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第十七話 即死は無惨

 最神話です。

 誤字があれば教えてくださると嬉しいです。

 レンの発した声だけでこの先に居るのが自分の嫌いなゴースト系の魔物だと知ったアオトはそのままそこに立ち尽くし、魂ここにあらずと言った表情で只の洞窟風になっている天井を見つめている。


「流石に無理矢理起こすのはどうかと思うし……」


 そんな言葉もアオトにはやはり聞こえておらず、結局は時間だけが過ぎていく無駄な時間となった。


「そろそろ起きてくれないと困るんだけど」


 声の主は勿論レンなわけでそれに対するアオトは無反応だ。そのまままた時間が、と流れていく筈がレンの思いつき一つで大きく変わってしまった。


「僕はいいけど止まっていたらアオトの方にもゴーストが纏わりついてくるよ」

「え? 駄目駄目駄目! ……レン、さっさいくぞ!」


 その台詞は自分の言う事だとでも言いたいのかレンは冷たい目線をアオトに向けるがそれに対してアオトは背を見せて完全スルーである。


「どの道この先は元から実体化したゴーストなんだけど……」


 レンの呟きにこれまた華麗にスルーするアオト。アオトを少しいじって遊びたい気持ちは多いにあるが、ここは我慢と踏ん張るレン。これを誰かが見ていたのならそこ踏ん張るとこですか? とツッコミをいれて来るだろう。


「ワンパターン……」

「そこ気にしたら終わりね」


 いつもいつも同じような扉だと文句を入れるがそこは言ってはいけないととめるレンだがアオトの頭の中には一塊も残っておらず右から左へと受け流していった。


 ぎぎぎぎぎ。


 錆びた扉を開けたような音と一緒に少しずつ開いていく扉。アオトのステータスだからできる事だが他の人がしたらきっと開かない程の重さが掛かっていだろう。そうすればそこでこの迷宮のクリアは不可能。そして奈落を登るのも不可能とここで生きていくしか方法がないのだが魔物の肉だけと言うのはなんとも酷い事である。その事に気づいたのかレンは苦笑いとともにアオトから少し離れた所で魔力を使い、全ての扉に修復の魔法をかける。正確には修復できるような小さな微粒子で錆だけを落としているのだが。


「何やってんの、レン?」

「! 今いくよ」


 一瞬戸惑いながらも表情を元に直して平然と話そうとするレンは社交辞令は上手な方にはいるだろう。


 進んでいく二人を待ち構えていたのは……何も見えないない只の暗闇だった。


「暗くて何も見えねえ」

「だねえ」

「だねえ、じゃないぞ。光を出せ、光」

「アオトも出来るでしょ。……て、聞かないか。全てを照らすその力 今解き放ち辺りを照らせ……“照明”」


 辺りが照らされ、周りの景色がやっとアオト達に見えてきた。そして最初に見えてきたのは―――


「あれ? なんかまだ暗いんだけど」

「……それゴースト、ゴーストだって!」

「え?」


 ―――そう、最初に見えてきたのは透けて尚黒い靄のようなものが見える塊、ゴースト。足がなぜかあるのだが、その全長の大きさが一線を超えていた。その大きさは他のゴーストの約4倍以上はある。そしてその左手には大きな実体化した鎌が。


「まじか!」

「そこ驚くだけ!?」


 まさかの普通の驚きである。気でも失うかと思っていたレンはそんなアオトを見てこっちの方がビビったわとでも言うかのようにツッコミを入れた。


「ほっと」


 振り回された鎌をぎりぎりの所で、でも余裕があるように避けレンの隣までジャンプで移動した。


「だってあれ幽霊じゃないじゃん」

「いや、正確には死んだ人のではないけど……似てるし、もっと凶悪そうじゃん」

「ほら、やっぱり幽霊じゃないんだ。死んだ人のじゃなかったら反応しないんだよね」

「どんな便利な霊感なの!?」

「こんな便利な霊感です」

「うっ……分からないよ。僕にはその違いがそこまで見いだせないよ!」

「なんで怒鳴るんだよ! 全然違うだろうが雰囲気が」

「じゃあ僕はどうなのさ!」

「だーかーら! 怖くて死んだ人の幽霊が嫌なんだよ!」

「わかるかー!!」

「わかれっ!」


 巨大なゴースト。本当の名前はビッググリムリーパー。死神の異名もあるが強さで言ったらアオト達の敵ではない。ここだけの話だが死神と呼ばれる魔物は他にも存在する。


 いや、そんな事ではない。そのビッググリムリーパーも二人の会話に怖じ気づいて動けていない。戦いにしか脳がない魔物がそんな事になるなど前例がない。アオトの強さも恐らく前例がない筈だから仕方ないが。


「レンはなんで分からないんだよ!」

「アオトこそなんでそんなのが分かるんだよ!」

「口調を変えんな!」

「五月蝿い!」

「……ウ、ウオオオオーーーン!」


 流石にしびれを切らしたかビッググリムリーパーはアオトの方へと突っ込む。突っ込む方向はやはり本能的にアオトの方が自分を脅かす存在だと思ったからだ。


「「お前は黙ってろ!!」」


 揃った口調でそう言うとアオトは鞘から“雷狼”を抜いて魔力を流し雷を纏わせ、レンは本気の魔力をのせた名称不明の短剣をビッググリムリーパーに突き出した。


「ウ、ウオォ!?」


 もう先程と同じ声の主かすら分からなくなる程の声量で最後の声を上げ、膝から崩れていった。


 説明をしておくならビッググリムリーパーは背まで“雷狼”で貫かれ、脳天の部分を正体不明の短剣で貫かれていた。


 即死である。ドンマイである。御愁傷様である。


 そして、後にレンはこう思った。


 アオトには本当の幽霊の大群の方が試練になると。

 読んで頂き有り難う御座います。

 そして、二つ程伝えておきたい事があります。

 一つ、前回の話でサブタイトルがおかしくなっていました(抜けていました)

 二つ、今までの魔法を少し変えました。(名称の方で)効果は変わりませんが、魔法での名称とスキルの方からの名称を変えました。


 すみませんでした! 全て自分のミスでした。本当に面目ない……。出来るだけ良い作品にしていこうと思いますのでこれからも読んでいってもらいたいです。


 次回、地上編

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