双子の妹爆誕
こんにちは。
今回は1万文字のやつより少し違うところがあります。
基本は同じです。
では本編へどうぞ。
おぎゃあおぎゃあ。
赤子のなき声が部屋中に響く。
私は助産師?みたいな人に抱きかかえられている。
「奥様、双子の女の子です!」
その言葉とともに私たちは母親らしき人に手渡される。
どうやら今世は双子らしい。
「この子はキヨリ。そしてこの子は――…」
優しい手つきで撫でられる。
「……ローゼレイラ。キヨリ、ローゼレイラ、初めまして。お母さんのスターチアよ。」
こちらこそ初めまして。
……母なんて小学校以来かな?
もっと言えば父もきょうだいも。
小学校4年の夏休み、事故で死んでしまった家族。
私には双子の弟がいた。
性別が違うから二卵性の双子だ。
ちょっとうざくてうるさくて、でも嫌いではなかった。
もう一人、歳の離れた姉もいた。
明るくて、優しかった。
――…もう、いないんだなぁ……
っと、暗い話はここまでにして。
さて。姉の名前がキヨリとはどういうことだろう。
「……あら、ソウ。あなたもこの子たちを抱っこする?」
「……いえ、触ると壊してしまいそうなので。」
「……ソウ、いくら力加減が難しくても壊れはしませんよ。」
溜息を吐きながらスターチアは赤子をベッドへ降ろす」
トドメ刺された。
ちょっと乙女ゲー世界に似ているなと思ったが。
そうでないだろう、と信じていたのに。
トドメ刺された!!
まあ、別にお母さんの所為ではないんだけど。
まあ、それはよしとして。
姉が悪役令嬢なのよね。
どしたらええのん?
接し方がわからない!!
普通に接したらいいんだと思うけどさ。
もう一度言うけどさ。
我が姉、悪役令嬢だった。
タイトルは「雪白花は咲き誇る」、やっぱりあの乙女ゲーだ。
早速フラグ回収しますた。
が、悪令転生というもう一つのフラグは回収しなかったようだ。
ここはあの乙女ゲーの世界、またはそれに関係している世界。
私が前世で10年間ラノベを読み培った経験がそういっている。
それと、先ほど聞いた兄と姉の名前も判断材料になっていた。
キヨリ、ソウ。
そこまで来たらもう確信しますわなー
んなことあるわきゃないと一蹴すると後々後悔するだろうな……
そういえばさ。悪役令嬢に妹なんていたかな?
弟君はいるのは確認済だが、妹、しかも双子がいるとは聞いた事がない。
ゲーム内には存在しなかったとか……?
それはそれで良いかな。
ストーリーの影響を直接受ける事はあまりないだろうからな。
まあ、ゲーム内キャラクターと関わった時点で巻き込まれるだろうなぁ……
という事は、私、アウト?
絶対身の周りで何か起こるわぁ……
姉ちゃんがやらかしてセレスデトライトが潰れるとかなぁ……
やだなぁ……
めんどい……
あ、そうだ。
姉ちゃん更生しようぜ。
更生と言うか、マトモな性格に育つように接することだろうか。
産まれてからずっと目を開けていなかっな。
そろそろ開けよう。
重い瞼を開ける。
すると、今世の姉、キヨリが覗き込んでいた。
突然目を開けたのにビックリして、凄い勢いで後ずさり、ベットの端に付いている壁(というより柵)に手をぶつけ呻き声を上げた。
ええ〜〜…
なんですのん
私何もしてないですけど?
ただ目を開けただけなのに後ずさりって……ひでぇよ姉ちゃん……
まず、早く魔法使えるようになりたいし、魔力操作の練習をしよう。
まずは目を閉じ、魔力の流れを感じるところか。
私は目を閉じ瞑想をする。
魔力の流れ……血液循環見たいなイメージかな。
心臓からどんどん流れでいく感じ……
あーなんかあったかいのが流れてるー
ちょっと動かしてみよう。
右、左……動かしにくいが一応動いた。
しばらくそれを繰り返していると、だいたいのコツを掴んだ。
右手に集められるかな。
なんかあったかいの――…もとい魔力を右手に移動させる。
おお〜
集まったー…って熱い熱いっ!
