第22回
「アキちゃん、遊びましょ~」
少年は一軒家の2階に向かって大声で叫んでいた。一方アキちゃんは窓で僕の方を見ていた。
「アキちゃん、風邪治ったんだね~!」
それでも返事が無い。それでも叫び続ける少年。すると玄関からアキちゃんのお母さんらしき人物が出てきた。
「ごめんね、アキは病気になっちゃって、外には出れないのよ」
「え~、でも風邪で休んだの、2周間も前でしょ?もうそろそろ治る頃だよ」
「うーん、アキは生まれつき体が弱いから、もうちょっとお休みしちゃうと思う」
「うーん、分かった。学校のみんな心配してるよ。あ、はいおばちゃん。これ今日のプリントと給食のパン」
「毎日ありがとね」
「今日のパンはレーズン入りだから!アキちゃんいっつも美味しそうに食べてたからなぁ」
「あの子も喜ぶわ、ありがとねシュンくん」
シュンくん?俺なのか、この少年は。するとまた切り替わる。
「なんじゃおぬし」
「は、初めまして…」
「こんなところに何の用じゃ?」
「お父さんを探しに……」
「お父さん?ああ、アイツなら外でタバコ吸っとったぞ」
「ええ?タバコやめるって言ってたのに……」
「禁煙9回目だそうじゃぞ。タバコのー、何がええのかのう」
「お姉さん、お父さんのタバコやめさせてもらえないですか?」
「あれがタバコをやめるのは、死ぬ時じゃな。……それよりおぬし、わしがお姉さんに見えるか?」
「はい、背が高くて、かっこいいです」
「そ、そうか!」
「お父さんのところに行ってきます」
「アイツにこんないい息子がいたとはのう…」
ピピピピピピピピピ…
そこでスマホのアラームが鳴る。普段からセットしているアラームだ。
「22:30か、普段ならこの時間はアニメ見てるからなぁ」
あーあのアニメの続き気になるな、ちゃんと家に帰ったら録画されてんのかな。まあこの島の状況じゃ放送されてんのも怪しいな。ん?
22時30分?俺ってどれくらい寝た?確か30分くらい寝ようと思ったんだけど。とっさに体を起こしメイに話しかける。
「おいおい、人が悪いぜ。時間になったら起こしてくれてもいいじゃんかよ!」
しーん…
……?まさか、取り残された?




