第78回
机に座り、二人はメニューを見始める。
リコ「じゃ、私はこれと、これと、フルーツパフェと、チョコレートサンデーと……」
サクラ「(どんだけ食べるんだコイツ)」
ぽかんと口を開きながらそれを見つめるだけのサクラ。注文をすべて済ませてから、二人は冷えた水を啜る。サクラは辺りを見回して、周りに会話が簡単に漏れないかをチェックしてから、話し出した。
サクラ「まず、さっきはありがとう」
リコ「いやぁ、ツメが甘いよお兄さん。どこの人?」
リコの言葉遣いが若干冷たく聞こえる。さきほどはただの女子高生のように見えたのに、今はどこか大人びている。
サクラ「どこって、東京から来たんだよ」
リコ「へぇ、はるばる東京から。新幹線?」
サクラ「そうだよ」
リコ「新幹線かぁ、修学旅行以来乗ってないかもな~」
それから、べらべらと修学旅行に行った思い出なんかをしゃべるリコ。それを我慢して聞き続けるサクラ。
リコ「でもほんと、ツメが甘いよお兄さん。漁師のおじちゃんに乗せてもらうところまではいいけどさ」
サクラ「おじちゃん?」
リコがぷぷぷと笑う。
リコ「あの漁師のおじちゃんもなかなかの演技派だよね。なんか私も本当のお父さんが出来たみたいで楽しかったなぁ」
サクラ「??」
状況が理解できないサクラ。
リコ「ま、いいじゃん。それよりこれ。いくらで買う?」
今度は、パンフレットの中の封筒をチラつかせた。




