残像
あの日の残像を思い出している。
意味もなく言葉にして、意味もなく曲までつけて。どちらかというと曲先行で。
まだボールを追いかけて走っていた頃のこと。練習終わりの夕日、照らされた水面、追いかけていた背中、友達の声が通り過ぎる。
そんなこと。
エアコンが無くても、大丈夫だったあの頃。
アニメとか戦隊モノの中の世界に憧れて、物語の主人公とか、ヒーローになれると思っていた。未だに少し思っているのも悪くないと思っている。何か世界を変えられるような、革命を起こすような、誰かの見えている世界に色を付けたい。明日も生きたいと思えるような、そんなこと。
太陽よりも、月を見ることが多くなったこの頃。未来に不安と焦りを感じたりして、上手く立ち回れない自分がどこか見窄らしくて情けなく思う。どこか夜の思考の深さのまま身を投げたくなる。そんなこと。