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22今後の方針


やがてレインたちも戻って来た。

大部隊を動かしたからまだやることは残っているが・・

この後で今後の会議をしないといけない。


エティーさんが言ってた、俺たちが利害関係というのはその通りだと思う。

そしてみんなの利害は違う。

それをどうにかしないと何もできなくなってしまうだろう。


・・

・・・・


クーさんちょっといい?


クー「はい、なんですか?」

クーさんは、人質を捕られたらどうやって戦います?


クー「人質を使われる前に速攻で倒す。」

クー「人質を救出してから倒す。」

クー「スパイを作り人質に危害が加わらない状況を作ってから倒す。」


クー「基本はこの辺です。あとは状況次第で対応を変えます。」

クー「買収や脅迫、内応など、一番状況に合うやり方を・・場合によっては複数使うこともあります。」

クー「そもそも人質をとられないようにするのが一番ですが。」


・・なるほど、ありがとう。


クー「なぜそんなことを?」

兵法の勉強です!


クー「?」


雫さんは王国と戦ってからエティーさんの家族の救出に動いたわけじゃない。

エティーさんの家族の無事を確保してから王国と戦ったんだと思う。


エティーさんの家族は無事だ。


・・

・・・・


さて会議の時間だ。

普通なら攻めて来た王国へ反撃するって話だろうけど・・


退却した王国軍はどこにいますか?


雫「この本拠よりすぐ北の王国領地に留まっておる。」

この状態で外国へ行くのは無理そうだね。


レイン「王国は一線を超えたわ。潰しましょう。」

クー「遠征に使った物資が無駄になりました。本拠もボロボロです。」

クー「この損害は王国に賠償してもらわなければなりません。」

ミミット「今まであれやこれや命令だけしておいて、ねぎらいのひとつもせず矛を向けるなどありえません。」

マーユ「これは擁護できませんね。」


雫「待ってほしい。」


雫「王国から本拠を守るためにわらわとエティーは王国と敵対してしまった。」

雫「わらわの家族は王族だからいいとしても、エティーの家族に危害が及んでしまう。」

雫「知り合いを通して救うために動いておる。しかし今攻めればエティーの家族は・・」


エティー「すみません、本来であれば私と王国の問題であり、皆さんには関係ないことです。」

エティー「覚悟していたつもりでした。ですが・・家族を失うと思うと・・胸が・・張り裂けそう・・」


レイン「・・」

クー「・・」


レインとクーさんも、家族を亡くしてるんだよね。

俺もそうだけど・・まさかそこまで計算して・・だとしたら、雫さんすごいな。

敵に回したくない。


ミミット「瑪瑙殿、どうしますか?」


ん?王国を攻めるよ。


ミミット「え!?」

レイン「え!?」

クー「え!?」

雫「え!?」

エティー「え!?」

マーユ「あらー?」


注目を浴びるのは恥ずかしい。


雫「しかし攻めればエティーの家族が!」


エティーさんの言った通り、それはエティーさんと王国の問題。

だからこそ、問題だ。


クー「言ってる意味がわかりません。」


王国はエティーさんを恐れていない。

だから気軽にエティーさんの家族へ危害を加えられる。


俺たちがやること。

それは、エティーさんと王国の問題を、俺たちと王国の問題に変えてしまうこと。


まずここからすぐ北の王国領土を攻める。

まだ大軍がいるよね。ここを徹底的に潰して力の差を見せつけるんだ。

次に、王国を脅迫する。エティーさんの家族に危害を加えたら王国を滅ぼすと。


すると、王国は俺たちを恐れてエティーさんの家族に危害を加えられなくなる。


エティー「・・それでも危害を加えたら?」


そんな馬鹿な王国なら、速かれ遅かれ同じことになりますよ。

それに、そんな王国いらない。一秒でも早く潰した方がいい。

被害がもっと広がる前に!!!


雫「・・」


逆に言えば、王国の存亡は自分たちで決めてくださいってこと。

俺たちはこれから王国へ要求し続ける。

王国の対応次第で潰す。


要求を断って滅びるなら・・それもまた王国の選択。

更生の機会は何度もあったでしょう。

しかし王国は変わらなかった。


こちらから変えてやらなければならないところまで来たんです。


ミミット「その通りです!それでいきましょう!」

マーユ「瑪瑙様素敵です♪」


レイン「要求とかまどろっこしいことしないで潰せばいいんじゃない?」

レイン「本当に滅ぼす気あるの?」


レインは・・うん、よくわかってるね。


できれば滅ぼしたくないから、大義名分を集めまくってる感じかな。

本当にどうしようもない王国なら、潰さないといけない。

でも雫さんやエティーさんを見ていると、そうとは思えないんだよね。


王国のどこに問題があるのか、それはなぜ起きたのか。

どうやって対処するか、今後も同じことが起きないようにするにはどうするか。

俺たちは王国のことを知らなすぎるから、知るためにどんどん関わらないといけないかなって。


レイン「つーぶーしーたーいー。」


クー「別人がなりすましているのではと思ったら、いつもの瑪瑙ですね。」

クー「攻めに転じるのはよいと思いますが。」


翻弄されるのではなく、翻弄させないといけないって条件で考えてみました。


クー「要求して・・というのは、王国のやり方を真似たのですか?」

クー「私たちは王国の要求に応えて来ました。」

クー「王国が要求を無下にすれば、私たち未満の信義しか持たない証明になります。」


・・いや特に。そこまで考えていなかった。


クー「実現不可能な要求の数々を用意しますね。」

可能な範囲でお願いします!


