第42回
“後始末”というのは、人体実験を行った孤児達の里親探しや、一般的な教育を経て島の外へ自立させることだ。島には私たちが通う学校しかないので、ほとんどの孤児は島の外へ出される。
「島の外へ、ねぇ」
この島には謎の現象が古くから起きている。
なぜかここで一定期間住み着くと、この島を出たくなくなるという不思議な現象。
船に乗ろうとすれば異常な船酔いに合う。仮に無理に島の外に出られたとしても、通常の運動や移動さえも不安定な生活に陥る。世間では一瞬それが一種のオカルトとして注目を浴びた。
テレビやマスコミが実験をし、それが事実ということも世界中に知れ渡った。原因を突き止めようと様々な分野の専門家が訪れ数年ほど賑わっていたが、原因は不明だった。
ついには飽きられてしまい、今ではありがちな、知る人ぞ知る都市伝説のひとつとなってしまった。
「火事だ~~~!」
そこに突然人の声が聞こえてきた。
「またか……」
いつもどおりの展開だ。またあの部が騒ぎを起こしたのだろう。
「おい、部屋の中にいる奴は全員逃げろー!」
「また未来研究部か?そろそろ廃部にしろよまったく!」
外から次々と愚痴が飛んでくる。火事ってのにずいぶんと具体的な文句がだな。さて、私も自分の命は惜しい。部屋に備え付けられていたガスマスクを顔に取り付け、外に出た。
ちなみにこういったことは日常茶飯事で、各部室にはガスマスクが取り付けられている。今ではそれが当たり前なのだ。
「おお、マキナ。さっさと逃げろよ」




