第0番地:独白、ヨモツヘグイ・ゲート
ようこそ皆様こちら側。
ここは彼岸の食処ヨモツヘグイ・グルメストリート。これなるは美食の殿堂にして、皆様をあちら側へと誘う鍵の在り処。
おっと、こちら側にあって「あちら側」は、些か他人行儀でありましたか?
クフフのフ。
失礼、申し遅れました。私は狸人。古来より人を化かすと言われる狸の末裔にして人との境にある者。
ご安心下さい。私は貴方様の味方ですよ?
私はこの地の案内人、貴方様を求める場所へと誑かすのが生業にございます。
おっと、驚かせてしまいましたか?
ご安心下さい、申し上げたでしょう? 私は貴方様の味方です。
人というのは簡単ですね。
少し不穏な言葉を口にすれば、途端に怪訝な表情をし、味方と言えばすぐに強張りを解く。簡単で単純で可愛らしい。
閑話休題、まずは今宵のカモ、もとい迷える方をお迎えに上がりましょう。
なぁに時間は幾らでもあります。夜が明ける事なんて彼らには無いのですから。
上をご覧下さい。
どうです? キレイでしょう? これはヨモツヘグイ・ゲート。
ヨモツヘグイ・グルメストリートの入り口。貴方様方のいらっしゃる此岸と彼岸とを隔たる門であります。
雄々(おお)きくて、女々(めん)こくて、挿入ってみたくなるでしょう?
ようこそこちら側へ。共に興をいただきましょう。
とても、美味ですよ。
クフフのフ。