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第73回 新章-サクラ編-

 そこで夢は終わった。


「なんだったんだ……」


 外を見ると朝になっていた。まだメイは眠っている。セキュリティロボはすでに活動を再開して動いていた。耳を澄ますと遠くから、あちらこちらで機械が動くサーボモータの音が聞こえる。


「もう1回寝るか……」


 やっぱり眠い俺は、二度寝することにした。


◆◆◆◆◆◆新章-サクラ編-◆◆◆◆◆◆


 それは20年前のことだった。


 彼らが出会ったのは、とある無人島だった。ここでは昔、ある実験が行われていた。それによって、ガンを発症させた人が続出した。それをきっかけに人々はその島で何が行われているかを悟り、島を去った。いずれ研究員も危険に気付き、その実験を行うものはいなくなった。そして現在、無人島になっているというわけだ。


サクラ「(まさか、警察なんて……聞いてないよ)」


 現在サクラという男は小さな舟に乗っている。とある気のいい漁師のおっちゃんが親切で乗せてくれたのだ。観光スポットということもあり、フェリーが常に往復しているのだが、このサクラという男は金に余裕がなかった。散々頼み込んで、その漁師に連れて行ってもらったのだ。彼を調子付かせることで往復のフェリー代を浮かせたのだった。そうまでして彼がそこに行くことには理由があった。その島は現在、とある小動物が野生化し、観光スポットとなっていた。が、現在は寂れており、全然観光客はいない。看板なども錆びており、ノスタルジーな雰囲気を醸し出している。


 サクラはある情報を仕入れた時、その目的を達成することは容易いことだと考えていた。彼は、鞄を大事そうに抱えている。年齢は20歳前後。見た目はアロハシャツに涼しげな短パン。現在は夏ということもあり、特にその姿がおかしいという印象は与えない。とうとう、舟は本州に着いた。


警察「君、あの島で何をしてたの?」

サクラ「なにって……?観光ですけど」

警察「そうですか、すみません、ちょっと失礼なんですが鞄の中見せて頂いても宜しいでしょうか?」

サクラ「な、何かあったんですか?」

警察「いや、私らもよく分からないんですけどね。なにやらあの島に隠されてる重要な機密みたいなのが盗まれたとかなんとか、本部から連絡がありまして」

サクラ「へ、へぇ。僕は可愛い動物の写真を撮るためにここに来ただけですよ」


 そういって、サクラは自分の首にかかっているアナログカメラを見せた。ネガフィルムを広げると、可愛いウサギたちにエサをあげているサクラの姿があった。


警察「ほぅ、可愛いですなぁ」

サクラ「でしょ、この子も可愛いんですよ~ほらほら」

警察「でも、これって自分じゃ撮れないですよね?どなたに撮影してもらったんですか?」

サクラ「え?そりゃ、近くにいる観光客の方に撮影をお願いしたんですよ」

警察「ふーん……」

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