課金禁止令
3話目投下です
「あんたまた新しいゲーム買ったでしょ!今度という今度は絶対に許さないからね!」
怒っているのは4ヶ月前に同棲し始めた彼女の霧崎陽加で元々は以前にプレイしていたゲームのオフ会で出会い付き合い始めたのだが、そのままズルズルと結婚も決まり、あまりの重課金ぷりがバレてからゲームに使用するお金について怒られてはいたのだが今回新タイトル『Pioneer〜』を無断で購入した事についに彼女の堪忍袋の緒が切れたのだった。
「あんた私と結婚する気は本当にあるの?結婚式のお金を2人で貯めて決まったお金を貯めたら結婚式の手続きしようって言ったのは武ちゃんでしょ!」
あ、影月武弥と言います。絶賛彼女に激怒されています。
「だいたいねぇ、コレいくらしたのよ…うわ、6万8千円!?あんた馬鹿なの!?死ぬの?殺されたいの?何なのよ!?」
いきなりですが殺されるかも知れません。
「クーリングオフ効くかしら…。」
「ちょっ!?それだけは勘弁して下さい!真面目に働くし今後はきっと課金も止めて?みせるから!」
「いきなり自分で自分の言葉疑ってるじゃないの!信じられる訳無いでしょ!」
「前にプレイしてたVRMMOの会社が不正経理で倒産しちゃったんです!新しいゲームがないと生きる力が沸いてこないじゃないですか!」
「私じゃあ不満かぁ!」
そうして振り上げられた彼女の鋭い蹴りは俺の股関へと容赦なくめり込んでいくのだった。そして次に気がついたのは病院に向かう救急車の中で、
「ご…ごめんなさい…ゲームしても良いから許して…。」
と泣く彼女の言葉を頭にインプットしてまた深い眠りについたのだった。
後日、交渉の結果。購入したゲームのプレイは許された。
しかし、アカウントの登録時の連絡先のメールアドレスは彼女のものを使用し、課金状況などが筒抜けとなる状態でのプレイとなった。月々にかかる2千円の振り込みだけではなく、課金や追加DLなどをすると登録したメールアドレスへと確認がいくシステムだ。
彼女もゲーマーなのでそういった確認メールなどが存在している事は熟知されており、こっそり登録メールアドレスの変更なども不可能となってしまった。
「月々の2千円は認めてあげたんだから良いでしょ!だいたいねぇ、こういうゲームは基本的に課金がなくても十分に楽しめるの。分かる?因みに課金したら婚約破棄してチョン切るわよ?」
約束するしかなかった…課金がなかろうとも心のオアシスであるVRMMOの世界に入る為には…。