第16回
「さてさて…」
「とんでもない話ばっかりだったわね」
「ああ、そうだな…」
あっけにとられている二人。
「にしても宝探ししろってのに、外に出ればセキュリティロボで即死の可能性って…これゲームになってんのか」
「確かにね」
「そもそも宝を探したいなら、こんなことしないで有志を集めて探してみればいいと思うんだが」
「それはきっと、今までもやってたと思うわ。宝探し、というかここの学校に秘密があるなんてことは前々から噂されてたしね」
「どんな?」
「たとえば、よくある話が人体実験の研究の存在、そしてその資料とかかしら?」
「あー、それはなんか聞いたことあるな」
「遺伝子操作とかね。そもそもうちはそういった法律でタブーになってる研究なんかに、お金を援助してることが多いから」
「クローンなんかは、いっとき学校でも騒ぎになったよな」
「ああ、あれは完全にアウトだったわね。方法さえ分かっちゃえばうちの環境と設備、恵まれた情報ならそれが作れる」
「卒業生が適当に残していった夏休みの自由研究のノートが、あとあとオークションで何千万円になったりする学校だしな」
「それも凄かったけど、やっぱりタイムマシンを作ってる際に副産物として出来た酔い止め薬も凄いわ」
「ああ、マシンの振動に耐える即効性のあるやつな」
「まあ、結局メインのタイムマシンの研究はそこでストップしちゃって、酔い止め薬で大金持ちになったのよね、あの人」
「ああ、あの人は今はこの島で遊びながら暮らしてるそうだぞ」
「たまに学校にも教師として教えにも来るわ。まあ、変な人だけど。」
「ああ、あの人かぁ、AIの授業でも見たことある」
「そういえば、遺伝子操作も有名だけど、AIやアンドロイドなんかもうちは強いわね。あと体内の器官の手助け。人工心臓なんかそれね」
「AIで思い出したけど、アイツ元気かな…おーい」
自分のスマホに常駐させているAIに喋りかける。
「記憶情報が見つかりません、インターネット接続の確認をお願いします」
ありゃ、そうだった。
「ダメだ、ネットが繋がってないところだと全然機能しないんだよね」
「その子、AI?可愛いわね、寝てるの?」
「ああ、コイツがいると何かと便利なんだけどな。
例えばひとつ面白い機能があってコイツが人間を認識すると、過去に会った人間ならどんな人間かを覚えておいてくれるんだ」
「ええ?どういうこと」
「まあ、説明すると長いんだけど、例えば声とかをだな。覚えてくれるんだ。そしたらその人間を登録してくれて、俺が過去にどんな話をしたかを教えてくれる」
「凄いわね!」
「そんだけで驚いちゃダメだぜ。ほかにも身長と顔の骨格、肩の形、背中のシルエットなんかも認識させたりすると個人を登録出来る。名前なんかも会話の中から考えて仮でつけてくれる。あとは、ちゃんと本人の承諾を得てもっと細かく登録さえすれば、スマホのカメラを本人に向けただけでラグもかなり短めで特定できちゃうわけ。でまあ結構個性的なとこもあって、結構学校側には評価されてるんだ。アニメの世界ではよくある機能で、これを完成させるのが俺の夢かな」
「将来的にはこの登録を自分で個人でやるようになって、町を歩けば自分が公表したい情報を見せれる、そんな時代になったら面白いなぁと思ってる」
「ああ、名前を忘れた時とか、便利ね」
「そう、誰だっけってなったら、声で判断してくれるしな」
「で、それらが基本的には全部クラウド上で管理してるんだよな。容量の問題で」
「じゃあ使い物にならないわね…」
「そうでもないぞ、オフラインモードもあるしな、ほら起きろアイ」
「ふニャ…」