すぐに集めた魔力を循環の輪に戻す。
ふぅ……
以外と疲れるな。
あと、集め過ぎはダメだ。
次はもうちょっと少ない量を……
バンッ!!!!
っえ!?
ビックリしたぁ……
台所の奴が出たの……?
「――遅くなった!!」
「静かにしてください旦那様。奥様のお体に障ります。」
「そ、そうか……無事生まれたんだな……よかった……」
ホッとした様な声が聞こえる。
“旦那様”と言うと、そうか。この声の主は私の父か。
「双子……!」
「ええ。こっちの紺色の子はキヨリ、紺色に銀のメッシュの子かローゼレイラよ。」
「……そうか…………かわいい……」
そう言って、私の頬を撫でる。
「ふふっ……私達の娘は世界一でしょう?」
「ははっ……そうだな。」
父と母、いちゃいちゃしだす。
いつの間にかメイドの気配は消えており、我が姉キヨリは寝ている……訂正、寝たフリをしている。
は゛ぁ゛……(胸焼け)
疲れたので、取り敢えずステータス鑑定だけして寝よう。
――鑑定。
すると、目を閉じでいるのにも関わらず、ゲーム画面のように右端に半透明の板が表示される。
それと同時に、[鑑定Lv.1取得]という文字が浮かび、すぐに消えた。
ゲームっぽい。
――――――――――――――――――
ローゼレイラ・(ブルヴィオレ)・セレスデトライト
――――――――――――――――――
出てきた情報はこれだけだった。
クレハさんに鑑定スキルを頼んでいたので、一応鑑定出来た。
たしか、ゲーム内ではスキルは熟練度によって効果が変わるというシステムがあったな。
もう一回鑑定してみよう。
鑑定。
先程と同様に、[鑑定Lv.2獲得]と、文字が浮かび上がり、消えた。
やっぱりゲームっぽい。
――――――――――――――――――
職業:無しLv.--
HP:6
MP:5
――――――――――――――――――
先ほどの名前に付け足して現れたのはこれだった。
職業……魔術師とか賢者とかあるかな?
HPとMPはほぼ同じだな。
産まれたてだから、まあ一桁は普通か。
もう一度鑑定する。
先程と変わらず、ステータスはMPまで表示された。
もう一度鑑定すると、スキルまで鑑定されるようになった。
[鑑定Lv.3獲得]
――――――――――――――――――
スキル▽
魔力操作(Lv.1)
火属性魔法(Lv.0)
水属性魔法(Lv.0)
風属性魔法(Lv.0)
土属性魔法(Lv.0)
光属性魔法(Lv.0)
闇属性魔法(Lv.0)
無属性魔法(Lv.0)
隠蔽(Lv.0)
魔法創作(Lv.0)
魔力自動回復(Lv.0)
鑑定(Lv.3)
――――――――――――――――――
おおー!
スキルチート主人公みたいにスキルの量が多い!
まあ、よく見るとほぼLv.0なんだけどねぇw……
そこから数回鑑定しなおすと、鑑定スキルのレベルが1上がり、称号が表示されるようになった。
――――――――――――――――――
称号▽
転生者
神の意志
公爵家の一員
創造神クレハノートルの加護
虹眼の所持者
――――――――――――――――――
すご。
もう語彙力が死んでそれしか言えない。
すげー
わー
・・・・・ゴホン、
転生者…は、転生したからだな。
で、神の意志……なんだこれ? よく分からんので置いとくとして。
公爵家の一員……セレスデトライト家の次女だもんな。
創造神クレハノートルの加護。……クレハさんの加護だな。
えーーと次は、虹眼の所持者。なんかカッコいい。眼が虹色になるのかな?
よーし
鑑定はここまでにしてもう寝よう。
赤子は寝るの早いのよ。
おやすみ。
今回も読んで下さりありがとうございます。
次回からは1万文字では書かれていない展開が始まりますのでよろしくお願いします。(*^_^*)