霧崎陽加
私の名前は霧崎陽加。
とある女学園で体育教師をやっているの。彼とは数年前からプレイしていたゲームのオフ会で知り合い4ヶ月前に同棲を始めたの。
付き合い始めてすぐに彼は私の実家のカスタムナイフ工房に興味を持ち、警官を辞めて父に弟子入りした。あっという間に父と仲良くなったと思ったら数年はかかると言われるナイフ作りを半年で一部任せられる様になっていた。
商品はほぼ全てがオリジナルのカスタムメイドで気に入ったお客さんが出てくれないと売れないのだが、何故だが最近は海外からナイフを見に来るお客さんが増えて工房はなかなか繁盛しているという。
彼曰く…。
「ちょっと友達に自慢しただけ。」
らしいが明らかに客層が外国の筋肉質の軍人さんばかりにしか見えないのだ。たまに不安になるのは仕方ないと思う。
1人娘で家を継ぐ人がいない私に結婚したら婿入りして霧崎姓を名乗っても良いよと言ってくれた彼は実は課金プレイが大好きなのを知ったのも同棲してからだ。酒も煙草もギャンブルも女遊びもしないのはとても嬉しいけど、将来の家計の事や当面の結婚式の資金が貯まらないのは不満だ。
そんな中、武ちゃんが買ってきたのは『Pioneer』という開拓を主軸とした仮想空間にフルダイブするタイプのゲームだった。値段を聞いて呆れ、ゲームが唯一の癒しと言った言葉に嫉妬し怒り力一杯に武ちゃんを蹴り上げると股関へと当たり泡を吹いて白目をむいて気絶してしまったのだった。慌てて救急車を呼びそのまま病院行きだ。
起きた彼が最初に口にしたのは、
「救急車の中で言っていたのは本当?ゲームして良い?」
だった。小学生が母親にゲームの許可を求めるような表情に思わず吹き出し許可を出してしまったのだが、課金する事に怒っているのはそうなのだが、本当は自分よりゲームが大切にしていると感じた発言に怒ったのに気付いてないのが一番不満だ。
「まぁ、仕方ないか…また一緒にゲームをして同じ時間を過ごしたら何か…。」
陽加の悩みは尽きない…。
主人公の婚約者の陽加視点でした。
勤めている女学園では男気溢れる活発な姿に生徒から大人気なお姉さまなのです。
陸上の元国大選手で種目は走り高跳びが得意だったようです。因みに泳ぎはあまり得意ではないのです。