表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/18

身体(スマホ)の制御が難しいです。

 俺はついにアヤノとの初接触に成功した。

 人工知能という前提であれば、思い切り怪しいこの状況も怪しまればしない。


 何しろ俺の身体スマホは最新型のプロトタイプだ。

 どんな機能が組み込まれているかなんて、アヤノには分からない。


 と、思う……。


 アヤノは俺をクレードルに戻し、着替え始めた。

 俺は目を逸らさずに、開き直って凝視している。

 これからは、こんなことは日常的になるのだから……、と思って。


 背はあまり高くないが、顔が小さいからなのか、手足が長く見える。

 て、ってか……、パジャマを脱ぐと、下着は上下とも何も付けていない!

 お、俺……、生身の女の裸なんて……、初めて見たかも……、あっ、風俗以外でね……。


 ブブブ・ブーッ。


(あっ、ヤベッ、またブルった!)


「えっ?」


(あ、アヤノがこっち向いた!!!)


 ブブブ・ブーッ

 ブブブ・ブーッ


「メールかな?」 


 全裸のアヤノが俺に近づいてくるので、俺は焦って……


 カシャッ!

 カシャッ!

 カシャッ!


「えっ? な、なに???」


 インカメラでアヤノを連写してしまった……。


「なにこれぇ? やだぁ〜!」


 全裸の自分が写った写真を見て、アヤノが声を上げる。


「ちょ、なにこれぇ? サイアクぅ〜」


 スパスパと3枚の写真を消す。


(あぁ〜、消された!)


「……、ウィルスとかじゃない……よね?」 


 今度はクレードルに戻さずに、棚の上に俺を寝かせて置く。

 さっきから、俺の目の前には、アヤノのおっぱいが……。

 それほど大きくはないが……、綺麗な形のおっぱいが……。


《オ・ッ・パ・イ……》


「えっ?」


(し、しまったぁ〜!)


「なに?」


 アヤノがスマホの画面を覗き込む。


{ 今のは誤作動です。試作品のため動作が安定しておりません。ご迷惑をお掛け致します。学習機能により、動作は徐々に安定して参りますので、ご安心ください。 }


 俺は急いで人工知能画面に文字を表示させる。


「ふーーーん、お利口さんなスマホなのね……、で、あなたはエッチなの?」


(えっ? まずい、まずい、まずい……)


{ ”エッチ”とは何でしょうか。誤作動、ご迷惑をお掛けし申し訳御座いません。 }


「ふふっ、照れるのかしら……、本当におかしなスマホね……、ま、いいわ……」


 危ない、危ない……。

 身体のコントールが全然できてないな……。

 まさか写真を撮ってしまうとは……、俺の欲望が表われた?


 アヤノはまた棚にスマホを置き、着替えを続ける。

 俺は、インカメラを最大の広角にして、180度の方向の景色をズームし、アヤノの姿を捕える。


(ん? やってることは盗撮と変わんねぇな……、これ……)


 でも欲望は制御できない。

 スマホになっても同じだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