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34平和な日常


メイド「お茶です。」


ありがとう。

・・今までのことがまるで夢だったかのように、穏やかな日常が帰って来た。

みんなはそれぞれ王国で働くことになった。


レインとクーさんは王都で。

ミミットさんとマーユさんはそれぞれ地元の領主に。

雫さんとエティーさんは元の役割に戻った。


俺は本拠に戻り独立前と同じ仕事をしている。

領主様が島流しにされちゃったけど、いつ戻ってくるんだろう?

まぁいつ戻られてもいいようにしとかないとな。


とはいえ・・平和、すぎる・・


悪魔王「刺激が足りない?」

超神「そこまで言うなら泣いて後悔するくらいの刺激をあげましょうか?」


ふぁ!?悪魔王さん!超神さん!

えーと、平和万歳。刺激はいりません。


悪魔王「刺激も悪いことばかりじゃないわよ。」

悪魔王「あなたは村にいた頃より成長したわ。それは、村で変わらぬ日常を過ごしても得られなかったもの。」

悪魔王「何事も、自分でコントロールできれば恐れることはないわ。」


自分でコントロール、か・・

大地主さんと話した、自分の支配者になるのもその一環な気がする。


悪魔王「今までは周りがあなたをコントロールして来たけど、これからは自分でするの。」

悪魔王「でも大丈夫、あなたはこんな立派になったもの。」

悪魔王「いい子いい子。」


頭なでられたぁぁなんか照れくさいけど嫌じゃない。

むしろもっとお願いします!


超神「色んな思惑が絡んじゃったからどうなるかと思ったけど、いいところで落ち着いたわね。」

超神「ま、あなたの優しさがあれば、ひどいことにはならないのはわかってたけど。」

超神「ふふ、いい子いい子。」


色んな思惑?

もしかして、あの女神像に似た女の人ですか?

・・人間じゃ・・ないですよね?というか超神さんも悪魔王さんも。


超神「あれは天使よ。不幸の象徴ね。」

不幸?なぜですか?


超神「現れるのはトラブルの前後だから。」

超神「なーんにも問題ない時には現れたりしないでしょ?」

・・なるほど。


でもそんなこと言ったら、人間の英雄と呼ばれた人も同じかと。

というか、悪魔王さんや超神さんも。


超神「まぁね。」


どうして天使だと名乗らないんですか?

むしろ、悪魔だと思われて歴史から消されてましたけど。


超神「天使がいるなら神もいる。あなた、神に会ったことある?」

まぁ、ないです。


超神「神は奇跡を起こすわ。じゃあ、王は奇跡を起こせる?」

起こせません。


超神「人はね、神がいるなら王に従わなくなるのよ。」

超神「だから天使はその存在をおおやけにしない。」

超神「人の世界は人が作るの。神に従うことが神のためになるとは限らないわ。」


ん・・?それはどういう・・?


超神「神は平等ってこと。じゃあそろそろ行くわね。」

悪魔王「また気が向いたら来るわ。」


あ、はい。お待ちしています。

すみません何もおかまいできなくて。


悪魔王「いいわよ別に。私たちも天使の計画を邪魔しちゃったし。」

ん?


超神「本当なら、天使が決めた別のルートがあったのよ。」

悪魔王「私たちが邪魔してこのルートなのよねぇ。」


・・えーと、それはいいこと?悪いこと?

もしかしてもっと犠牲が少なかったとか・・


悪魔王「さぁね。でも、最初に私が介入した時点までの出来事は変わらないと思うわ。」


というと、賊に村が襲われてレインとクーさんが捕まるとこまでは同じってことか・・

悪魔王さんがいなかったらレインとクーさんどうなってたんだろう?


・・・・まぁ、最終的には天使様の目標は達成されたってことだよね。


・・

・・・・


トタトタトタ。

メイドさんの足音・・少し慌ててる?


メイド「あ、あの、瑪瑙様。王様がお越しです!」

え?


・・・・


本当だ・・こんな田舎へようこそ?

