入学!
5000とか文字数あるものを毎日投稿する人を尊敬します、1000文字で毎日だったなら2000なら2日に1回でいいんじゃないかと言う悪魔の囁きには出来るだけ耐えていく所存です。
翌朝、リリィに優しく声をかけられて目を覚ます、日によって声をかけられたり、揺さぶられたり、口を塞がれたり、顔を塞がれたりと起こし方にバリエーションがあるのだが以前聞いた所、起こし方がエスカレートしていっているだけだとか、それを聞いて以来一時は毎日寝たふりを暫く続けていたものだとふと思い出す。
顔を洗い、身だしなみを整えた所で朝のキス、愛は日々伝えねばなるまい。
共に食堂へ向かい、朝食をいただく、隣に座らせたリリィが落ち着かなさげにしているのを少し可愛らしいと思う。
部屋に戻り、持ち物の確認などしている間にいい時間になったので登校する、リリィはもちろん隣に座らせた。甘かろうとなんだろうと構うまい、可愛くて仕方無いのだ。
ぼんやりと座っているとシルビアが教室に入ってくるのが見えた、一度ぐるりと教室を見渡し、迷いなく隣に座り、反対側に自分のメイドを座らせる、こちらを見つめ物欲しげにしているのでそっと引き寄せ唇を奪ってやる、うん、今日も可愛らしくて良いことだ。
他愛ない話をしながら時間を潰して居ると学園の鐘が鳴らされると同時に冷たい雰囲気を纏った……いやこれホントに冷たい。冷気を纏った女教師が入ってきた。
「おはよう、全員揃っているようで何よりだ、皆が把握している通り本日の日程は入学式と校舎案内となっている、そろそろ式場に向かう時間なのでこれより向かうように」
至極簡単な説明だけして先導を始めた女教師―なんと自己紹介すらしなかった―に連れられぞろぞろと式場へ向かう、特に席順などは決まって居ないようなので前から順に詰めて座っていき、式の始まりを待つ。
校舎案内までが終わり、寮に戻る、少しばかりの運動をしたあと無理に最後まで付き合ってぐったりとしたリリィをベッドに寝かせ、外へ出た。
校舎案内の途中で見つけた寮裏手の庭、誰も居ない空間で1人立つ。
『目を覚ませ、力を捧げよ。春川、秋雨』
まずは双剣から、右の剣を振り、左を振るう、ゆっくりと型を確かめながら徐々に速さを上げていく。かつて龍を讃える為の舞だったと言うその型は、今尚舞踊のような美しさがあると感じる。右は攻めの剣、左は守りの剣、目まぐるしく攻守は入れ替わるし、そもそも双剣自体攻めのスタイルだけれど、一応の感覚として意識はしておく。因みに双ナイフなんかになるとそれは攻めではなく守りのスタイルだ、避け、弾き、逸らす事を主目的に置くことになる、勘違いする者は多いようだが体感してみるといい、攻めるには圧倒的にリーチが足りないしリーチまで寄るなら殴った方が速い事がよく分かる。
閑話休題、型を丸々なぞり終えると次は足運びも絡めた別の型、中空を蹴り立体駆動の練習まで、一通りを終えて双剣を送還する。
『目を覚ませ、力を捧げよ。春川、秋雨』
雷を声に宿しまた魔装を発現させる、また型をなぞって雷を宿した時の為の手をこなす、次は氷、光、水、火、土に闇……一通りをこなしてから部屋に戻り、シャワーを浴びてベッドへ潜る。ネグリジェに着替えていたリリィを抱きしめ、今宵も眠る。
なんとなく息苦しさを感じて目を開ける、視界一杯にはリリィの顔、引き寄せこちらからも口を塞いでやってから体を起こす、今日も今日とて朝は来る、1日を始めるための準備をこなしにリリィと連れだって寝室を出た。
「おはよう、今日も全員揃っているようで何よりだ、本日はクラスでの交流に午前を費やす事が許可されている、良かったな、学園では1クラスにつき1つの訓練場を与えられているぞ、全員移動だ」
フワッとした説明だけで移動を促される、言いたいことは大体分かるがそれで良いのだろうか……
「ではここで模擬戦を始める、全員この生命の腕輪を着けるように、また開始前には必ず名乗るように、これは自己紹介である」
全員が揃い次第ルールの説明だけされて生命の腕輪を配られる。装着者に一定以上のダメージが与えられた時点で安全圏に退避させ、傷の回復を行うこの腕輪、結構高いものだったかと思っていたがどうもここでその常識は通用しないらしい……
1戦目はシルビアと名も知らぬ男子生徒だった、教師―昨日から未だ名乗っていない、最後の1人とするときに名乗るとかなんとか―の指示に従い30Mの距離を開けて向かい合う。
魔法で撃ち合う最低限の距離にして近接戦闘を行うためのギリギリの距離、よく考えられていると素直に思う。
「シルビア=フォン=シルフィードよ、よろしくね」
「レイスと言います!よろしくお願いします!」
舞台に立った2人が名乗る。模擬戦とは言え13家の貴族が負けるわけにはいかない、シルビアが戦うところを見るのは久しぶりだから楽しみだ。
こまめにR15しすぎてそのうち運営様から警告来そうでびびっています、来たら開き直ってノクターンでがっつり書きます。