルコールの蓋を開け、そこから先端をスプレー容器に向けて豪快に注いでいく。プロのお茶入れ職人のように、高いところからだって簡単に注げる。勝手にアルコールが容器に吸い込まれていくのだ。


 よし、完了。

 スプレーの状態を確認してみると、【消毒用アルコールチャージ・500】という表記に変化していた。

 このチャージを使ってアルコール発射ができるよう。そして500というのはチャージされた容量。

 つまりログインボーナスでは魔力500を供給してくれたということのようだ。

 単純だけどありがたいボーナスだった。 



 ◆

 

『掃除眼! ゴミモードです!』

 よし、掃除をしましょう! カナがまだ来ていない暇な時間を有効活用しないと損だからね。

 

 このギルド全部を真っ白にしてやるんだ!

 

『ゴミ掃き! 経験値を10獲得しました』

『ゴミ掃き! 経験値を10獲得しました』

『ゴミの溜まり場! 経験値を100獲得しました』

『ゴミ掃き! 経験値を10獲得しました』

『ゴミ掃き! 経験値を10獲得しました』

『ゴミ掃き! 経験値を10獲得しました』


 

 ◆


「あん? 何してんだ? 姫暴」


 話しかけないでください、夢オチさん。私は今集中してるんです。それと姫暴呼びはしないように。


『ゴミ掃き! 経験値を10獲得しました』

『ゴミ掃き! 経験値を10獲得しました』

『レベルが20に上昇』

 

 あ、20に上がった。結構掃除してたからね。

 今回の成長は、清掃着か。

 追加されたのは【お掃除ポケット】なるスキル。これは掃除に関係する道具をMPを消費して作り出す? 能力みたいだ。出せるのは「雑巾」それに「塵取り」「謎の粉」

 塵取りは単純に使い勝手がいい。装備枠に入らなくて、手軽で扱いやすい打撃武器なんて神だね。

 

 このゲーム、「装備」と「手に持つと」いうのが少し違う。装備というのはゲームシステムに則ってその武器や装備の能力を引き出す。もちろん装備枠を消費する。

 で手に持つってのは普通に持つ装備枠を消費せずに持つこと。その装備に設定された力を引き出すことはできない。ものすごい剣だろうと、装備条件なんかを満たさなくたって持つことはできて、けど剣の能力は木の棒と同じになる。

 だけど私のSTRによって振り回せばそれなりの強さになる。石を投げてダメージになるのだってこの理屈。


 謎の粉は、雑巾と併用することで貰える経験値アップに繋がるぐらい。経験値アップは地味に有能だからよし。




 まだカナが来ない。遅いな。


「お〜い、姫暴」

「うるさいですね! 姫暴姫暴って! 静かにしてください。それと見れば分かるでしょうよ。掃除です。掃除!」


 私がちょっと、ちょっとだけ、キレて返事を返すと夢オチさんは私がなんで怒ってるのかを分かっていながらも「なんであたしが話しかけるとこうも怒るんだか」なんて返す。


 少しむかついたので掃除はやめてちょっと気分転換をしようと思う。

 そのために必要なのは、この街を詳しく知ること。具体的にはこの街の、どこにどんな場所があるかを知りたいのだ。

 ということで、地図データを貰い。息抜きをしにギルドを出る。

 

 港町というだけあり、海ならではの潮の匂いや、波風などがしっかりと伝わってくる。

 港町の目玉は船。

 各地から色々な船が来船しているようで、船によって形などにはっきりと差がついているのが面白い。中にはボートという画期的(w)な船もある。2人か3人が乗ってこれるか、というのが着船してるのは見ていて何を運んで来たのか、よく沈まなかったな、という感想が浮かんできてしまう。


 まあ息抜きは街の観光じゃ、ないんだよね。地図まで貰ったんだから観光するんじゃないのかって? チッチッチ、違うのだよ。


 目的は、そう!



「あ、セツ〜。いたいた。夢オチさんが戻ってこい――」



 リンク!


