12東へ西へ転戦
ミークルーガー・・全然資料見つからない。なんでだろう?
超神さんか悪魔王さんに聞いた方がいいかな。
超神「はーい、呼んだ?」
ちょうど聞きたいことがあったんです!
ミークルーガーって知っていますか?
超神「約250年前に雫ちゃんの先祖が封印した魔物ね。」
雫さんのご先祖様?
じゃあ巫女の子孫・・あれ?巫女の子孫は王家に嫁いだって・・あれ?
超神「ミークルーガーはね、とにかく素早くて人間が一度攻撃したら六度攻撃してくるってくらいだったわ。」
超神「傷つくとすぐ逃げて、追いかけてもまったく追いつけない。」
超神「そうしている間に、人の世界は荒れに荒れたわ。」
速いんですか・・不死の魔物をおとりにすればいけるかな?
バジリスクで行動回数を減らすのも手かな。
超神「それを見かねたのがスネークドラゴン。」
超神「人間に味方してミークルーガーに戦いを挑んだ。」
スネークドラゴンって、音速で動くと言われるドラゴン族?
その存在を認識した瞬間に殺されているってくらいの速さを誇るという・・
超神「スピードタイプ同士の戦闘ね。」
ど、どっちが勝ったんですか!?
超神「圧倒的にスネークドラゴンの方が強かったわ。」
超神「ま、当然ね。ドラゴン族は目指す高みが違うもの。」
やはりドラゴンは最強種と呼ばれるだけありますね。
超神「で、それを遠巻きに見ていた人間たちは思ったの。」
超神「ドラゴンこそ真の脅威だと。」
えええ、味方してくれたのに!?
超神「ミークルーガーは動く災害と言われるほど猛威を振るったのよ。」
超神「生贄を捧げて救われようみたいな宗教が生まれるほどね。」
超神「・・そのミークルーガーに圧勝したスネークドラゴンは、人間には絶望の象徴として映ったの。」
超神「ドラゴンの逸話を人間は伝説として語り継いでいるわ。」
超神「なぜ伝説にまでなるか・・その理由をその目で見てしまったのよ。」
超神「伝説は、ドラゴンに関わってはいけないと戒めるもの・・しかし人は禁忌に触れてしまった。」
それで、どうなったんですか?
そこまで強いなら、別にドラゴンさんは人間なんか敵とも思わないような。
超神「封印したのよ。スネークドラゴンとミークルーガーがお互い傷ついたのを見計らって。」
・・え・・
超神「ひとつの封印石に両者を封印したけど、石が耐えられなかったの。」
超神「石はふたつに分かれ、ひとつは北の地に、もうひとつは南の地へ飛んで行ってしまった。」
超神「封印の力も中途半端となり、約250年経った今、封印が破られようとしている。」
え?え?人間ひどすぎませんか?
人間のために戦ってくれたドラゴンを封印するなんて。
超神「それは人間に言いなさい。」
超神「時の王は、この時の記録を厳しく制限したわ。」
超神「真実を記録した書物が見つかれば、これを廃棄したりね。」
ひどい時代ですね。
超神「今も行われてるわ。気に入らない古い書物は処分されたりしてるのよ。」
え・・
超神「当時の大衆も、自分たちの時代に悪いことをしていたなんて信じなかった。」
超神「今と変わらないわ。いつも自分は悪くないと信じ続けながら悪事から目を背ける。」
・・なんて言っていいかわかりません・・
俺は・・どうすればいいんですか?
超神「あなたも目を背けて自分の都合を他人に押し付ければいいわ。」
超神「ずっとみんなそうして来たわ。あなただけ聖人にならなければいけないなんて法はないでしょ?」
でも、それじゃいつまでも変わらないままでは?
超神「あなただけ綺麗なことをしても、100年すれば元の木阿弥。」
超神「何をするにもお金が必要な世界にしたら、みんながお金のために他を犠牲にするようになる。」
超神「それがおかしいとわかっていても変えられないのが人間よ。」
超神「・・やがて自分は悪くないと信じ問題から目を背けるようになる。」
超神「あなたも・・やがて・・ね。」
そんな人間になったら地獄へ落ちますよ!
