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第4回

「アイツは、結構不定期で左右どちらかもランダムで巡回してここを通過するから油断できないわ」

「じゃあ、アイツが通りすぎた後に反対側に走ってここを抜け出せばいいんじゃね?」

「アイツには前にも後ろにも目がついてるから、廊下に出た時点で見つかるわ」

「それもそうだな」

「ね?つまり迂闊に外には出られないの」

「この部屋の窓から逃げれないのか?」

「あいにくここは二階よ。それに校舎のガラスはすべて強化ガラスだから、人間じゃ割れないわ」

「ほんとかよ」


 ためしにガラスに触ってみる。たしかに分厚いし、どこの窓も人が入れるスペースになっていない。廊下のガラスも同様だ。


「とにかくまず、メイと俺はここの校舎から出たい、ここはOK?」

「OKよ、私だってまずはこんなところ早く脱出したいわ」

「そしたらやっぱり下駄箱しか出口はないよな」

「ここから走って1分ってとこかしら?」

「セキュリティロボに気付かれず階段を下って、1分間追い付かれないで走る気か?ムチャな!」

「アイツが3階にいる気配の時に走り出せばいいんじゃない?」

「あの図体で3階に行けるわけないだろ?」

「でも、たまに3階に気配を感じることもあるわよ」


 するとまたもやモーター音が通る音が聞こえてきた。だが今回はこのフロアではないと思われる音だった。


「つまり、3階に気配を感じた時に走り出せばなんとか間に合うと思うのよ」

「今のじゃ1階か3階か分からなかったぞ……?」

「うん、そうね」」

「つまり運任せ、だよな」


 二人は真剣に見つめ合った。考えていることは同じなのだろう。


「行くしかないな…」

「ええ、ここにいたって、何にもならないもの」

「眠ってる子はどうするんだ?」

「少し可哀想だけど、このまま寝ててもらうしかないわ…とにかく外に出て助けを呼ぶのよ」

「助けか、近所のおばちゃん、なんとかしてくれるかなぁ」

「そのおばちゃんがいるってことは、ほかの人もいるかもしれないでしょ」

「それもそうか」


 待つこと数分、かすかに2階以外のフロアでセキュリティロボの走行音が聞こえた。若干上から聞こえた気もする。


「よしじゃあ、せーのでドア開けるわよ」

「おう…」


「「せーのっ!!!」


 ドアを開けると共にけたたましいサイレンが学校内に鳴り響いた。遠くからセキュリティロボが猛スピードで近づいてくる音がする。


「そりゃあ、学校のドアだもんな…セキュリティも管理されてるわな~」

「アイツらさっき2階以外にいたはずなのに、なんでもうこんな近くにいるの?」

「俺もバカだったよ、最初からこの校舎にはセキュリティロボじゃ、複数いるんだよ!!なんでそんなこと分からなかったんだ俺らは」

「この役立たず~!」


 モーター音が聞こえてくる方向は右側からだ。そして下駄箱も右側だ。仕方ないが左の道を選んで走り出した。


「アンタ、これ持ちなさい」

「うおっ、なんだ!?」


 いきなり投げ渡されたものは護身用スタンガンだった。


「なんでこんなもの!?」

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