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第52回
「次にデメリット。一番のデメリットは、なにより島から出たくなくなってしまう謎があること。観光程度の数週間程度の滞在なら、特に問題は起こらないそうだけどね。そのせいで、島の外に出られなくなってしまうわ」
「まあ、ひきこもりのわしには関係ないことじゃの~」
「そういう人もいるのだけど、普通だったら家族のところに戻れなくなるし、島の外の人に恋愛感情なんて抱いてしまったらもう大変……」
「そういうのもあって、基本的にはこの学校には変わり者しか入学してないってわけじゃ」
なるほど、最初からこの島にいる自分としてはあまり考えたことのないことだった。みんなある程度覚悟、もしくは気にせず本州の生活を捨ててこの島に来ているんだなぁ。
「基本的にはみんな、研究費目当てじゃな。島から出られなくなる話を知らずに訪れて、知った途端、とんぼ返りした生徒もおったわい」
「へぇ、知らなかった」
「まあ、テレビでこの島が話題になった時期から、そういう話はなくなったがの」
なるほど。物心ついたころからこの島はメディアで騒がれていることを聞かされていた。今ではそんなことはありえないな。
「さて、皆の話を聞いたところで。わしはある行動に出る予定じゃ」
「行動?」
「うむ、それはハチを拘束することじゃ」




