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第11回

 トリートメントというものも初めて使った。何度か店では見たことあったけど、使うとこんなに滑らかになるのか。女の子はこんなチートみたいなものを使ってるから髪がさらさらなのだろうか。


「タオルは…確か上から2番目とか言ってたな…」


 そこには、タンスは2つあった。大きなタンスの上に、また小さなタンスが乗せられている感じだ。


「どっちのタンスの上から2番目なんだ…」


 普通に考えて、タオルというものは大きいものだから下の大きなタンスに入っているのが当たり前だろう。ということで何も考えず下のタンスの上から2番目の引き出しを開けることにした。


「こ、これは…」


 宝の山、いわゆるランジェリーと言われる布が盛大に丁寧に敷き詰められていた。まるで宝石に入った宝のように眩しい光を放っている。


「(オーマイガー…)」


 小声でそんなことを呟きつつ、静かに、静かに閉める。幸いメイがいるであろう部屋とはかなりの距離があるから聞かれるなんてことはないだろうが、念のため慎重にだ。


 ったく…なんでこんなところに下着入れてるんだ。

 いやまぁ下着を入れる場所なんて個人の自由だ……そう、誰も悪くない。俺は悪くない。メイも悪くない。そうだ、俺は言ってみれば被害者だ。そう、悪意はここには存在しない。そうさ世界の理不尽な争いはこういった偶然から始まることもある。その縮図を俺は垣間見れたのだ。そう、勉強になった。目の保養にもなった!


 改めて、本当の上から2番目の引き出しを恐る恐る開ける。

 ふぅ、何とかタオルを見つけた。ビショビショの上に冷や汗かいちまったので、それらも全部拭き取った。ちなみに血は止まってていい感じだ。本当にかすった程度だったので良かった。ちなみに風呂場ではあんなサラサラだった髪も、ドライヤーをかけるといつもの髪に戻った。


「上がったぞ」

「………」


 反応がない。


「メイ~?」


 探してみると、メイはベッドに倒れて眠っていた。よほど疲れてたんだろう。そばにあった毛布を掛けてやった。


「お兄ちゃん…」


 その言葉の後にメイの瞳から涙が零れた。よく見ると今の涙が最初の涙でもなさそうだ。いったいどんな夢を見ているんだろう。


 無愛想で、論理的で真面目でしっかりしたヤツだと思っていたが、ここで始めてメイの弱さが見えた気がした。一人でこの学年に首席で入学し、友達も作らずに兄を探しにこの島にきたってことだ。当然心細い時だってある。コイツは一人でも生きていけるような、そんな強い女だと勝手に思ってたが。


「一人は寂しいよな」


 俺にも分かる。俺も一人暮らしだし。一人になりたい時もあるし、誰かいてほしい時もある。それが人間だ。


「はぁ……」


 今コイツを守れるのは、俺しかいない。

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