第33回
「ああ、なんならアナタも保護するのもいいなぁ、むしろ依頼人も人が多い方が喜ぶかもしれない」
「俺も保護?どういうことだ?お前の依頼人って、ハチじゃないのか?」
「ハチ?ああ、あの放送の人ですか。僕は会ったことないですし、あんな頭のおかしい人の下で働くなんてゴメンですね」
どうやらコイツの依頼人はハチではないらしい。
「とりあえずアナタも保護という形で依頼人に合わせることを提案します」
「お前の話なんてまともに信じてられるかよ、その依頼人のことだって分からねえのに」
「それもそうですね。信じてもらいたいんですけど」
真剣に悩むミカド。
「あ、そうだ。ちょっとポケットのケータイを取ってもらえませんか?」
「ポケット?ああ分かった」
急に襲ったりしてこないかと慎重になりながら、胸ポケットをまさぐる。
「ぁ…うッ」
「変な声出すんじゃねえよ」
「すいません、つい」
ついじゃねえよ。胸ポケットの学生証を見つけた。
「これがどうしたんだ?」
「いや、ハチという男にメールをしたので返信来てないかなと」
「話だいぶ飛んだな」
マイペースなヤツだ……
「あ、返信来てましたよ」
「何!?」
「遅刻して今着いたんですけど、どこに行けばいいですか?ってメールしたんですけど、返信は『あれ?転校生!?体育館いなかったの?そんな〜、まあいいや。君も宝探しにぜひ参加してほしいな。』と返ってきました」
「ハチとしては、お前の遅刻は予想外だったんだな」
「学校にやっと着いたものの、職員室も分からないし、さんざん迷い、どうしても図書室に着いてしまうので、図書室で本を読んでいた女の子に案内してもらったんですが、いつの間にかその子ともはぐれ、迷った末にこの校舎を見つけ入ったら、外からセキュリティロボがどんどんやってきて、なんだこれは?とパニックになり、気付けば夜になり、既に依頼人から頂いていた任務を遂行していた、という感じでした」
なるほど、コイツが重度の方向音痴なことが分かった。それとこのメールがとぼけて俺を騙すためのハチへの質問でない限り、コイツとハチは本当に繋がってないことが分かる。




