第13壁 終わりの始まり
さっきからずっと2人は話している。
正直難しくてわからない。
やぁみんな。僕の名前はオパール。
記憶が無いんだとか言われるがしっかりとある。
だけどこの人達は全く知らない。
近くを散歩していたら急にこの人達が倒れた。
なんたって僕が死人扱いされるのさ。
…………
「ねぇ。君の名前は?」
俺は謎の少年にそう聞いた。
「ボクはオパールさ。この近くにすんでるよ」
オパールと名乗る少年はそう答えた。
「そうなの?帰らなくていいの?」
「そこのおばさんがお父さん達にあって借りるとかなんとか言ったんだよ。」
オパールはぷんすかとそう言った。
言動は普通の10歳台の男の子って感じだ。
だがそれはおかしいのだ。
「ねぇ。俺も会える?お父さんとお母さん。」
「……。」
そう。こう言うと決まってスリープした機械のように一言も発さなくなる。
「…ねぇオパール君。君は魔法は使えるのかい?」
すると起動したばかりの機械のようにゆっくりとこちらを見た。
「あぁ。うん。使えるよ。炎とか氷とか。」
なるほど。系統は自然系か。
「ありがとうね」
そう言うと俺はすぐにその場を立ち去った。
なにか嫌な予感がしてたまらなかったからだ。
後にその判断は間違ってなかったことに俺は気づく。
「美味しそうなお兄ちゃんだね。オパール…」
その少年はうっとりとした顔で舌舐めずりをした。




