第39回
「う、うわああああ!」
「ふふ、ワシを舐めるとこうなるのじゃ」
「は、ハゲる!!!」
「大丈夫じゃ、これは新しい時代の脱毛の原理を使った発明品じゃ、わしのこの発明が今年も世界中に伝わり、世界中の無駄毛に苦しんでいる
女子たちは救われる。痛みはゼロ。この凄さが分かるか小僧?」
「そ、そんなことより俺の髪があああ」
「大丈夫じゃ、副作用などはない。ただ新技術で毛根から優しく抜くため、生えてくるのは少しかかるじゃろう、しかも新しく生える際は、少
し薄くなって生えてくるから、最終的には永久脱毛に近い効果を得られる。目指せ赤ちゃんの産毛肌じゃ」
「ほ、欲しい……」
真剣に商品のCMを眺めるように見蕩れるメイ。即電話しそうな勢いだ。いや凄い発明だけど困るよ、頭の毛が薄くなるのは!!
「まあ、そういうわけじゃ。にしても大変なことになったのお」
「マキナ様、ハチって男はいったい何者なんですか?」
「ハチかぁ、あれは10年前のことじゃった」
「あ、回想ですね、マキナ様」
「うむ」
◆◇◆
私はマキナ。18歳。現在恋、真っ盛り。
「お、おはようございます」
「うむ、おはよう」
ちなみに私は会話する時に「~じゃ」とか「~のう」とか「わし」とかつけるけど、基本的にそれはキャラ作りだ。メリットとしては、舐め
られにくくなるという点だ。まあ、目上の人にはもちろん使えないし、たまに素で喋ってしまうし、もうやめようかなとも思っている。
「礼の資料、できたか?マキナ」
「先生、それ頼んだの昨日ですよ。そんなすぐに出来るわけないじゃないですか!」
「えー、マキナだったらすぐできるかなって思って頼んだんだがな」
「わかりましたよ、じゃ今からやるんで待ってて下さい。1時間ぐらい」
「さすがマキナ、頼んだぞ」
「ほんと、人使いが荒いんだから」
私が話している先生の名前はサクラ先生。私が入っている科学部の顧問だ。私は特別科の生徒だから特に授業を受けるでもなく、自分が望ん
だ研究に没頭している。サクラ先生は、私が興味を持つ分野のエキスパートなのだが、つい最近私が先生の研究をすべて理解し、遂に助手になれた。




