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旧友

陽炎鼬の皮を届けログアウトした翌日、武弥は陽加と共にある人たちと待ち合わせをしていた。


「おう、武弥!いつ以来だ?」


「アレックス久しぶりだな!少し太ったんじゃないか?」


「太ってないわ!お前こそ昔みたいな眼光してないじゃないか。」


「そりゃあ、もう警官は廃業したからな。今はナイフクラフトの職人してる…おっと、紹介するよ婚約者の陽加だ。」


「陽加です、宜しく。」


「おぉ、彼女が噂の武弥をステイツから引き抜いた可愛子ちゃんだな!」


そう、武弥はアメリカ生まれの日本人でアメリカで働く日本人の母とアメリカ人の父の間に産まれた。しかし、長身で金髪の父の外見は全くと良い程に継がず、一時は他の男との子供では無いかと心配した父にDNA検査された程に日本人の外見をしている。

大学を19で卒業した武弥は父の影響から陸軍に入る…日本人の体格で不利な中、小柄な体格を活かしてレンジャー部隊でステルスの達人として優秀な成績を修め、警察の特殊部隊にスカウトされたのだ。アレックスとはその頃に出会い、未だに交友がある。


「アレックスは結婚しないのか?確か大佐の姪と良い感じになったって言ってなかったか?」


「………大佐にバレて撃ち殺されそうになったから日本に逃げてきたんだ。」


「大佐がそんな事する訳ないだろ、大袈裟なんだよ。」


「いや、マジだ!ショットガンで愛車は穴だらけにされたんだぞ!」


「何をしたらそんなに大佐が怒るんだよ?」


「………………子供が出来た。」


「「有罪(ギルティ)」」


実際のところ、アレックスは本気で銃を向けられ撃たれたので安全な日本に逃走している間に周りが説得をしているのだという。


「まぁ、借りにも義理の父親になる人なんだから落ち着いたらちゃんと挨拶するんだぞ?」


「うっ………武弥のところはどうしたんだよ?」


「武ちゃんは急に家の父に弟子にして下さいって言って困らせてたわ。」


「で、結婚の話は本格的に弟子入りしてからした!」


「くっ、戦略的だな………しかし、あの大佐がオレの義理の父親か………少し早まったかも知れんな。父親がいなくても子供は生まれるって言って殺される気しかしねぇ…。」


不安そうなアレックスの表情を見て陽加は真面目な顔で助言を始めた。


「まずちゃんと正面から話も出来ない人に、そういう父親が娘の相手として認める訳ないじゃないですか。一度、命懸けで向き合ってみたらいかがですか?」


「…………そうだな、大佐には本気でぶつかってみないと認めて貰えないよな。悪い!お2人さん、オレ帰るわ!死ぬ気で頭下げてくるよ!」


「おう!本当に死ぬなよ!そんな死に方しても葬式には出てやらんからな!」


こうして旧友との再会はあっという間に終わりを告げたのだった。


「ちゃんと認められると良いね………。」


「そうだな、子供の為にも変な確執は無い方が良いもんな………子供かぁ。」


とチラリと陽加を見る武弥に陽加は冷静にツッコミを入れる。


「嫌よ?お腹大きくして花嫁姿なんて………子供は式の後よ、後!」


そんな2人は仲良く手を繋ぎ空いてしまった時間を楽しくデートして過ごしたのだった。

警察官といっても日本の警察には所属して居ませんでした。


色々と国籍とか細かい規約はあるんでしょうが、物語の中なので何とかしたんだなと適当に納得しておいて下さい。そんなところ掘り下げても面白く無いですからね。

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