入団
訓練兵団に入ることを決意し、パカラたちを殲滅せんと意気込む者たちを襲う、もう一つの災厄…!
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東方面訓練所ーーー
ウィリアム、ユズト、ミユは兵士となるため、東方面訓練所にやってきた。今日はその初日だ。
「貴様らー!兵士となる覚悟はできているか!」
教官が鬼の形相で新人訓練兵に吠える。屈強な肉体がいかにも訓練の過酷さを物語っている。対する新人訓練兵は誰もひ弱そうだ。
(俺は誰よりも早く強くなって、撃退兵団に入るんだ!そして、みんなを喰らうパカラ共を一頭残らず駆逐してやる…!)
「よーし!ではまず、一人ずつ挨拶をしろ!出身、氏名、入団の決意を言え!」
教官が新人訓練兵の前に立って一人ずつ挨拶をチェックする。
「1番、フエラ地区出身!ダニエル=クロエ!この身を賭してこの国をお守りします!」
「ほおう…」
沈黙が重くこの場を包み込む。
(あいつ、誓いのカンナムをしていない!やばい…!)
ウィリアムがそのことに気づくや否や、ドン!という鈍くこもった音が聞こえてきた。
「ぐはっ!」
ダニエルが腹を抱えてうずくまっている。
「貴様、誓いのカンナムを忘れるとは、それで兵士を志ていたのか?」
誓いのカンナムとはこの国に伝わる国王への忠誠を誓うぽーずのことである。両手を腰の高さでクロスさせ、膝を少し曲げた状態のことを指す。
「貴様は罰として、この中から一人好きな女を選べ。」
ダニエルは怯え切った表情で身体を震わせながら、隣の女の子を指さした。
「えっ」
「わかった。貴様、名前は」
「ノア…オリビア…で…す」
震えながら答える。
「ノア=オリビア!今から服を脱げ!12時間私がしゃぶりつくしてやろう!この特別実習に耐えたら、晴れて私のペット兵団への入隊を許可する!がっはっはっはっは!」
場内は騒然としていた。
(あのクッソハゲ教官!女の子になんてことを!)
ウィリアムは怒りに身を任せ、教官にとびかかろうとしたが、ミユに止められた。
「今は落ち着いて。」
「くっ…!」
ウィリアムの頭は怒りと恐れでいっぱいだった。だが、身体は正直であった。勃起していた。
「いやあ…うっ」
オリビアは涙目でダニエルを睨んだ。そこには憎悪の感情が強く表れていた。
「いい肉付きじゃあないか…金色に光る美しい髪。青く透き通った瞳。成長途中のパイ乙。さあ、さっさと脱…」
「まあ、待ちたまえ。」
黒服に身を包んだ、初老の男が場内に割って入ってきた。
突如始まった教官のセクハラ!第104期訓練兵は無事入団を果たすことができるのか!?そして現れた、最強の人物…!