超神「落ちないわよ。あなたは地獄へ落ちる条件を知っているの?」
悪いことをしたらじゃないんですか?
超神「何が悪いかは、誰が決めるの?」
・・・・神様?
超神「あなたの言う悪いことって、人間のルールでしょう?人間基準の悪いこと。」
超神「地獄へ落ちるか決めるのが神なら、神のルールを用いらないといけない。違う?」
・・まぁ、そうなりますね。
超神「神のルールは至極単純よ。要約すると、”自分で決めなさい”ってことになるわ。」
・・いまいち意味がわからないんですが・・
超神「あなたを殺していい?」
い、嫌です!
超神「あなたは殺されたくないと考えている。では、あなたはなぜ戦争するの?人を・・殺しているわね。」
・・・・村人が大勢殺されて、村が無くなって・・戦わないと俺も殺される!
殺されたくないから殺すんです!
超神「それでいいのよ。」
超神「あなたがやっていることを他人にされたらどう思うか。」
超神「もしそれが嫌なことなら、なぜあなたはしているのか。」
超神「殺さないと殺される時代なら、殺すことで地獄へは落ちないわ。」
超神「奪わないと奪われる時代なら、奪うことで地獄へは落ちないわ。」
超神「殴らないと殴られる時代なら、殴ることで地獄へは落ちないわ。」
超神「苦しみから逃れるために罪を犯しても、それで地獄へは落ちない。」
超神「時代を決めるのはあなたたち自身・・人を殺さなくてもいい時代にしたい?」
はい!
超神「ならその様にすればいいわ。」
がんばります!
具体的なことは何もわかりませんが!
超神「大事業なんてそんなものよ。わかることは、挑戦しないと絶対うまくいかないってことね。」
超神「やる前から諦めないように。」
肝に銘じます!
超神「脱線したわね。閑話休題っと♪」
超神「南の地へ飛んでいったミークルーガーの封印石は、封印の力が弱まっているわ。」
超神「ミークルーガーは封印を破ろうとしている・・その余波が封印の外まで影響しているの。」
超神「つまり、封印石のある場所は異常が起きている。あなたも知っているわ。」
え?知りませんよそんな・・・・異常?
そういえば・・村の近くの海が・・なぜかずっと荒れ続けてた・・
超神「村に影響がなかったのは、女神像のおかげ。」
超神「ずっとあなたたちを守ってきた。でもミークルーガーの力は強すぎたわ。」
超神「ミークルーガーの影響を防ぐのに精いっぱいで、魔物の襲来を防ぎきれなかったり、山賊に侵入されたり・・」
まったくわからなかった。
女神像なんて、気休めでしかないと思っていた。
でも違ったんだ。人間が気付かないだけだったんだ。
人間は・・なんて愚かなんだ。
超神「ミークルーガーについて言えるのはここまでね。」
超神「では恒例の魔法板♪」
やったー実はちょっと期待していました!
超神「今回は、”ノーマル”」
ノーマル?普通?
超神「あまり強くないように見えるけど、この子は特殊成長タイプなのよね。」
特殊成長タイプ?
超神「育ててみればわかるわ。こういうのはもっと早くよこせよゴルァってなるから。」
・・い、いえさすがにタダで借りてそんなこと・・でも思ったらごめんなさい。
特殊成長・・成長させないといけないのかな。
超神「じゃあ今日はここまで。」
あ、その、封印されたスネークドラゴンさんは・・
超神「聞いてどうするの?今は目の前のことをやりなさい。」
やっぱり、人間を恨んでいるのかな。
封印が解けたら人間を根絶やしにするとか考えていてもおかしくない。
・・なんとか許してもらうことはできないだろうか・・このまま封印されたままでいいわけがない。
でも、封印を解いたせいで人々が殺されたら・・・・
・・
・・・・
ミークルーガーも大事だけど、目の前の問題も大事だよね。
東へ進むか西へ進むか、それとも王国へ攻め込むか。
みんなのまとめ役として、決断をしないといけない。
・・東から進もう!
