28決戦!王国(後編)
王の部屋へ行くと、いかにもな隠し通路が開いたままになっていた。
クー「開いたままということは、まだ中にいるということですね。」
雫「(隠し通路かっこよいのう・・わらわの部屋にも欲しい)」
ミークルーガー対策があるのか・・うん、あまり行きたくない。
言い出せないけど。
・・・・
隠し通路の先には隠し部屋があった。
そして・・人が倒れていた。
雫「父上!」
大臣「王!」
この人が王様なのか・・
レイン「監禁・・じゃないわね。襲われたばかりって感じね。」
クー「大臣の言うことはひとまず間違いではなさそうです。」
ミミット「では、なぜ、誰に王は襲われたかですね。」
よく見ると、この部屋って宝物庫?
高そうなものがちらほらある。
マーユ「触ってはいけません!いくつか呪われた品があります。」
ふぇ?
王「う・・」
雫「父上、しっかり!」
王「・・おお、ここは・・天国か?」
大臣「現実ですよ王。」
王「あ、地獄か。」
残念ながら現実です。
王「巴よ無事であったか。」
雫「それより何があったのですか?」
王「柚月が・・ミークルーガーがやって来ると報せてくれてな。」
王「ここまで来たのはいいが、後ろから衝撃を受けて・・」
雫「柚月が・・」
クー「これで決まりですね。柚月さんが騙していたようです。」
王「どういうことだ?それにお主たちは・・?」
雫「話は後です。それより柚月は・・もしかしてミークルーガーに対抗できるものを手に入れようとしたのではないですか?」
王「いや、それはこの部屋のさらに奥にある。扉を開けられるのは私だけだ。」
クー「では、この部屋から無くなった物はありますか?」
王「ふーむ・・・・む、封印石が無くなっておる。」
封印石?
雫「封印石はもうなかったと聞きましたが?」
王「それほど力の強くない封印石をまとめて置いていたのだ。」
王「あれでミークルーガーを抑えられるとは思わぬが。それに、巫女がいなくてはな。」
あれ?じゃあこの部屋の奥にある、ミークルーガーに対抗できるものって何なんだろう?
巫女がいなくても使えるってことか。
教祖「これはこれはみなさんお揃いで。」
・・だれ?
柚月「・・」
雫「柚月!」
隠し部屋へ、柚月さんと見知らぬ男が入って来た。
大臣「その服装は、ミレソウ教の者か。」
大臣「巴様、あの男もお仲間でしょうか?」
雫「いや知らぬ。初めて見る男じゃ。」
マーユ「着ている服からすると、それなりに高い階級の方と見受けられますが・・」
教祖「そうですよ。私はミレソウ教の創始者です。」
創始者?なんでそんな人がここへ?
教祖「もちろん、偉大なる神をお迎えするためです。」
教祖「神に対しては、最高級の礼をするのが当然でしょう。」
まぁ、うん・・神様?
王「ええい、ここは本来であれば私しか入れぬ場所。」
王「誰の許可を得て入った!お前らもだぞ!」
え?俺たちも?
クー「巴様です。」
王「ならよし!」
え?
レイン「巴様です。」
王「ならよし!」
ミミット「巴様です。」
王「ならよし!」
マーユ「巴様です。」
王「ならよし!」
大臣「申し訳ございません。王が心配で駆け付けました。」
王「まあいいだろう。」
えーと、巴様の許可です。
王「なんだお前は。巴とどういう関係だ?そもそもお前程度が巴と知り合いになるなどありえぬこと。」
王「よし、死刑!」
ふぁ!?
雫「瑪瑙は仲間です。侮辱することは父上でも許しません。」
王「な・・そんな・・・・巴よ、お前は騙されているのだ。」
王「見よこの男を!人畜無害そうに装いながら、間違いなく内に獣を隠しておるわ!」
ミークルーガーかな?
