第九壁 煉獄
「はぁ…はぁ…もう…無理だッ…!」
…
「くそっ!勝てない…!」
…
「この…Gめ!」
スパーン
新聞を振り回し叩くが尽く避けるG。はやいはやすぎる…!
「何をしてるんだ一体…」
蛇に馬鹿を見るような目で見られているのは分かっている。
「歩!魔術だ!魔術を使え!」
リサは応援してくれている。
「おおおお!![武装知識]!」
キイイイイン
前回習った魔術の全身武装だ。そしてGめがけて全力で!
「ふん!」
ズパァアアアアアアアン!
Gは飛散した。跡形もなく。
「なんの恨みがあるんだよ…」
蛇は可哀想な顔でGのいた場所を見た。
「さて!前回はアームズロアを習ったな!だがあれはあまり使えん!消費魔力が多すぎる!魔粒子の可動域を制限する修行だ!」
リサは元気いっぱいだった。おそらく前の放置が効いているのだろう。
「こう手元にぎゅーとしてだな」
相変わらず分からないが
「歩、拳に集中しろ」
蛇が助言を出すから安心仕様。
「ぬぐぐ…うまく出ない…」
これが思ったより難しい。
何も考えずただ適当に魔術強化をすればアームズロアはできるのだが部位ごととなると難しい。
「無理だー!やめる!変える!」
「「はぁ!?ダメに決まってるだろ!」」
師弟でハモるな。と突っ込みたいところだが本気でダメだこれは。どうしても出ない。
「アームズロアじゃダメ?」
「いくらお前の魔力が多いからってそんな無駄遣いはダメだ。」
ちぇっ。蛇のばーか。
このあと3時間はしたが変化はなかった。
朝になって目を覚ますと
「蛇!歩!修行内容変えよう!魔術制御にしよう!」
と、リサからの突然の提案。
「どうしたの?急に」
俺は不思議そうな顔でそう言った。すると
「明日から軍の新人研修なの忘れてた!私担当教官だから帰らなきゃならん!」
あはははと豪快に笑い腕を組むリサを蛇ははぁという顔で見て
「わかった…主な戦術はアームズロアによる疾走、体移動、攻撃って感じになるな…リサ、先に体術を教えてやってくれ。軍式のな」
嫌な予感しかしないが俺は大人しく習うことにした。
その昼俺は吐いた。
最近ギャグ要素が強い気もする