・・
・・・・
東の反乱軍はあっさり鎮圧できた。
戦力充実してる!これなら王国も簡単に倒せたりして。
・・と思ったけど、反乱軍の中で分裂問題が起きてたみたい。
ミレソウ教というのが乗っ取ろうとして分裂、鎮圧したけど弱体化したと。
あれ?ミレソウ教・・どこかで聞いた名前のような・・?
ミミット「瑪瑙殿、大変です!西の反乱軍が攻めて来ました!」
西のって・・外国の支援を受けているって言われてるとこ?
大変だ!すぐ迎撃に向かおう!
・・
・・・・
西の反乱軍には・・見慣れない兵がいた。
天使みたいな姿をしている。
雫「あれは・・外国が切り札にしている神聖兵。」
切り札?強いの?
エティー「歩兵や弓兵、義勇兵などは【第一世代】」
エティー「重歩兵や重騎兵、近衛兵などは【第二世代】」
エティー「そして神聖兵や暗黒兵が【第三世代】と呼ばれています。」
世代が進むほど強いってことか・・
ん?外国の切り札を反乱軍が使っているってことは・・
クー「外国が支援している証拠です。」
・・負けたら外国に支配されてしまうってわけか・・
キメラに空間兵、バジリスクにノーライフ、それとノーマル。
こっちだって悪魔王さんや超神さんから借りた兵がいる!
頼りになる仲間もいる。
外国の好きにはさせない!
・・
・・・・
西の反乱軍を追い返せたけど・・
神聖兵強くない?
雫「歩兵弓兵騎兵のいいとこどりした兵じゃな。」
雫「攻撃してよし守ってよし、行軍も速く遠距離攻撃も可能。」
キメラやバジリスク、ノーライフをおとりにして守れたからいいけど。
敵の神聖兵が大勢いたら勝つのは難しい気がする・・
キメラたちは量産できないし・・ゴーレムがいたら・・
いつでも呼び出せると悪魔王さんは言ってくれた。
でも、できれば自分の力で取り戻したい。
クー「心配ありません。敵の神聖兵は多くはないと思われます。」
なぜ?
クー「神聖兵は外国の切り札なのでしょう?よその国の人に多くは預けませんよ。」
ミミット「反乱軍も利用されている程度なのですね。」
レイン「第一世代とか第三世代とか言ってたけど、ゴーレムやキメラは何世代なの?」
エティー「推定ですが第五世代にランク付けされるかと。」
・・むっちゃ強いね。
レイン「みんなが欲しがるわけね。」
クー「・・なぜ瑪瑙ばかりに与えられるのか、甚だ疑問です。」
別に日頃の行いがいいわけでもないのにね。
俺が選ばれた理由ってあるのかな?
エティー「弱者に与えてこの国を混乱させようとしているとか。」
雫「混乱はしておらぬな。むしろ地方は魔物や賊が退治され安定しておる。」
雫「根本的に、混乱を狙うなら人選ミスではなかろうか。」
ミミット「確かに。」
クー「悪いことしませんからね瑪瑙は。」
レイン「理由なんてどうでもいいわ。そのおかげで多くの領地を有するまで大きくなったのだからね。」
レイン「ありがとうって言っておけばいいのよ。」
そういや超神さんや悪魔王さんにお礼とかしてない気がする。
・・いつも向こうから会いに来るからってのもあるけど・・不義理じゃない?
雫「それで、どうするつもりじゃ?」
お礼を・・じゃなくて、西の反乱軍だよね。
もちろん倒すよ!外国の介入はいい結果になるとは思えない。
自分たちの国は、自分たちの手で良くしていこう!
雫「ではなく・・資金が足りぬ。」
え?
戦いが続いていたから元々それほど余裕はなかったけど・・
東へ西へでお金使いすぎた?
キメラたちはお金かからないけど、歩兵たち一般兵も必要だしそっちはお金かかる・・
き、金策?
俺は、戦争がはじまるとなぜ重税になるのか身をもって理解した。
いや重税は・・できればしたくない!
・・
・・・・