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02悪魔王さんの力を借りて山賊退治


元々寒村だったけど、今は一層寂れて見える。

村の女神像も壊されて腕が無くなっている。


村人「お前さん、村人の墓を作ってくれたのかい。ありがとうね。」

向かいの婆さん・・まぁ、それくらいしかやることないし。


村人「もうこの村は終わりだで。残った若いもんたちは、無謀にも山賊を倒すと行ってしまった。」

クーさんたち行ったんだ。


村人「勝てるわけがない。男は殺され女は慰み者にされるだけじゃ・・」

婆さんは女神像を見上げた。


村人「・・女神像があっても役に立たん。」

村人「神などおらん。おっても救わぬ神など邪神と変わらん。」

村人「お前さんも、早くこんな村は捨ててよそへ行った方がいい・・今はどこも似たようなもんらしいがな。」


魔物がはびこり生活が破綻した村の話は時折耳にする。

まさか自分の生まれ育った村がそうなるとは思ってもみなかったけど。


・・婆さんはどこかへ行ってしまった。


俺は女神像を見た。

役に立たない・・か。まぁその通りだ。

だけど・・それでも祈りたくなる。


俺はどうなっても構いません。山へ行った村人たちを守ってあげてください。


?「嫌」

女の子の・・声が聞こえた気がした。


?「山へ行った村人は負けたわ。みんな捕まって、村の若者はあなたしか残っていない。」

まさか・・女神様?


悪魔王「私は悪魔王。女神像の姿を借りてあなたに話しかけているわ。」

悪魔・・の王?


悪魔王「違うわ。私は唯一無二の存在。人間の言う悪魔ともまったく違う。」

悪魔王「とはいえ、違いを語るなら哲学者が必要になるわ。」

悪魔王「でも、あなたが求めているのはそんなことじゃないでしょう?」


山賊に捕まったみんなを助けてください。


悪魔王「なんで?」

え?


悪魔王「肩こりするわ腰痛になるわ、虫歯になり病気になり老化して放っといても死ぬ。」

悪魔王「この星から出れば宇宙線で体は蝕まれ、海の中で生きることもできない。」

悪魔王「人間という役に立たないゴミくずを助ける理由を答えて。」


・・人間が完全な存在なら、助けを求めません。

役に立たないゴミくずだから、助けが必要なんです!

俺の命でよければ差し上げます。だからみんなを助けてください!!!


悪魔王「なら、残った寿命の9割をいただくわ。」

残った寿命の9割?


悪魔王「仮に、あなたがあと60年生きるとして、9割・・54年が私のものになる。」

・・構いません。どうせ明日を迎えられるかわからない命ですから。


悪魔王「成立ね。ではあなたにこれを貸してあげる。」


上から・・小さな板がゆっくりと落ちて来た。

俺の手のひらの上で小さな板は止まった。


悪魔王「それは魔法板。中にゴーレム兵が入っているわ。」

悪魔王「田舎の山賊程度なら、ゴーレムで無双できるわ。」


あ、ありがとうございます!!


悪魔王「村人を助けたら戻って来なさい。魔法板を返してもらうわ。」

悪魔王「それと・・その時にあなたの寿命も私のものにするから。」


わかりました!

力さえあれば・・


・・

・・・・


山・・山賊たちがいる小屋。


山賊「まったく、ちっこいくせに手こずらせやがって。」

クー「ふんっ。」


山賊「へへへ、かわいいなあ・・ヤっちまおうぜ!」

山賊「おいやめろ!最初はお頭がヤル決まりだろ。」

山賊「えー、じゃあお頭の怪我が治るまでおあずけかよ!」


山賊「オレ早くこっちの女を犯したいんだけど・・いい女だよなあ。」

レイン「あなたは最低な男よね。」


山賊「へっ、なんとでも言いな。お頭が楽しんだ後はオレたちが楽しませてもらうぜえ。」

山賊「ここにいると目に毒だぞ。メシ食い行こうぜ。」

山賊「そうだな。しけた食いもんしかないけどな。」


クー「村から奪ったものでしょ。」


山賊「オレたちが食うためにせっせと用意してくれたんだなあ。いやあありがたいありがたい。」

山賊たちは、部屋を出て行った。


クー「・・ごめんなさい、助けられなくて。」

レイン「ううん、私が捕まったせいであなたまで捕まってしまったわ。私こそごめんね。」


クー「あの馬鹿たちが人質をちらつかされたくらいで尻込みしちゃったから・・」

クー「殺したら人質の意味ないのですから、そのまま突っ込むのが正解なのに。」


レイン「みんな優しいのよ・・ところで、瑪瑙は?」

クー「あいつは来ませんでした。勝てないから意味がないって・・幼馴染のあなたが捕まっているのに。」


レイン「そう、良かった・・」

クー「良くないです。幼馴染を見捨てたのですよ。」

レイン「犠牲は少ない方がいいわ。」


がやがや。


クー「みんなでやれば成功してたかもしれないのに。考え方が違うって厄介です。」

クー「多様性の悪いところです。力を合わせて人は不可能を可能にしてきたのに、団結できなくなります。」

レイン「そうね。瑪瑙がいたら、また違ったかも・・」


がやがや。がやがや。


クー「あんなのひとりいても役に立ちませんよ。」

レイン「瑪瑙は、いざとなったらやる人よ。ただ、中々決断できないだけ。」


がやがや。がやがや。がやがや。


レイン「・・なんだか騒がしくない?」

クー「そうですね・・あ!窓の外!」


窓の外には、人の3倍は大きいゴーレムたちが迫って来ていた。


・・

・・・・


ご、ゴーレム強い!圧倒的だ。


山賊「こ、これを見ろ!人質がどうなってもいいのか!?」

レイン!クーさん!


レイン「私たちのことは気にせず突っ込みなさい!」

クー「他に方法がないなら人質交渉に応じてはいけません!」

山賊「人質は黙ってろ!女たちが殺されてもいいのか!?」


・・・・くそっ。

ゴーレムたち、止まるんだ!


ゴーレム「停止命令の申請用紙に漏れなく記入した後、受付に提出してお待ちください。」

申請用紙どこ!?


山賊「お、おい、来るな、来るなああああああああああああああああああああ」

山賊たちは、算を乱して逃げ出した。


ゴーレム「こちら申請用紙です。」


山賊が逃げたので必要なくなりました。

あと受付ってどこに提出すりゃいいんだ?


・・

・・・・


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