表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/43

10意識合わせ


屋敷の玄関に・・悪魔王さんがいた!

あああこの度はお日柄もよく、この様なところへお越しいただきあり、あり、ありがとうございますぅぅぅ。


悪魔王「ゴーレムが見つからなかったから怒られると思った?」

ば、バレてる・・


悪魔王「気にしなくていいわ。全部わかっていたことだから。」

わかっていた?


悪魔王「ゴーレムはね、エティーという子が柚月という王国の子に渡したのよ。」

エティーさんが!?なんで?


悪魔王「王国から使者が来て、密命を受けたのよ。」


そうだったんですか・・まぁエティーさんはついこの間まで王国軍にいましたから。

無視できなかったんですね。


悪魔王「本人はやりたくなかったけど、友人に頼まれて仕方なくね。」


人の縁は強いですね。

王国で軍を率いていた立場なら、優秀な方でしょうし知り合いも多いでしょうね。


悪魔王「不明な点が明るみになって安心ね。」


・・いや安心できませんって!

王国がゴーレム兵を持ったら無敵じゃないですか!


悪魔王「紐づけしてあるから平気よ。」

紐づけ?


悪魔王「ゴーレムの魔法板は、呼べば手元へ戻るようにしてあるから。」

悪魔王「まさか、本当にセキュリティなしで渡してたと思った?」


・・・・えーと、ならもっと早くそれ使えばよかったような?


悪魔王「すべては、至上の一手を打つため。」

悪魔王「もし王国と決戦になった時、向こうはゴーレムを頼りにするわよね。」

悪魔王「でもその時にゴーレムをこちらへ戻したりしたら・・」


大勝利しそう。王国の計画が破綻します!


悪魔王「一度使ってしまえば手の内がバレるわ。だから今まで秘密にしていた。」

悪魔王「今のあなたなら、ゴーレムを呼び戻す方法を教えてもいいと思ったのよ。」


そ、そんな深い考えがあったなんて・・まさか最初から!?


悪魔王「私は悪魔王。私のやることはすべて正しいのよ。」

悪魔王「超神なんていう浅はかな格下の言うことは信じちゃだめよ。」


おふたりともすごすぎて、ただの人間である俺にはついていけません。

愚かな自分を許してください!


悪魔王「許すもなにも、あなたは何も罪を犯していないわ。」

悪魔王「顔をあげて。ゴーレムを呼び戻す魔法の言葉を教えてあげる。」


悪魔王さん・・


悪魔王「いつ呼び戻すかはあなた次第よ。」

悪魔王「実力で取り戻したいならそれもよし。すぐに呼び戻して使いたいならそれもよし。あなたが選んでいい。」

悪魔王「それと・・これを貸してあげる。」


新しい魔法板!


悪魔王「命なき不死の魔物・・”ノーライフ”」

悪魔王「初めから体力が0で、絶対死なない壁キャラよ。」


す、すごい!戦力が充実していく!

もしかして、王国にも勝てる・・?


悪魔王「すべてはあなた次第よ。」

悪魔王「超神なんかを信じたらどうなるかわからないけどね。」


悪魔王さんを信じれば、道は開ける・・


・・

・・・・


定例会議(一回目)


人も増えたしお互いの意識合わせも必要になると思うので、こういう場を設けさせてもらいました。


目的は今後の方針をみんなで共有することです。

意見などありましたら自由に言ってください。


レイン「王国を倒すのが方針じゃない?」

クー「他の独立勢力と和を結び王国を包囲しましょう。」

雫「今まであまり王国を刺激せず来たのだ。周辺の地盤固めに力を入れるべきではないか?」

エティー「王国もそうだが、外国の動きも気にした方がいい。内乱につけこもうとしてくるはずです。」

ミミット「もっと他の地域の独立を促しましょう。王国に苦しめられている人は大勢います!」

おおう、みなさんいい意見をたくさん出してくれてありがとうございます。


えーと、レインはうち単独で王国とあたる感じ?


レイン「道は自分たちで切り開かなくちゃね。」

そういう立場だよね今は。


クーさんは、他の独立勢力と協調して王国とあたる感じ?


