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第67回
そして僕らは研究所で一番広いフロアにやってきた。
「ここ見て」
そこには小さなドアがあった。
「これは?」
「エレベーターだよ、まあ人を乗せるためじゃないけどね」
おそらく、食事や、荷物を地下に運ぶためのものだろう。基本的にここの研究所は存在そのものが隠されているらしく玄関なんてないのだ。研究員が気楽に、休憩時間に外に昼飯を食べに行くなんてことはできないらしく、ここから運ばれるもので食事を済ませている研究員がほとんどだった。
僕は、上に上るための▲のボタンを押す。もちろんセキュリティの解除もされているから、昼間同様、そのエレベーターは通常どおり動いた。
「まずは僕が先に行く、上についたら連絡するね」
「うん、この前は、食堂ってところに出たって言ってたよね?」
「うん、おそらくそこで食事なんかを作ってそのまま地下に提供しているんだと思う」
そして少年少女ならぎりぎり体が収まるそのエレベーターに入り込む。ドアは閉まる。もちろん明かりはない。少々怖いのでケータイの明かりを灯した。
「重量は40kgまで。アキちゃんとや僕だったら余裕だよね」
「うん」
「……これから脱出するわけだけど、決心は着いた?」




