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第71回
そして合成音声のお姉さんから着信。僕は通話を開始する。
「それでは、私はこのへんで、お別れですカネ」
「え、なにが?」
「もう、わたし、やくめ、おわり」
「え、困るよ!外に出たあともいろいろ教えてもらおうと思ってるんだから」
「もう、かけないデネ」
「えええ??」
「さようナラ」
そしてツーッツーッと電話の切れる音。
「そ、そんな…」
長い間、いろんなことを教えてくれた合成音声のお姉さん。そのときはいつもの冗談だと思っていた。
そんなことをしている間、エレベーターはこちらの階まで上ってきていた。
「アキちゃん!」
とにかく今は逃げなければ。すぐに気持ちを入れ替えて、エレベーターの元へ向かう。しかし、ドアが開いた時、そこにアキちゃんの姿は無かった。
「え……?」




