記憶のない少女〈4〉
変更すみません(´・ω・`)
「それで・・・その、別に3人を侮辱するわけじゃないんだけど、――――」
言ってしまったら何か大事な物が全て壊れてしまう気もしたが、一回気が付くとその後もずっとそれに気が取られてしまうという経験はないだろうか。好奇心を抑えきれなくてつい口にしてしまった。
「3人は人じゃないのかな??」
「“人”ではあるよ生物の学名上はね」(スー)
≪・・・学名上はって??≫
「もちろんエルフやフェアリーみたいなそれよ。」(シャノン)
「・・・・・・・・・・・は?」
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓本編↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「え、「は?」って。カペラ?どうしたのよ」(シャノン)
「・・・え、あ、いや。今なんて?」
「今って・・・エルフ族とフェアリー族のこと?」
「・・・・・・あ・・・・・」
―――――――――――――――――――やらかしてしまった予感。
放心して固まるあたし。その理由が分からなくてオロオロするシャノンと腹ペコ少年。スーだけはやっぱりというような顔をしている。何か心当たりがあるのだろうか?
「ふぇい!えっとこれ、見えるでしょ?」(シャノン)
そう言ってシャノンが背中の羽を見せてきた。あたしが無言で頷くと、「つまりそういうこと」と、シャノンも頷いた。
《・・・・・・・・つまりそういうことなのだろうか?》
「じゃ、あ、そこにヒューマン族なんて言うのもあったりしてる?・・・」
「「え!?」」(シャノン・腹ペコ少年)
「・・・やっぱり」(スー)
「スー、分かったのか!?」(腹ペコ少年)
「ああ。はっきりと断言はできないがカペラはヒューマン族だ。」(スー)
一体どういうことなのだろう?「みんなちょっと俺の話を聞いてくれ」スーはそう言うと話し始めた。
「まず、俺はエルフ族だ。そして、シャノンはフェリー族、アークはヴァンパイア族とエルフ族のハーフなのだが、それはひとまず置いておいて、カペラ、君はヒューマン族だ。
今、ヒューマン族のことは空想上の人物としてしか知られていない。ちゃんと調べてみないことには分からないが、考古学者の中には空想ではなく、実際にいたということを言う人が多い。前にそういう学者の書いた本を読んだとき、細かい特徴なんかが描かれていたんだが、そこには確か、耳が短いだとか、髪や瞳の色がどの種族とも違うと書かかれていた気がする。少なくともそれにはぴったり当てはまっていると思わないかい?」(スー)
「まぁ、そうかもしれないけど・・・・でもね、空想と現実をごっちゃにしたらダメなんじゃないかしら?」(シャノン)
「その通りだ。空想と現実をごっちゃにするのはダメだと思う。けど、今回は俺もきちんとした根拠があるんだよ。なぁ、カペラ。俺の話を聞いて今どう思ってる?」(スー)
「・・・・なんか、すごく変な感じ。だって、あたしは妖精やエルフ、ヴァンパイアは空想上の生き物だ・・・・・っていう考えのところにいたもの。それが当たり前の、常識として知られている世界にね」(あたし)
あたしの言葉がそんなに信じられなかったのか、腹ペコ少年とシャノンは「「なにそれ!!」」と叫ぶとお互いにお互いのほっぺたを抓って、「「痛いッ!!」」と悲鳴を上げた。
信じられないのはあたしも同じだ。
だって、エルフやら妖精っていうのは本の中の、架空の生き物でしょ!?
「本当にお前はヒューマン族なのか?」(腹ペコ少年)
「・・・・ヒューマン族かどうかは何とも言えないけどあたしは人間だけど、『ホモサピエンス』・・・・・って、そんな化け物でも見るような目で見ないでもらえる?」
―――――とりあえず、いったい何が原因でこんなことになっているのかは分からないけどあたしは本の中の世界にでも来てしまったらしい。
《て、何も解決してないじゃんか!!》
「・・・・・・どうしよう」(あたし)
「あぁ、ほんと!どうしよう!!外が暗くなり始めてる!早くしないと!!」(シャノン)
「やべっ」(腹ペコ少年)
「・・・え、この世界でも門限ってあるの?それにまだ全然明るいうちにはいるんじゃない?」(あたし)
慌ただしく荷物をまとめ始めた3人にあたしは言った。
たしかに外はさっきより暗くなりはじめているが、そうはいってもまだ真夏の午後5時くらいなものである。
つまり全然明るいのだ。
《それにおかしくない?ついさっきあたしが起きた時にお昼の話してなかったっけ?》
「何言ってるの!ここは夜の森って言ったでしょ?危ないじゃない!」(シャノン)
「え?」(あたし)
「ああ、大変!ちょっとスー、アーク来て。この後カペラがどこに行けばいいか決めてないじゃない」(シャノン)
「「そうだった!」」(スー、アーク)
《どうやら『アーク』はあの腹ペコ少年の事らしい》
「何で?これだけ立派なツリーハウスがあるんだからここに留まればいいんじゃないの?」(あたし)
「駄目に決まってるでしょ!」(シャノン)
「阿保か!」(腹ペコ少年)
「無理だろ!!」(スー)
・・・す、すごい・・・なんか、迫力が。その勢いに押されたので、下手に口を挟むのはやめようと思った。
「・・・・どうしよう。カペラは女の子だし、、私の家に泊めるのが一番いいと思うんだけど・・・カペラを連れて帰ったらまた外出してたことがばれちゃうし、今度は部屋からも出られなくなりそうだわ・・・2人は?」(シャノン)
「俺はそもそも部族以外の者が村に入ることができないっていう掟があるからな、どんな事情があろうと多分無理だ」(スー)
「となるとアークは?」(シャノン)
「俺?・・・・・・あぁ・・・まぁいいんじゃね?」(アーク)
「何その自身無さげな言い方、変なこと考えてなんか―――」(シャノン)
「ねぇよ。ただ親父がさ、」
「「あ~あ。なるほど」」(シャノン、スー)
「お父さんに何か問題でも?」(あたし)
「んん・・・ちょっと。ま、でも大丈夫だろ。むしろお前が来れば、母ちゃんは大歓迎だろうし」
《大歓迎って。きっとパーティーとか好きな楽しい人なんだろうな。で、お父さんの方はいったい何があったんだろう!?》
とりあえず今晩はアークの家に泊めてもらえることになった。
ふと窓の外に目をやると、今の会話は何十分もかったわけでもないのにもうかなり薄暗くなっていた。ついさっきまで聞こえていた可愛らしい小鳥のさえずりなど嘘だったかのように消え、代わりに獣の不気味な咆哮が聞こえるほどだ。
「今日は本当にやばいわね。長居しすぎたみたい。アーク、カペラちゃんをよろしくね、ちゃんといろいろ説明してあげなさいよ!」
《なんか、シャノンってしっかりしてるなぁ・・・》
「分かってるよ。それより早くここを離れた方がいいだろ」
「おう。それじゃお先に!」
そう言ってスーが消えた。
「じゃ、あたしも。バイバ~イ」
シャノンも手を振りながら消えた。
「おい、ボケっとしてんじゃねぇよ!早くつかまれ。腰でも肩でもいいから。俺らも行くぞ」
「うぇい!?ほい!」
腕を引き寄せられたので、そのまま首に抱きついた。
「遠距離転移」
シュンッ
ものすごく原稿が長いなと思ったので3000字くらいに分割してみましたがいかがでしょうか?
だいたい作文用紙8枚分ずつくらいになっています!