王「ぼーっとして人当たりが良さそうで温厚そうに見えて実は邪悪なたくらみをしているに違いない!」
レイン「無敵の理論よねそれ。」
クー「〇〇だけど実は悪人・・なんて言い方だと、すべての人が悪人になります。」
教祖「無視するな!柚月、やれ!」
柚月「はい。」
柚月さんは・・6つの石を取り出した。
もしかして、封印石!?
雫「何をする気じゃ?それは巫女にしか扱えぬ物。」
教祖「柚月は・・巫女ですよ。」
え!?
柚月「連なりし力の命脈起こしたらん。」
柚月「異より訪ぬるは7つ目の力なり。我望むは力の平穏。」
柚月「ここに6つの力、6つの石、6つの魔物集まりし時、7つ目の力呼び起こさん。」
う・・左目が・・
教祖「さぁ、神の降臨です!」
柚月「ミークルーガー召喚。」
俺の左目から、6体のミークルーガーが現れた。
雫「強制召喚!?」
教祖「おお、素晴らしい・・」
柚月「6つの力の名において、6つの魔物、6つの石へと導かん。」
ミークルーガーが・・柚月さんの持っている6つの石にそれぞれ入っていった。
柚月「再封印完了しました。お受け取り下さい。」
教祖「見事ですよ。これでミレソウ教が世界の支配者です。」
まさか、ミークルーガーを操ることまでできるの?
教祖「もちろんですよ・・ちょうどいい、ここであなたたちを殺しておきましょう。」
教祖「最初の生贄になれることを光栄に思いなさい!!」
もうだいぶミークルーガーさん人間殺してると思うんだけどなー。
なんか言っちゃいけない空気。
教祖「神よ!おいでください!我らに逆らう愚か者に死を!」
教祖さんの呼びかけで、6体のミークルーガーが姿を現した。
教祖「ふはははは!神がおられればすべて思い通り。」
教祖「ふーむ・・殺すには惜しい人がいますねえ・・」
教祖「美しいお嬢さん方、私のものになるなら命は助けてあげますよ。ふふふ。」
雫「何を馬鹿なことを。貴様に従うくらいなら死んだ方がマシじゃ。」
レイン「あいにく、他人に強制されるのは嫌いなのよね。」
クー「あなたは外道です。」
王「そうよそうよ!」
ミミット「力で支配者になろうとするなど許されない!」
マーユ「最っっっ低!」
大臣「信じられないわ!人非人よ人非人!」
王様?大臣さん?
教祖「地上の栄華を得られるチャンスを逃すとは・・愚かな。」
ミークルーガー「よくやった人間よ。我をあの忌々しい左目から出してくれたのだな。」
教祖「ああ、神のお役に立てて光栄です!」
ミークルーガー「あとはお前の持つ石を破壊すれば我は自由だ。」
教祖「・・へ?」
・・止める間もなかった。
暴れ出したミークルーガーたちは、教祖さんを封印石ごとプレスした。
柚月「きゃっ!」
近くにいた柚月さんも弾き飛ばされ壁に激突した。
ミークルーガー「・・自由はいいなぁ・・」
ミークルーガーが、こちらを向いた・・で、いいんだよね?顔ないからよくわからないけど。
王「これを見よ!ミークルーガー!」
いつの間にか、王様が奥の扉を開けていた。
そこには・・村と同じ・・女神像があった。
ミークルーガー「そ、それは250年前の・・うわああああああああああ」
5体のミークルーガーが、逃げて行った。
・・1体残ってるんですが。
そういえば、こいつだけ暴れてなかったような・・
ミークルーガーI「私はミークルーガーI。人間と争うつもりはない。」
ミークルーガーI「今しばらくお前と共にいよう。必要があれば呼ぶがいい。」
ミークルーガーIが、俺に左目の封印石へ入っていった。
???何がどうなってるの???
エティー「こ、これは・・柚月!?」
エティーさんがやって来た。
無事でよかった。
・・
・・・・