クー「使えるものは何でも使うものです。」

クー「とはいえやり方を誤れば、王国亡きあと他の独立勢力との内戦に突入します。」


クー「今は他の勢力と王国を争わせつつ、こちらは力を温存するのです。」


えぐいけど理想的だと思う。

ライオンがニワトリを食べている間に、ライオンと戦う準備を進める感じ?


雫さんのは従来通りの方針だよね。


雫「まだ王国と戦う力はついていないだろう。」

雫「王国と全面戦争が始まれば財も物資も出ていくばかり。」


雫「ジリ貧にならぬよう、今は蓄えを増やす時期ではないか?」

なるほど一理ある。


エティーさんの話が気になるんだけど・・外国の動きって?


エティー「一部の独立勢力が、外国から支援を受けているのでは?という話があります。」

エティー「王国内で争うだけなら、誰が統一しても国内の発展、国民の利益へとつながります。」

エティー「しかし外国は違います。国内の利益を外国へ持ち出してしまうでしょう。」


クー「外国にとって隣国の争いは火種です。」

クー「自国へ飛び火しないよう介入してコントロールしたいのでしょう。」


クー「・・かかった費用の回収+利を得ようと、えぐいことして来ますが。」

独立勢力からすると、自国の王国より外国の方がマシって思っちゃうのかな?


ミミットさんの考えは、うちが支配を広げるのではなく、みんな独立しようってこと?


ミミット「独立勢力に大きな権限を与え、それぞれが最大利益を求めるような領地経営をすればいいと考えています。」

ミミット「とはいえバラバラだと王国に各個撃破されてしまいます。」


ミミット「私たちが各勢力の後ろ盾となり、王国を倒した後も引き続き合衆国として中央政府の役割を担うのがよいかと。」

地方のことは地方に任せるのが一番いいやり方ってこと?


ミミット「はい、地域毎に環境は違います。一律で統制するのではなく、地域に合うやり方が必要です。」

ミミット「一番良いやり方はその地域に住む者が一番知っているはずです。国の役割は最小限にして、地方政治の邪魔はしない。」


なるほど、そういうやり方もあるのか。


レイン「で、瑪瑙の考えは?」


実は全然決まってなくて。

王国とは敵対するかどうかも悩んでる感じ。


レイン「王国から独立したのに?」

民のために独立したのであって、王国が嫌とかじゃないから。


王国がこちらをどう思っているかがちょっと気になってる。

雫さんやエティーさんは王国の人と接触あったでしょ?どんな感じだった?


クー「え?」

ミミット「どういうことですか?」


エティー「・・」

雫「・・」


ゴーレム兵はエティーさんが王国へ渡したんだよね。

で、レインとクーさんとこへ攻め込むのは雫さんが勧めて来た。

今の話を聞いても、雫さんは慎重策をとる人だ。


王国軍の侵攻を退けて日の出の勢いだった反乱軍を攻めるよう進言したのは・・王国の介入だと予想できる。

いいとこのお嬢様って話だったし、王都に知り合いがいるんじゃない?


クー「最初からスパイとして入ったということですか?」


それは違うと思う。

エティーさんがうちへ来た時、戦う準備も整っていないまま攻めて来た。

もし雫さんがスパイなら、これでは勝てないと伝えるし、中から騒動のひとつでも起こすよ。


ミミット「エティー殿をここへ潜らせるためとか。」


それならエティーさんが玄関から雇ってくださいって言う方がいいよ。

それで雇ってもらえるのは雫さんが一番知ってるだろうし。

兵を失い殺されるリスクのある捕虜になるなんて遠回りすぎるし、スパイしにくいよ。


レイン「聞き捨てならないんだけど、ゴーレムを王国へ渡したっていうのは?」


悪魔王さんが教えてくれた。

うちへやって来た過程も考えると、入った後で王国から接触があったってとこかな。

人の縁は御しづらいよね。


ミミット「完全なスパイです!すぐ捕まえましょう!」

なんで?


