第19回
さて、勢いで言ってしまった。死なない、までに俺の能力が優れているかは、実は断言できない。半分は男の意地が入っていただろう。女の子一人をこの外に出して自分だけがここで安全に助けを待つのも、あまりにダサいしな。
「撤回するなら今よ?私に同情するとか、男としてのプライドがとかそういう理由だったら、ここに残ったほうがいいわ」
「事実として、ここにいたって1日分も食料が無いんだろ?」
「人間、水だけでも1週間は生きていけるわ」
「まあそりゃそうだけど、それ以上にこの状況が続いたら?」
「私が食料を持ってくるから。ほら、アナタが外に出る理由はないしょ?」
ぐぬぬ…言い返せないが、もう意地を貫き通すしかない。
「俺は今腹が減ってるんだよ」
「わかったわ、アナタはプライドか何かで動こうとしてるのは筒抜け、ここまでは大丈夫?」
そうだよな。
「でも、食料の確保は大事だろ!」
「まあそうだけどね」
そうだろ。そうだろ。
「ところで行くか行かないかは別として、その特技ってなあに?それを聞かせてもらえないかしら?」
「具体的な話は出来ないけど、何ができるかぐらいは教えとく」
「うん」
「まず俺が本気を出したら、拳銃の弾くらいは避けれる」
「………ふーん、でもその腕の傷は?」
「あ、あくまで俺が本気を出したらだ」
「何それ(笑)友達とゲームしてて『次は本気出す』っていうアレ?」
コイツ……まあいい、ここは俺が大人になろう。
「うんうん、信じられないのも当たり前だよな」
「それに、あの体力の無さ、つくならもうちょっとマシな嘘ついたほうがいいんじゃない?」
「俺が本気を出すには、ある条件が必要なんだ」
「条件?」
「メシを食うこと、しっかり睡眠を取ること、そのほか色々だ」
「普通の人間じゃないの…」
「まあ、そうだな、とにかく…俺を信じて、信じてな?」
「信じて?」
「一度、メシにしよう」
「はぁ?」
こうして、俺達は二人で湯を沸かすことにした。
「カップ麺は飽きてるんじゃないの?」
「まあ、これしかないなら、仕方ない、ほんとに他にないのか?」
「ゴメン、ない…」
「冷蔵庫の中とかは?」
「開けてみてよ」
お言葉に甘えて開けてみる。女の子の家の初冷蔵庫。オープン!
「うわ…」
「ね?これも雰囲気のため」
冷蔵庫の中は空っぽだった。というか電源さえついてない。なるほど、蛍光灯と一緒で雰囲気が壊れちゃうってやつかな?
「ブーって音がするのが、私的にNGなのよね」
「自炊とかしないの?」
「恥ずかしながらこの歳で家事全般出来ないのよね…魔術一筋で生きてきたから」
「なるほどな…」
「まあ、普段は出前を取ったり外食したりばかりよ」




