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第40話

「にしても、俺が10年かけて築き上げた研究を1ヶ月で理解するとは、本当にお前は何者なんだよ」

「マキナです」

「う、うん。まぁ、ほんと助かってる。この研究が上手くいけば、俺達は億万長者に!ふふふ」

「先生、すでに結構お金持ってるじゃないですか」

「最近は、子供の養育費に、妻の離婚の慰謝料とか……ほんとやばいんだよ」

「下手にお金持ってると、慰謝料凄いって聞きますしね」

「本当シングルファザーは辛いよ、じゃ俺はちょっと学食にメシ行ってくるわ」

「わかりました、いってらっしゃいです」

「こんちはー」


 サクラ先生とちょうど入れ替わりで研究室に入ってきたのは、私と一つ下の学年のハチだ。こいつは工学部。


「おお、きたか、待っておったぞぃ」

「先輩、いい加減その口調、変ですよ」

「うっさいのう!続けていればだんだん、板についてくるもんじゃ!」

「へいへい、分かりましたよ」

「で、どうじゃ?あの例の話は?」

「ああ、サクラ先生の話しっすか」

「うむうむ(ドキドキ」


 完全にサクラ先生が去ったことを確認したハチは、申し訳なさそうに話した。


「はっきり言って脈どころか、ガキだと思われますよ」

「が、ガキ!?」


 私はハチに先生がどれぐらい私に興味があるかを探ってもらうように頼んでいたのだ。


「う、ウソつけい!現にさっきだって、あんな恋人のように気軽に接しておったぞ!」

「いや、いつもどおりでしょ。ってか恋人同士ならメシも一緒に食べるでしょ」

「ぐぬぬ……」


 まさに正論。しかしここまで私の脳内での想定から、サクラ先生の気持ちは遥かにズレていたとは。いつもの研究などは自らの主観を一切捨て、すべて客観的に観測できるこの私の頭脳でしても、恋愛というものは単純ではないようだ。ちょっと作戦をまた考えなきゃな。しかし恋は障害があればあるほど燃えるものだ。

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