雫「・・いつの間にか立派なリーダーらしいことを言うようになったな。」

雫さん・・


雫「後でエティーはおしおきじゃな。」

エティー「!?」


あれ!?


雫「硬軟両面の策とは、誰の影響を受けたか丸わかりじゃ。」

雫「まったく・・ならば、どこを終戦とするか考えておるか?」


どこをって?


雫「永遠に戦い続けるつもりか?王国を残す場合、わらわたちの領土はどうする?国を分裂させたままでいいわけがない。」

雫「それとも王国をこちらに編入させるのか?外国はどうする?」

雫「終わりを決めなければ、戦乱は永劫終わらぬ。力ある者が終わりを作るのだ。」


雫「考えておいてくれ。」

は、はい!


・・やっぱりさぁ、俺以外の人がリーダーやった方がいいと思うんだけど・・

みんな俺より勇敢で行動力があって頭もいい。

その方がミークルーガーも上手につかうんじゃない?


クー「今さら他の誰がリーダーになっても全員が納得することはありません。」

クー「それにいいところもあります。」


クー「瑪瑙は民に優しいです。民に嫌われて栄えた国はありません。」

クー「瑪瑙は純粋な心を持っています。これは他人の言葉に耳を傾けられる人です。」

クー「瑪瑙は仁者(思いやりや慈しみを持つ人)です。だからこそ考えの違う私たちが一堂に会せるのです。」


ミミット「クー殿はいいこと言った!民に嫌われて栄えた国はない!」

レイン「瑪瑙はニュートラルなのよね。特定の誰かを特別視しない。」

レイン「でも、私は幼馴染なんだからもっと優遇していいのよ。」

雫「ここまで大きな領地を抱え王国を脅かす存在になったのは瑪瑙の力じゃ。」

雫「それに・・お主は成長しておるぞ。案ずることはない。」


エティー「瑪瑙お嬢様の成長が楽しみです。」


雫「お嬢様?」

レイン「お嬢様?」

ミミット「お嬢様?」

クー「お嬢様?」

マーユ「お嬢様?」


それ、みんなの前でも言うの?


クー「・・ずいぶん仲良くなられたようですね。そんなに暇なら仕事を増やしてあげます。」


いやぁぁぁぁ!

誰か変わってええぇぇぇ。


ゴーレム「では僭越ながら私めが。」

え?


ゴーレム「新たなリーダーのゴーレムです。以後よしなに。」


ゴーレム「私が気になるのは、王国と外国は盟を結んでいることです。」

ゴーレム「これはっておかなければ王国は態度を改めないと思います。」


クー「それなら北の王国領土へ攻め込み、王国を大敗させた後なら可能です。」

クー「王国の次に滅ぶのはどこか、よく考えて行動するよう使者を出せばこちらになびきます。」


クー「ミークルーガーの恐ろしさを外国はよくわかっています。」

クー「対抗策は見つからないでしょう・・王国・外国連合でだめなら和を結ぶしか道はないと考えるはずです。」


ゴーレム「良い案です。北の王国領土へ攻め込んだ後でやってみましょう。」


ゴーレム「それでは北の王国領土へ攻める準備に入ります。」

ゴーレム「敵の数が多いです。こちらも3箇所から攻めます。」


ゴーレム「一隊はレイン様、クーさん、ミミットさん。」

ゴーレム「私、空間兵、ノーマルを中心とした部隊で敵右方から攻めてください。」


レイン「わかったわ。」

クー「王国軍をかき回します。」

ミミット「任せてください。」


ゴーレム「一隊は雫さん、エティーさん、マーユさん。」

ゴーレム「キメラ、バジリスク、ノーライフを中心とした部隊で敵左方から攻めてください。」


雫「火力の低い魔物・・積極的に倒さなくてよいということか。」

雫「気遣い感謝する。」

エティー「バジリスクを中心に混乱させていきましょう。」

マーユ「みなさんをサポートします。」


ゴーレム「そして瑪瑙。ミークルーガーで正面から攻めろ。」

うん・・扱いに差がありません?


ゴーレム「ミークルーガーだけでも負けはない。」

ゴーレム「だが力だけに頼れば、天の時を得た者にいつか敗れる。」

ゴーレム「我らは力以上の強さ・・そう、団結による強さを普段から育むことで盤石となろう!」


・・ゴーレムさんすごい・・しゅごい・・

・・でも・・本当にこのままリーダーするつもりですか?


ゴーレム「ほーん気になるん?本当はリーダーやりたいんだろ?」

いや、その・・


ゴーレム「はいはい、素直になりましょう。」

ゴーレム「私、ゴーレムは今をもちましてリーダーを辞任させていただきます。」

ゴーレム「後任は素直になれない瑪瑙。こんなやつだがみんなよろしく頼む。」


レイン「よろしく新リーダー。」

クー「今度はどんな人でしょうか。期待します。」

雫「この交代が飛躍につながると信じておるぞ。」

エティー「お嬢様立派になられて。」

ミミット「よろしく瑪瑙殿。」

マーユ「頼りにしています♪」


話の流れについていけないんだけど!


・・

・・・・


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