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第三章 消失


 翌朝、彩花は学校に現れなかった。クラスメイトの美咲が心配して家まで行くと、部屋の鍵は閉まっていて、玄関マットに冷えたスマホが落ちていた。

 画面の通知履歴には「M」からのメッセージが並ぶ。最後の一行だけが、光の残像みたいに目に焼きつく。


今、あなたの後ろにいるの。


 警察が来て、事情を聞いて、何度も同じ質問が繰り返された。荒らされた形跡はない。窓も鍵も内側から閉まっている。

 美咲は答えながら、ふと廊下の奥を見た。誰もいないのに、角の影が人の肩の形に見えた。

 気のせい。気のせいだ、と自分に言い聞かせる。けれど、帰り道、ポケットの中で自分のスマホが震えた。


私、メリーさん。今、駅にいるの。


 画面に、アイコンのない「M」。指先が冷たくなった。

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