33スネークドラゴン
俺たちは北の地へやって来た。
女神像に尋ねたら、蛇の紋章が入った剣が示してくれると教えてくれた。
便利な剣だ。
レイン「その便利な剣は瑪瑙しか使えないのよね。」
レイン「どういう仕組みなのかしら?」
さぁ。
俺が剣を抜くと、剣から光が出て北へ向かっていった。
でも他の人が剣を持つと、光は消えてしまう。
何で識別してるんだろうね。
場所をある程度特定するために、小高い丘に登り剣を掲げる。
少し距離はあるが、大体わかった。
光が指し示す先は・・湖?
・・
・・・・
スネークドラゴンの封印石は湖の中っぽい。
・・ミークルーガーの時と違い、穏やかな湖だ・・
ミミット「それで、封印石を見つけてどうするつもりですか?」
王妃「封印を解いて、とにかく謝ろうかと。」
ミミット「・・怒り狂っていると思いますが。話を聞くと、250年不当に封印していたのですよね?」
王妃「貢物をたくさん用意して、誠心誠意謝ればきっと気持ちは通じると思うの。」
でもドラゴンさんからすれば、格下の人間に騙されて封印されたんだから、プライドズタズタじゃないかな。
?「気にしてないよ。」
エティー「先に貢物を用意しておいた方がよくないですか?」
エティー「ミークルーガーは、封印された状態でも意思疎通できましたから。」
そっか。封印石を湖から回収した時点でドラゴンさんには気付かれるか。
俺たちは近くの町や村から貢物を用意した。
と言っても、お酒と食べ物が大半。定番だよね。
ついでに湖の中へ潜るので水着も買った。
潜るメンバーは、レインとクーさんと俺。
着替え完了!準備体操をする。
レイン「泳ぐのも久しぶりね。昔は海や川でよく泳いだけど。」
クー「泳ぐより覗き退治の方が記憶に残っています。」
海は荒れてから泳げなくなったよね。
俺も泳ぐのは久しぶり・・なんだが・・
レイン「どうかした?」
クー「じろじろ見ないでください。」
あ、ごめん。
・・スネークドラゴンさん、こんな素晴らしい機会をありがとうございます!
?「いえいえ。」
俺たちは湖の中に入った。
・・水が綺麗だ。水温も低くない。
これは普通に泳ぎたい!・・と思ったら、既にレインが勝手に泳いでいた。
クー「ストレス溜まってるんですよ。私たちだけで封印石を探しましょう。」
そうだね。
休みなんて全然なかったからなぁ・・クーさんは大丈夫?
クー「平気です。」
クーさんはあまり感情を見せないから本当かわからない。
気にかけてあげないといけないかな。
剣から出る光を頼りに探すと、封印石はすぐ見つかった。
おーいレイン、封印石見つかったよ。
レイン「はーい。もうちょっと泳いだらあがるわ。」
場合によっては人類の危機を迎えるのに余裕あるなぁ。
スネークドラゴンさん・・怒ってるかな・・
?「別に。」
さっきから、誰か返事してません?
・・
・・・・
俺とクーさんは先に湖から出た。
とって来たよー。
マーユ「お疲れ様です。タオルどうぞ。」
ありがとう。
ん~~~、久しぶりに泳ぐと気持ちいいなぁ。
・・あれ?クーさんが俺を見てる?
なにかついてる?
クー「いえ、なんでもありません。」
???
あ、レインもあがったようだ。
レイン「水が気持ちよかったわ。みんなも泳げばいいのに。」
マーユ「実は泳いだことないんです。」
レイン「教えるわよそれくらい。」
ミミット「その、水着は・・恥ずかしいと言いますか・・」
レイン「大丈夫よ、男が喜ぶ身体してるじゃない。」
ミミット「だから恥ずかしいんです!」
雫「親がいるとちょっとな・・」
王妃「私は巴ちゃんと一緒に泳ぎたいけど、若い子ばかりだと恥ずかしいわ。」
レイン「全然スタイルいいじゃないですか。それに水の中に入ればわからなくなりますよ。」
レイン「親はわかる。」
エティー「私は見張りをしますので。」
レイン「泳げないの?」
エティー「いえ・・サイズの合う水着がないんです。」
レイン「クーみたいに子供用でいいんじゃ・・あ、胸ね・・」
え?
柚月「私はみなさんに迷惑をかけてしまいましたから楽しむわけには・・」
レイン「いいのよ。誰にも迷惑かけない人なんていないんだから。」
レイン「それよりあなたともっと仲良くなりたいわ。」
柚月「レイン様・・」
みんなの水着姿か・・これは見たい!
水に入る前もいいけど、入った後もまたいいよね。
スネークドラゴンさん、この様な素晴らしい機会をくださりありがとうございます(2回目)
?「いいよいいよ。」
・・ん?
・・
・・・・
着替えも終わり、準備は完了した。
王妃「では封印を解きます。」
?「大丈夫だ。自分で出れる。」
声が・・響いた。
封印石が割れ、スネークドラゴンが現れた。
スネークドラゴン「この程度の封印などすぐに出れる。」
スネークドラゴン「人間よ、何か用か?」
用って・・え?
250年間封印されていたのでは?
その、人間のせいで・・
スネークドラゴン「人間なんぞに油断をした己が愚かだっただけだ。」
スネークドラゴン「いつでも出ることはできたが・・封印されたことを恥と思い反省していた。」
王妃「人間を恨んではいないのですか?」
スネークドラゴン「人間など眼中にないわ。」
スネークドラゴン「ドラゴン族は精霊を超え天使を超え神の領域を超えることを目標としている。」
スネークドラゴン「下は見ない。」
これが・・誇り高きドラゴン。
スネークドラゴン「もしや封印したことを気にしていたのか。」
スネークドラゴン「しかし250年経ってからとは、人間ものんびり屋だな。」
スネークドラゴン「察するに、そこの酒や食料は私のために用意してくれたのか?」
王妃「はい。お口に合うかわかりませんが、どうぞお納めください。」
スネークドラゴン「ごちそうさまでした。」
え?
いただきますでは?と思ったら、もう食べ終わってた。
スネークドラゴン「うまかったぞ。ではそろそろ行くとしよう。」
スネークドラゴン「人のすることなどドラゴンにとっては些事だ。気にすることはない。」
スネークドラゴン「・・同じ高みを目指すならまた会うこともあろう。」
風が・・舞った。
まばたきした瞬間にスネークドラゴンはいなくなっていた。
これが音速で動くドラゴン・・いいなぁ。ドラゴンかっこいいなぁ。
・・
・・・・