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俺の剣

「剣の錆にしてくれる」

俺が言う。

「まぁ、元から錆みたいなものですけどね」

教団の使者が言う。

「ジジジ・・・」

人の形をした黒い錆の塊がうなる。


背中に背負った鞘もない包丁のような太い剣を構え。

俺が走る、錆より先に、

1歩・2歩・3歩・斬る。

「お見事!」

教団の使者が言う。

錆が飛び散る、

今度は小さな人の形に、2つ。


俺が走る、錆より先に、

1歩・2歩・3歩・斬る・1歩・2歩・3歩・斬る。

「キリがありませんね」

錆が飛び散る。

更に小さな人の形に、4つ。


俺が走る、錆より先に、

1・2・3・斬る・1・2・3・斬る、

ザッザッザッザン!ザッザッザッザン!

「私はお茶を頂いておきますね」

教団の使者がくつろぐ。

錆が小さな人の形に、8つ。


俺が走る、

ザッザッザッザン!ザッザッザッザン!

ザッザッザッザン!ザッザッザッザン!

ザッザッザッザン!ザッザッザッザン!

ザッザッザッザン!ザッザッザッザン!

「今日もいい天気で良かった。神の剣に感謝しないと」

教団の使者がつぶやく。

錆がもっと小さな人の形に、16。


俺が走る。

ザッザッザッザン!ザッザッザッザン!

ザッザッザッザン!ザッザッザッザン!

「ふぅ・・・、お前らちょっと固まれー!」

俺が叫ぶ、錆が集まる。

ザザザザザッ、ザンザンザンザンザンザンザンザンザンザンザンザン!


錆が風に舞う、

教団の使者が紅茶をすする。

そして長い息を吐く。

見上げるその先に、巨大な剣が。

山に刺さった巨大な剣がある

俺が持つこの剣と同じ形の。


教団の使者が長い息を吐き、言う。

「お疲れ様です、救世主様」

「どうだ?俺の剣の腕前は」

俺が問う。

「んー、正直なところを言っても?」

「言え」

うながす。

「雑ですね。力任せなだけで、人間が相手ならもう生きてはいないでしょう。振りはもっとコンパクトに急所を狙いましょう。恐らく我流で鍛えられてきたのでしょうが、15になる私の甥の方が強いでしょうね」

心が死ぬ。

「・・・あ、いや、きっと神の剣がそうさせているのでしょう。あの錆た連中に急所なんてありませんしね!あなたはその剣に選ばれた救世主様なのです、そんな暗い顔をなされないでください!」

教団の使者が気を使う。

「そう、俺は神の剣を持つ男」

俺が持ち上げられる、

教団の使者がほっとする。

「あの日、俺が野良仕事に精を出している時だった・・・」


錆人間があらわれた!

 ↓

逃げる

 ↓

しかし、回り込まれた!

 ↓

錆人間の攻撃、錆人間は剣を振り回した!

 ↓

ミス!

 ↓

逃げる

 ↓

逃げ出した

 ↓

でも、どこへ?


錆人間の剣を見て人々は思い出した。

雲を突き抜け大地に刺さっているその剣を。

平和な世界で誰も見向きもしなくなったその剣と教団の存在を。


「息子が錆に飲み込まれたんだぁ!」

「うちのミーちゃんが、ミーちゃんがー!」

俺がついた時、その教団はパニックにおちいっていた。

「で、どうなりました?」

「・・・急に盆栽をいじり出して」

「・・・他人がよってきても嫌な顔するだけで逃げ出さなくなったのよ」

「錆びましたね・・・、人として・猫として」

そんなにパニックでもなかった。


「嫌だー!まだ若いのに急に老成したくねぇー!」

「もっとお洒落したいのに、地味な服でゲートボールに興じたくないー!」

若者たちが叫ぶ、何やら深刻そうだ。

「お前ら剣の教団だろ、何とかしろ!」

「いっつも剣振り回して偉そうにしてるんでしょ、こういう時ぐらい役に立ってよ!」

「うちのミーちゃんがー!私だけのミーちゃんがー!」

「息子が皮の中で引きこもりなんじゃー!」

やはりパニックだった。


それなら戦えばいい、と俺は思った。

その時、俺の目の前で巨大な剣が・・・欠けた?

まるでこの巨大な剣が小さな剣の集合体であるかのように、

一本の剣を排出して俺の前に落ちた。


皆がそれに注目した。

しかし、誰も手に取らなかった。

「息子がー!」

「ミーちゃんがー!」

「若いのに抜け毛がー!」

「リバウンドがー!」


仕方なく、俺が鍬を手にするようにその剣を手に取った。

「おお、それは神の剣!」

「髪の毛!?」

「あなたは救世主!?」

「これで我々は救われたー!さぁ奴らを倒してきてください」


「そして、今に至る・・・」

「すー・・・すー・・・」

教団の使者は寝ていた、とても穏やかに。

ローブを着ていて分からなかったが、綺麗な顔をしている。


顔を近づけてみる、気付かない。

頬に触れてみる、気付かない。

欲情する。

そう、俺は救世主。何しても大概の事は許される・・・はず。

正当化してみる。


「キス、してもいいかな」

思わず言葉が出る。

「イヤです!」

目を見開いて教団の使者が言う。

巨大な神の剣を見上げる、手にした剣を見る。

そう、俺は救世主。


土下座する、

許してもらう。

無い頭でまともな小説を書こうとしたせいで、書き始めて二ヶ月でスランプに陥りました。

とりあえず文章をシンプルに、そして台詞を多く。

分量書くことを目的の練習ではありますが、お付き合い頂けるとありがたいです。

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