桜都国の桜蘭姫
むかしむかし、あるところに桜の咲き誇る桜都国とよばれる国がありました。
そんな国に住んでいた桜蘭と姫君のお話をしましょう。
「姫っ!!危険です!!お戻りください!!」
女官の一人が姫を呼ぶ。
「平気よ!!このくらい。だってここから見る景色、すっごく綺麗なのよ」
木の上からそう答えるのは、桜蘭という姫君。
「まったく。やんちゃにも程がありますよ?また王に叱られますよ。」
呆れた女官はそれだけ言って宮殿に戻った。
「これくらいなんともないし。……きゃあ!!」
突風が吹く。バランスを崩した姫は木の上から真っ逆さま。
「落ちるっ落ちるってぇぇ!!誰か助けて!!」
その時、姫の体がふわりと浮いた。
一人の少年が姫を受け止めたのだ。
「へっ!?青藍っ」
「バーカ。結局落ちてんじゃねぇか。」
青藍という少年はふん、と意地悪っぽく笑う。
彼は桜蘭の召使で、幼馴染。
「うっさい!!青藍だってこの前木から落ちたじゃない!!私見たんだからね?」
「なっ…!それとこれとは別だ!!てか、国王が怒ってんぞ。」
青藍は少し顔を赤らめてそう言った
「えぇ~!?またお説教?」
このあと桜蘭は1時間こってり叱られたのであった。