『【壊れ装備の倉庫・スクーティス】と【異次元のゴミ箱】がリンク! 【壊れ装備の倉庫・スクーティス】からゴミが67、移送』

『大掃除! 経験値を56940獲得』

『レベルが24に上昇』

『以降、【異次元のゴミ箱】から【壊れ装備の倉庫・スクーティス】へと転移が可能』

『接続可能場所【0】』

『スキル【異次元のゴミ箱】のゴミ経験値が増加しました。効果が成長』

『ゴミの怨念! が複数発動しました。【異次元のゴミ箱】の性能が強化』

『世紀のゴミ泥棒! ホコリを入手』


『ワールドアナウンス:スクーティスにてゴミ泥棒が出現しました。今後逃走することが考えられます。見つけ次第連行してください。ゴミ泥棒の見た目の特徴などは全く分かりません。ハジマチのゴミ泥棒と、同一犯の可能性が高いです』


 

 ああ、経験値うま〜。いやーコツコツと掃除するよりも、簡単に大幅に上回る経験値量が貰えるし、さらにゴミ箱が強くなる。一石で、何鳥よ?


『ギルドマスターから連絡:さっさと戻ってこい。な? 姫暴ぉ?』


 あ、これ、あかんやつだ。まずい気がする。 


「セ〜ツ〜? さっさとギルド、戻ろうか」

 カナ〜! ログインしてきたんだね! なんて言える余裕は、なさそうです。めちゃくちゃ怒ってらっしゃる。



 カナに連行されながら、ギルドへと戻るのかと思ったら、カナがウインドウを何やら操作した。そうすると、昨日見たようにカナを中心に空間が割れた。また弾かれるかと思ったのに、今度は私も引き摺り込まれた。

 視界が急に暗転し、見えるようになった時には、笑顔でキレてる夢オチさんの顔がドアップで視界にインしてきた。

 

 はっはっは。まずいです。はい。


 

「ここじゃあれだからな、あたしの部屋へと行こうか」


 

 ◆


「で? どうしてこうなったんだカナタ? お前がいたなら希望の暴走を止めれたはずだろう?」

「わたしがカナを見つけた時には既に手遅れでした。もう止められなかったんです。声をかけたのに、気づかずにセツはテクテクと歩き、あれ(・・)を起こしました。わたしがもう少し早く到着していたら止めれましたけど」


 

 部屋へと強制連行された後、このゲーム始めてから何度目かの尋問を受けております。まずはカナに事情聴取をしていますね。

 カナがいうのは私に声をかけたはず、らしい。うん、全然聞こえなかった。ごめん。

 そしてちゃっかりと私に全責任を押し付けている。くっ! 私が百パー悪いんだけどさぁ。こうなんか、見捨てられた気がするよね。


「姫暴、あたしは今猛烈に、後悔してる。なんでギルドに入れてしまったんだろうと! なんで盗んだ発言をサラッと流してしまったのかと! もっと考えて行動しろ? な?」


「夢オチさん、私はゲームはゲームだ、という精神でやってるんです! まずは何かやってみるんですよ! 」


「その行動で何らかの犠牲が回ってきていることは、せめて理解しろ」


「ゲームに規定された動きだから、私はやってるんです! あのゲームでも姫を殺したらあれも持てましたよ! つまり、あれはゲームの想定通りなんです! 実際進捗を達成しましたし。ということで、出来るようにしてるゲーム側が悪いんです! 出来るようになってなかったら、やってないんです! 出来ちゃったんですよ!」


「まずはその考えから直せ。やってることはグリッチの悪用と変わんねえ。あたしもゲームはゲームだと、思ってる。だけど姫暴は度を越しすぎだ。昨日は昔のゲーム仲間に会えて興奮してたし、サラッと盗んだ発言も流した。だけどよ〜く考えると、姫暴を突き出した方が断然お得なんだよなあ」


「すいませんでしたぁー!」 どうか、ど〜うか! お許しを! 私のせいで得られないお得は、私が活躍して穴埋めしますから!」

「その謝罪セリフを何回聞いたことか。姫暴の言うことだと、ギルメン全員の修理代無料と、懸賞金分を情報なり、稼ぎなり、新発見だったりで、あたしのギルドに役立つ目覚ましい活躍ををするってことで、いいんだな?」


「そ、そういうことにします!」

「はあ、あたしもギルドマスターという役割を持ってる。ギルドを率いる立場として、ギルドのことを考えると突き出すべきだろう。だけど、姫暴のすることに、期待しているあたしもいる。今後姫暴が原因でギルドが不利益被ることになったら、容赦なく突き出すからな? 」


 そんな脅し文句をかけられたが、私は何とか突き出されるという最悪の事態を回避した。だがギルメン全員の修理代金分と、ギルド資金となるはずの懸賞金を穴埋めするために、奮闘することになった。


 

 

現実が、忙しい! 

更新が遅くなります。

アイデアはある、やる気もある。時間が、ない! 

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