僕は見た、配信者で彼女がVチューバーだってことを・・・
それは、6月のとある日だった。いつも通り、僕は彼女が住んでいるアパートの部屋にいる彼女を迎えに
行っていた。今日はなぜかいつものチャイムを鳴らさずドアノブを握り開くはずのないドアが何故か
開いた。
「物騒だな、何で鍵かけてないんだ後でそれとなく注意しとかなきゃな」
当然、僕は彼女のことが不安でそう思いつつリビングに近づく。
「みんな、今日も楽しかったまた今度放送するね~。次回は来週の日曜日にやるよ~」
リビングから声が漏れ聞こえる。
(あれ、誰かいるんだろうか?)そう疑問を持ちつつ扉を開く
「ふぅー。今日も楽しかった。」そう独り言のように彼女が呟いた先のモニターに目が行く僕は
あるものを目にする。そう、今人気のネットアイドルグループに所属してる琴石佐奈ちゃんだ。
琴石佐奈ちゃんはVチューバーと言われてて二次元のキャラが喋って生放送配信している人物の
一人だ。当然中の人については暗黙のルールがあって触れるのは禁止だ。
「え、まじ!?君が琴石佐奈ちゃんなの?」
当然びっくりした僕は彼女に問いかけるが、彼女は凄く焦った表情をしつつ不意に顔が暗くなる
「ねぇ?どうして。どうして部屋にいるの?今の見たんだ?ふーん・・・」
いままで聞いたことのないトーン。そして、背中がゾッとした
「ごめん。部屋にいるのはドアの鍵が開いてたからなんだ。確かにチャイムを鳴らさずに入った僕が悪いんだけどドアの鍵は閉めといたほうがいいよ?」
ここで僕は彼女に注意を促す。
「で?いまの見たんだよね?ねぇ?」
とても怖かったあんな彼女は見たことなかった。僕は確かに見てはいけないとこを見てしまったが
嘘をついたところで意味がないので、正直に言った。
「うん。見た。君が琴石佐奈ちゃんの中の人だってこと。でも僕は誰にも言わないよ?こんなの広がったら活動できなくなるし、僕も琴石佐奈ちゃんの放送好きだしね」
そういって彼女に近づくが、彼女は近くにあったカッターナイフを僕に振り下ろす
「見られたら駄目なんだよ。私はほんとに君のことが好きだった。でも、これだけは見られたら駄目なんだよ!そうゆう契約なんだよ!ごめんね、死んで!!」
僕はとっさに避けたが彼女が僕を本気で殺しにかかってることがわかると彼女の部屋を飛び出し
逃げるが階段で足を滑らし落ちる。そして、僕は頭を打ち何故か病院に運ばれていた。
この記憶をなくした状態で・・・