06支援者大地主さんとかわいいメイドさん
政治って結構大変。
でもこれってクーさんが村でやってたこととあまり変わりないんだよね。
ごめんなさい真似させてもらってます。
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雫「瑪瑙、他の領地から魔物が侵入してきた。」
じゃあ倒そう。
雫「・・倒せそうか検討したりしないのか?」
王国が兵力の増強を制限したから今まで魔物を倒せなかったわけで。
それを解決するための独立なんだから、倒せないなら独立した意味がないよ。
倒すしか選択はないんだ。
雫「そうだな(兵力の制限は誤解ではあるが)」
よーし、出発だ!
雫さんの私兵は近衛兵らしい。なんか歩兵よりすごく強そう。
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ちょっと強かったかな?でも倒せてよかった。
近衛兵は強かった。こんな強い兵を私兵に持ってるなんて雫さんすごい!
雫「(強い・・キメラ兵?空間兵?王国にもそんな使い手はいなかった)」
?「もしやあなた方は領主様の兵ですか?」
はいそうですが。
知らないおっさんが話しかけて来た。
大地主「やはり!・・ああ、失礼しました。私はこの辺りで地主をやっている者です。」
地主さんですか。
雫「地主というより、大地主と言った方が正確だな。」
大地主「そうおっしゃる方もいますね。」
えーと、何か困り事ですか?
大地主「いえ、魔物がやって来てどうしたものかと思っていたのですが、迅速に退治していただけて助かりました。」
大地主「ありがとうございます。」
これがこちらのお仕事ですから。お気になさらず。
大地主「しかし独立してどうなるかと思いましたが、いやはや実に頼もしい。」
領主様の英断ですよ。
大地主「もしかして、別の方が領主になられたのですか?」
特に変わっていませんが。
大地主「そうですか。いえ以前は全然仕事しない領主でしたから。」
大地主「それでいて金に汚く女にだらしかったのですが・・」
きっと勘違いですよ。
領主様の判断に間違いなんてありませんでしたから。
大地主「異世界にでも迷い込んだ気分です。信じられないというか・・」
大地主「とはいえ、今のみなさんなら信用できます。」
大地主「以前、領主から資金提供を打診されていましてね。良ければお受けしたいのですが。」
助かります!
雫「・・」
・・
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領主「おーい、メイド雇おうぜ!」
え?
雫「そこそこ広い屋敷なのに、使用人がいないのは不思議だと思っていたが。」
俺が暇を見つけて掃除したりしていました。
領主「大地主のじじいが金を出したんだろ?メ・イ・ド!メ・イ・ド!」
以前その話したら、お金の節約って言われましたけど。
領主「・・あー、こほん。金がないならないなりのやり方があり、あるならあるなりのやり方がある。」
領主「大切なのは状況に合わせて柔軟に対応を変えていくことだ。」
領主「人は安定を求めながら、昨日と同じ今日を退屈と言う。」
領主「くだらん感性に従っていたら人間ダメになる。理性によってより良い結果を追求することが知性ある人間を生み出すのだ。」
言ってることはわかりませんが、メイドさんを雇えばいい結果になるということですね。
領主「瑪瑙もこれから忙しくなるだろう。」
領主「他人に任せられることは他人に任せ、自分の役割に集中するといい。」
はい、ありがとうございます。
領主「給料は高めでいいから最高のメイドを頼むぞ。」
では由緒ある屋敷で勤務経験のある、勤続20年以上のベテランさんを条件にしましょう。
雫「知り合いに心当たりがあるぞ。紹介しようか?」
お願いします。
領主「ちょー!ちょー!ちょー!勤続20年って、ババアじゃねーか!!!」
若い方なら30代とかいると思いますが。
領主「10代がいーなー。」
由緒ある屋敷で勤務経験のある、勤続20年以上の、10代の方ですね・・あれ?
最高のメイドさんで10代って無理がありませんか?
領主「若くてかわいいメイドがいい!他の条件はいらない。」
領主「いやむしろ新人でいい!新人がいい!仕事できなくてもいいから若さとかわいさで選べ!」
えーと・・?
領主「ほらあれだ。民間は優秀なベテランを求めるだろう。」
領主「しかしだ、役所まで優秀な人を求めたら、無能な人間はどうやって生きればいい?」
領主「我々が率先して他より質の劣る人間を雇い、一人前に教育してあげるのだ。」
領主「まあ一種の貧困対策のようなもの。これは理にかなった考え方なのであーる。」
おお、なるほど!
雫「かわいさは不要ではないか?」
領主「・・・・そ、それはあれだ!」
領主「外見が優れていれば結婚はサクサクだろう。」
領主「しかし!料理も掃除もろくにできない女などすぐにポイっと捨てられてしまう。」
領主「そうならないための対策だ。すべてのことに意味があるのだ!」
一理ある?
雫「ない。」
領主「やだやだやだー、若くてかわいい女の子じゃなきゃやだー。」
あ、女性限定ですか。
領主「おおおお前、男をメイドにするつもりだったのか!?正気か!?」
別に男だって家のことできますよ。メイド服を着るかはわかりませんが。
領主「女の子限定な!」
わかりました。
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メイドさん募集したのはいいけれど・・
ひとりしか応募に来なかった。
メイド「メイドの経験はありませんが、料理や掃除洗濯は家でやっていました。」
メイド「がんばりますのでよろしくお願いします!」
若さ〇
かわいさ〇
新人〇
・・条件に一致してる・・
採用です。これからよろしくお願いします。
メイド「い、いいんですか!?私なんかで・・志望動機とか聞いていないし・・」
給料提示して募集をかけていますから。基本的にお金が志望動機になると思いますが。
メイド「は、はい。まぁ、そうです。」
仕事はおいおい覚えてもらえれば構いませんので。
あ、領主様に承認してもらう必要がありますので少し待っててもらえますか?呼んできますので。
メイド「はい。」
どどどどどどどどどどどーん!
領主「若くてかわいい子の匂いがする!」
あ、こちらメイド志望の子です。
領主「採用!」
メイド「ありがとうございます!」
トントン拍子に決まってよかった。
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