第六壁 アテナにも守れないものはある。
「あぁああぁああああぁあああああ!!!!」
死ぬ!死んじゃう!
{前回のあらすじ}
リサに蹴り落とされた。
「谷底!!ぶつかるぅ!!!ああああああああああ!!!!」
急な落下だ。完全に頭が回らない。とりあえず全力で魔法を使うしかない!
「あああああああああああああああ[聖盾の女神]!!!!!!」
ゴッ
盾が床に衝突した瞬間俺は気づいた。盾なんて目の前に展開しても俺は盾にぶつかることを。
ゴツンッ!
…
…はは!!…れで……ははは!
ハッと気が付き俺は飛び起きた。
「おう!起きたか!すまんな!お前盾魔法しか使えないの忘れてた!!!」
リサはあっけらかんにそういった。
こいつ…
「…まぁなんだリサはいつもこうだ…」
蛇はそう言った
「そうだ。アレって蛇もやられたの?」
「あぁ…お前と同じでいきなり蹴られてな。壁に剣突き立てて減速しつつ足元に剣出して足で蹴って悪足掻きをした」
剣の方が有用なのか…
「さっきのアテナだが…」
「?どしたの蛇」
蛇は神妙な顔をした後フッと笑って
「弱いな。知り合いのものより」
と言った。キレた。俺はもうこれキレた。
「うるせぇ!!!初めて出したんだからそんなもんだよ!!!」
俺は蛇に殴りかかった。小一時間殴りあった後リサが夕飯だとコボルト鍋を作った。そこそこ美味かった。
その日は心労からすぐに寝付いてしまった。
修行二日目
「よし!今日は崖登りだ!」
リサは早朝1番鼓膜が破れそうな声で言った。蛇は驚きまくって飛び跳ねて珈琲缶を服の上に落とした。
「もしかして昨日の崖…?」
とおそるおそる聞いてみたらどうやらそうらしい。
しかも「落ちるとこからだな!」とか言っていた。
馬鹿なのだろうか。
「おいリサ…魔術を先に教えねぇと今度こそ死ぬぞ…」
「うっかりしてた!よし!魔術の練習だ!盾の強度も増すぞ!」
こうして俺の魔術特訓は始まった。
「身体の中のアレをこう集めてこうだ!」
果たして俺は魔術を習得できるのだろうか。




