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キャラクターメイキング(陽加の場合)

「ようこそシュルトベヘナへ。わたくしナビゲーションをさせて頂きますコロナと申し上げます。まずは貴方様のお名前を教えて下さいませ。」


「じゃあ、ソニアでお願いします。」


武弥が買ってきてくれた『Pioneer』をさっそく始めた陽加。ナビゲーションAIが武弥と同じAIに当たったのは偶然だ。


「ソニア様ですね。大変素敵なお名前ですね。では次にキャラメイクへと移行致しますが説明は必要ですか?」


「いや、必要ないわ。簡単に教えて貰ってきたの、ランダムで挑戦しようと思ってるわ。」


「必要ございませんか。では、ご不明な点がございましたらその都度お声かけ下さいませ。」


「ありがとう、その時はよろしくね。」


テンプレのやり取りがスムーズに行われていく。


「ではソニア様はランダム生成をご希望ですね、ではランダム生成を行います。リラックスして好きな体勢でお待ち下さい。種族、職業(クラス)がランダムで決定されます。」


「神様お願い…どうか私にレアキャラを!」


そうして周囲の闇の中へと溶けていくアバター。


「では、良い旅を…あれ?何だがデジャブが…。」


コロナの声が遠くで聞こえながらブラックアウト。




気がつくと街の入り口に立っていたソニア。鏡などは見ていないが普通の人の身体の様でホッとする反面、少し残念な気持ちになる。


『ソニア様。現在、この街はアンデットの出現で混乱している様です。チュートリアルに移りますか?それとも緊急の事態に対応し、すぐ戦闘に参加致しますか?」


「トラブルが起きているなら落ち着いてチュートリアルなんてしてる場合じゃないわ!後でもそのチュートリアルは受けられるんでしょ?」


『はい、可能です。では、特別にチュートリアル用の剣をお貸し致します、最低限の攻撃力しかないですが無いよりは良いでしょう。街を出て少し行った場所の街道がゾンビの通り道になっている様で、皆様はそこを防衛ラインとしている様です。他のプレイヤーと合流したところで迎撃する事をオススメします。』


「了解っ!」


コロナの言った通りに、街道を全力で走るソニア。すぐに他のプレイヤーが見えてきてその中に飛び込む。


「ごめんなさい、私さっき始めたばかりなの!誰かパーティに混ぜてくれない?」


「じゃあ、こっちおいで!女の子ばっかりだしパーティに一枠空いてるから!」


「ありがとうございます!チュートリアルもまだだけどよろしくね!」


「うわぁ、やる気ね。んっ?アナタ…種族何?見たことない姿してるんだけど…。」


「えっ?人じゃないの?………種族って何処で見れます?」


「ステータスのメニューに載ってるよ。」


メニューを開き、種族の名前を探す…。


「………えっと、戦乙女(ヴァルキリー)?これってもしかしてレア種族?」


「「「「「「!!?」」」」」」


周囲のプレイヤーの動きが止まり、ソニアに視線が集まる。


「それはレアなの引いたなぁ…初めて聞いたよ。そもそもランダム生成は酷いの多くて最近チャレンジャーいなくなってきたからねぇ…。」


「本当ですか…まぁ、そんな事は戦いの後で良いですよね。」


「勧誘とか大変そうね…頑張ってね。」


「…………はい。」


それからは断続的にゾンビが襲ってくるがそれほどの数はおらず、何とかその場のプレイヤーの中にはやられた人はおらず落ち着きを取り戻した様だ。


「くそっ、なんだったんだ!今までこんな所にアンデットなんていなかったじゃないか!」


「………向こうの農村のNPCが7人と、新人(ルーキー)のプレイヤーが3人やられた。NPCはプレイヤーに殺されたのなら半日程で蘇生措置があるらしいが魔物に殺られたら即消滅扱いらしい。」


「じゃあ、7人がそのまま消滅って事になるのかよ…NPCと言えどキツいな。」


口々に心の疲れを口にして街へと帰り始めるプレイヤーたちに続いて街へと歩き始めるソニア。


「ソニアさん、危ないっ!」


振り返るソニアの視界にはスピードにのって突進してくるゾンビヤギの姿が至近距離で映っていた…すでに回避する時間などなく、吹き飛ばされて追い討ちに踏まれ、蹴られてあっという間に体力が尽きてしてしまう。


「ここは…………?」


『街の神殿です。ソニアさんは死亡し、街にある神殿にて復活なされたのです。』


「私………やられたんだ?」


『えぇ、残念ながら。死亡すると所持していたアイテムや所持金が相手側にドロップされます。今回は………先ほどお貸ししたチュートリアル用の剣がドロップして模様ですね。』


「えっ?ごめんなさい!せっかくお借りしたのに!」


『大丈夫でございます。ドロップしてしまった場合、相手には別の剣とすりかわる仕様なので。本日はこのままチュートリアルを開始しますか?』


「いえ、今日はもうログアウトします。ちょっと疲れてしまいました…。」


『そうですか…では、また後日チュートリアルを行うとしましょう。』


ログアウトした陽加は、ゾンビへのリベンジを強く誓うのだった。




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