えっと、何もありませんがおくつろぎください。


王「いや、あまり時間がないので先に用事を済ませたい。」

王「お前たちを支援していた大地主のことを聞いた。会わせてもらえぬか?」


え?あ、はい。

ですがあまり人付き合いを好む方ではないですし、王国へ恨みもある方ですが・・


王「それも聞いておる。少し会うだけだ。」

俺は、王様を大地主さんのところへお連れした。


・・

・・・・


えっと、こちらが大地主さんです。

で、この方が王様です。


大地主「こ、これは・・」

王「人付き合いは好まぬそうだな。3分だけ時間をくれ。」


王「話は聞いた。父が始めた庶民向けの教育で辛い思いをしたそうだな。」

大地主「・・」


王「金貨も爵位も望まぬ者に王国は何もしてやれぬ。」

王「お主を救うことは、私にもできぬ。」

大地主「・・」


王「だがお主は王国へ恨みを持ちながらも民のために活動する者を支援し続けた。」

王「これは誰にでもできることではない。」

王「・・物事はとかく目立った一部の者ばかり称賛されるが、その影で大きな役割を果たした功労者がいることを私は知っている。」


王「王国の歴史書にお主のことを記そう。」

王「お主は大業を成した。まさに男の中の男。そのような者が王国にいたことを誇りに思う。」

王「ささやかではあるが、これは私が作った。よければ受け取ってくれ。」


王様は・・大地主さんの首に、メダルをかけた。


大地主「おお、おおお・・」

大地主さんが・・大粒の涙を流した。


王「突然の訪問すまなかった。今日はこれで失礼する。」

王「また来る。お主のような賢者と会えてよかった。」


王「瑪瑙、帰るぞ。」


は、はい。

大地主さん失礼します。


・・

・・・・


王「瑪瑙、お前はよくあの男と会うのか?」

よくではないですがそこそこ。


王「そうか・・では、何か様子がおかしかったらすぐ報告してくれ。」

様子が・・ですか?


王「お前はささくれができたら気になるか?」

なんか気になりますよねああいうの。


王「なら重傷を負っている時にささくれができたら気になるか?」

気にしてる場合じゃないですよ!


王「そうだ。大きな怪我を負えば、小さな怪我は気にならなくなる。」

王「心の傷も同じ。あの男は心に大きな傷を負ったために、復讐欲以外が希薄になっていたと思われる。」


え・・


王「私が会ったくらいで治まるものでもないが、もし復讐欲が薄れたら・・他の欲が出るかもしれん。」

王「それが物欲ならしめたもの。簡単に詫びることができる。」

王「だが、未練が無くなり命を絶つかもしれん。十分注意してくれ。」

は、はい!


・・それにしても、大地主さんをずいぶん気にかけてくれるんですね。

王国を支援していたわけでもないのに。むしろ逆というか。


王「乱世では将兵を頼りにするが、治世では有名な者を優遇し、将兵は冷遇される。」

王「将兵は命を懸けて戦うが、有名な者は命をかけず責任をとろうとしない。」

王「平和になると、いざという時に頼りになる者を重用しないのだ。だがそれではいけない。」


王「国が乱れた時にこそ人の真価がわかるものだ。」

王「あの男はいざという時に役に立つ。そういう者を日頃から大切にすることが王国のためになる。」


王「それに・・もし彼の者の本質が悪であるなら、もっと早く邪悪に手を染めていただろう。」

王「悠久の苦しみがあの男の言動を狂わせていたのだ。」


なるほど。王様は、王様なんだなぁ(語彙力不足)

でも、謝ったりはしないんですね。


王「そんなことをしても何も解決せぬ。あの男の感情を押し込め惨めにするだけだ。」

王「・・行き場のない感情が爆発する恐れもある・・謝罪だけでは被害者は幸せになれぬ。」


王「長く生きれば反省したことなど何度もあるだろう。謝罪も幾度とした。」

王「だが・・謝罪や反省や同情以外に何をしてやれるかが大切なのだ。」


王「面倒事を終わらせたいがために謝罪をする者、騒動を大きくするために謝罪を要求する者。」

王「謝罪の意味を取り違えた者たちが、その価値を大きく下げている。」


王様は、困ったような、悲しそうな顔をした。

人に歴史あり・・か。


そういえば、乱世を統一する能力と、統一後に治世を作る能力は違うって本に書いてあった。

力だけで国は治められないんだ。

王様のように、人を大事にできる人格者が治世を作るんだ。


王「ところで・・・・まだかね?」

何がですか?


王「ミ・ニ・ス・カー・ト。」


・・・・ああ!

そういえば、ミークルーガー倒したら雫さんにミニスカート履いてもらうの頼む約束してた!


王「まだかなーまだかなー。」

えーと・・すぐ取り掛かります!


・・

・・・・


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