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第47回
「怪しい話はあるけど、確かにとんでもない話は今は聞かないしな」
「まあ、火の無いところに煙は立たぬ、とだけはいっておこう。まあ昔よりはましになった」
「それで、そのサクラ先生はどうなったんだ?」
「おそらくサクラ先生も毒ガス事件の被害者じゃろう、行方不明じゃ」
「そっか」
「わしは、彼のことが好きじゃった」
「生徒と教師の禁断の恋……」
メイが反応する。
「卒業したら、いつか告白しよう!とそう考えておったのじゃが」
「うん……」
「わしは10年も留年しておるし、サクラ先生は行方不明じゃし」
「ぐだぐだだな」
「うるさいわい、ところでお主。名前は?」
「おれ?俺は、シュン。春って書いてシュンな」
「シュン……?」
マキナの顔が急に変わった。
「うーん、お主わしとどこかで会ったこと、ないか?」
「アンタと?いや、まったく記憶にないわ、すまん」
「そうか……」
思いだせと言われても、知らないものは知らない。こいつと初めて会ったのは目覚めた場所の保健室なはずだ。