ミミット「なんでって・・スパイなんですよ!?」


雫さんもエティーさんも・・まぁ俺たちみんなそうだけどさ、王国出身だからね。

手続き上はこちらにいても、そう割り切れるものじゃないよ。

それに、みんなちゃんと仕事してくれているし、王国とのパイプがあるんだーくらいでいいじゃない。


ミミット「絶句・・」


あとね、本気でスパイするなら、俺の持っている兵たちも王国は欲しがるんじゃないかな。

でもそんな素振りないし、雫さんもエティーさんも王国の義理で言われたからやっただけで、積極的にスパイするつもりはないと思うよ。

そんなわけで、王国から見たこちらの印象がどんな感じか聞きたいんだけど。


雫「・・利用している・・という節はあるな。」

雫「危険とはまったく思われてない。あまり興味ない風だった。」


まぁ、敵対しないようにやって来たからね。

想定通りで何より。


雫「地方の領主は私腹を肥やしているから、攻め込んで役人全員入れ替えても構わないと言われるくらい敵とは思われてない。」

思った以上に敵と見られていない・・いいんだけど、ちょっともやもや。


エティー「私の方には・・その、話の通りゴーレムを王都へ渡すよう言われていた。」

エティー「それと、使えそうならここを乗っ取れと・・」


レイン「ずいぶん甘く見られたものね。」

ミミット「やはりただのスパイではないか!」


それは朗報だ。


ミミット「なぜ?」


いざとなったら雫さんかエティーさんをトップに担ぎ上げれば、俺たちも正規軍だぜ~ってなるよね。

ギリギリまでこのまま領民の幸せを考えていこう。

王国も、私腹を肥やして領民を苦しめる人より、領民幸せにして真っ当な領地経営する話のわかる相手の方がいいでしょ?


ミミット「それはわかりますが・・」


ドドドンドドドンドドドドドン!


領主「おーい瑪瑙、ちょっと相談があるんだが来てくれないか?」

あ、はい。すぐ行きます。


続きはまた今度やりましょう。みんなの意見が聞けて良かったです。


クー「当面はどうするつもりですか?」

従来通りやりながら、外国や他の独立勢力の情報収集に力を入れる感じかな。


じゃあ行ってきます。


・・

・・・・


雫「・・なんというか、瑪瑙という人物がよくわからぬ。」

雫「すこぶるお人好しに見えるが・・」


エティー「私が言うのもなんですが、裏があるのではないでしょうか。」

エティー「王国がこちらを利用するように、瑪瑙殿も王国を利用している・・」


レイン「あなたたちに瑪瑙のことをひとつ教えてあげるわ。」

レイン「あれは・・今まで一度も嘘をついたことがないのよ。」


エティー「え!?」

ミミット「一度もって、大人になってからって意味ですよね?」


レイン「いいえ。生まれてこのかた一度も嘘をついたとこを見たことないわ。」

レイン「全部本気で言ってるのよ。」


エティー「まさか・・」

レイン「それが瑪瑙のいいところよ。」


雫「秘密を話せと言われたらどうするのだ?」


レイン「秘密を知っているけど話しちゃダメと言われてるから話せないって答えるわ。」

レイン「今度やってみるといいわ。絶対話さないし嘘も言わないから。」


クー「融通が利かないのは悪いところですけどね。」

クー「瑪瑙は頑固なとこあります。」


レイン「それもいいところだと思うけどね。」


・・

・・・・


領主「で、相談なんだが屋敷内に風俗店作ろうぜ!」

領主「美少女と毎日気持ちよくなろう!」


屋敷内には必要ないのでだめです。


領主「いやほら、雫ちゃんやレインちゃんも接待してくれるかもよ~?」


出奔すると思いますよ。レインは・・女を武器にするの嫌がりますから。

みんな勘違いしますけどね。あの派手な格好は単なるレインの好みってだけですから。


領主「んーそうか・・じゃあ女の子の裸を見る方法ってある?」

口説いて恋人になってもらうくらいでしょうか。


領主「もっと楽にさあ。女の子が服を脱ぐ合理的な理由をさ、なんかないか?」


トイレやお風呂、あとは着替えでしか脱がないかと。

そういえば、レインは温泉すごい好きですよ。


領主「それだ!温泉を掘ろう!」

お金が・・かかりすぎです・・


・・

・・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