第二十一話 真相
最新話です。ご気軽にお読みください。
「本当のことを言うと僕は……このダンジョンのダンジョンマスターなんだ」
誰でも例え王女でも王でもびっくりの発言に対するアオトの反応は……。
「ふーん」
「ふーんって、信じてないでしょ!」
まさかの反応だった。それを聞いたレンは当然の発言をする。
「いや、別に信じてないわけじゃ」
「絶対信じてないじゃん!」
「人の話は最後まで聞けや、ボケ!」
アオトの怒りの鉄拳をくらい、レンが苦しんだのは言うまでもない。
「……はあ、今更そんな事聞いても別になんにも感じねえよ」
「え?」
「お前のその強さ。時々考え込むところ。そして極めつけはその情報量。この状況でお前をそんな存在じゃないかって疑わない方がおかしいぜ?」
「じゃあ、僕の存在に気づいていたのか?」
「うすうすだがな」
(くっ、あの馬鹿なアオトに僕の正体がバレるなんて……。注意力が足らなかったか)
先程までの少しだが、いい感じが台無しである。
「失礼な事考えてないか?」
「べ、別に」
「それならいいが」
と、すぐに終わらせようとするアオトは何事にも面倒なことには気にしない癖でもあるのだろうか。
「で、それがどうしたんだ?」
「それが―――」
この後は皆が知っている通りである。所々に不審な点が存在し、最下層に人影が……と言う事だ。
尚、この話はそこまでの時間を消費する程の量ではなかったのだが、レンが予想以上に狼狽えていたので話が終わるのが長くなった。なんでもその人影に心当たりがあるだとか。
「で、どうするんだ?」
「うん、ここはこのまま突っ切って最下層までトップスピードで行くのがベターな範囲だと思う」
最早これしかない! とでも言うかのように今にも走り出そうとするレンを見てアオトは苦笑いをしてしまう。
「あのさあ、隠し通路とかないわけ?」
「ない」
「夢がない……」
「悪かったな!」
また珍しくレンが顔を真っ赤に染めて起こりだすのでその人影と言うのが相当心配なんだろうと察する。
レンはできるだけ不安は隠そうとしていたみたいだが、全然隠せていなかったようだ。
「じゃあ、行くか」
「うん、本気出してよ」
「分かってるって。この攻略より力を入れてしまいそうだな」
真顔でそんなことを言ってしまうアオトは本当にやりそうで怖くなってきてしまう。
「壁は壊さないでね」
「できる範囲で気を付ける」
その答えで良いと言うかのように首を縦に振り、先があまり見えない回廊をじっと見つめる。
「油断大敵ってことわざがある位だし魔物にも警戒はしといてよ」
「ああ」
そんなそっけない返事が返ってきた瞬間に二人の姿はその場から消えた。いや、この言い方は今の行動には適さないかもしれない。敢えて言うなら目にも留まらぬ速さで走り出した。
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「くっくっく。早く来いよ、クルスレン」
迷宮の最下層からそんな微笑も含まれた声の主。アオトとレンの二人。この二つの力の激突はもう直ぐそこまで迫っている。
そして、アオト達の後ろで不気味な笑い声を発していた者は敵か味方か……。
……自分はどうしてこんなに馬鹿なのでしょうか?
今までの話で題名の付け忘れ、更には昨日自覚していた筈なのにまた書き忘れ。
と、変なムードにはなりたくありませんので……。
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