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第56回
「よし、助かるぞ。では、さっそくミカドを回復してやってくれ」
「分かったわ」
メイはミカドに向かって呪文を唱える。
「アブラカタブラ……」
「いつ聞いても、なんか古臭い詠唱だよな」
「うるさい、黙ってて」
聖なる光っぽいものが、ミカドの体を覆う。
「わあ、なんか色々疲労とか、筋肉痛が取れていくのが分かります」
「私の回復魔法には、冷え性、腰痛、肩こり、あせも、疲労回復に効く効能があるのよ」
「もはや、温泉だな……」
「わしも今度やってほしいのぉ、最近肩こりが酷おて」
数分後。
「もう十分じゃない?」
「はい、おかげさまで」
「それにしても変ね。普通ミカドくんくらいタフな人の回復って言ったら、相当な魔力を使うんだけど、全然負担が少なかったわ」
「そうなんですか?なぜでしょう?」
「おそらく、魔術とミカドの体の相性がええからじゃろう、ミカドは普段機械に触れたりせん分、体の作りが純粋なんじゃろうて」
「純粋?」
「魔術とは素直なヤツでのう。人間は好きなんじゃが、医療やら、機械やら。そういったものが近くにあると抵抗が増えてしまうんじゃ」




