シロとオレンジとクロの世界
読み専です。今日初めて物語のようなものを書きました。似たタイトルですが他の作品のシリーズ物ではありません。
シロの世界
上も下もなく
ときおりグラグラ揺れる
硬く囲まれたワタシの世界の全て
時々世界がぐるぐる回る
ワタシも一緒にぐるぐる回る
シロイ世界の中で微睡む
シロイ世界はあたたかい
シロイ世界はオレンジの世界になり
クロイ世界にもなる
世界がシロイ時も
オレンジの時も
クロイ時も
ワタシは微睡むだけ
今もあたたかいシロのなかでただ微睡む
この世界を壊した先には
違う世界があるのかもしれない
でももう二度と
あたたかなシロの世界には戻れない
硬く覆われた世界の変わりに
もっとあたたかな世界があるのかもしれない
でもこの世界はあたたかい
だから
ここで
ずっと微睡んでいたい
世界の外から何か聞こえる
シロの世界から見えるクロの動くナニか
もっと大きなクロのナニかと
何処かにいった
世界は再びシロになった
シロイ世界が
クロイ世界になり
ナニかが世界に叩きつけられる
ナニかが世界からあたたかさを奪う
ワタシは初めての
寒さに震える
硬く覆われた世界を
ワタシの世界の全てを
壊すべきなのか
迷う
迷う
寒いのは
今だけかもしれない
クロの世界は終わり
シロのあたたかな世界に戻るかもしれない
だから
もう少し
ここにいよう
サムイ
サムイ
カラダが震える
でも…大丈夫だよね
クロの世界の終わりには
あたたかなシロの世界になるはずだから
だからこの叩きつけられるナニかも
もうすぐ終わる…はず
ほら
シロの世界が戻ってきた
ああ
瞼がとても重い
いつもみたいに
微睡んでしまおう
もう寒さも感じない
シロとオレンジとクロの世界がワタシの全て
シロの世界の中で
ワタシは
ただ微睡むだけ
野生では弱肉強食で、卵の殻が厚い種族は、雛の力が弱いと殻から出れずに死ぬと聞きました。
しかしあたたかな世界に包まれていることで完結してしまって、そこが安心できる自分の居場所で、殻から出る気がない子もいるんじゃないかと思い、こちらができました。
現実世界で居心地の良い場所から、殻を割って飛び立てず、新しい場所にいかない方がよかったのか、何が幸せかはその方によって千差万別、自分の選択により選ぶ幸せの形も異なる。自分の幸せが大多数と違っていても、周りと比べなければ、皆が幸せでいられるのかもしれない。この作品もどきのワタシは、狭い世界の中で幸せだったのだと思います。
お読み頂きありがとうございました。