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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勇者と魔王の逃避行

作者: パラ

ノリと勢いだけで書きました。チート能力やらなにやらそういうもうがあります。残酷にはなってないと思いますが一応カテゴリにいれておきました。駄文ですが読んでくれると嬉しいです。

 俺が異世界に堕ちてきたのは、偶然。俺以外にも誰だって堕ちてこれたし、堕ちることを望めばそいつの場所に儀式の魔法陣は開いたように思う。俺に儀式の魔法陣に開いたのはただの偶然で、人よりほんの少し多く異世界に憧れを持っていたからだと思う。


 異世界に堕ちた後はテンプレ通り綺麗なお姫さんに迎えられ

「おお、あなたが今代勇者様ですね!!この世界を魔王の手から救ってください!!」

そんな感じで頼まれごとをしたから俺も勇者様ってのをやる気になったんだと思う。よく考えて見てほしい。今の世界になんの面白みも感じてない状態で、いつもなんか面白いこと無いかと、町をぶらつくような青年がいきなり異世界に召喚されたんだ。しかもテンプレお姫様つきで。それはもう喜んださ!!!狂喜乱舞したさ!!目の前のお姫さんだか神官だかがドン引きしてるのも気にせず延々と喜んださ!!!!

「異世界召喚きたああああああああああああ!!!!!!!!!!」

派手に喜んで大分落ち着いた後に待っていたのは、お察しの通りチート能力の説明やらチート武器の付与。そこでさらに喜んだね!!!元の世界と同じようなスペックで魔王倒せとか言われても無理だしね!!!俺がもらった能力は武器創造やら身体能力強化やら魔力が通常の人の数百万倍あるやら、なんかもうとりあえず使える能力全部お前にやるよ!!って感じだった。

能力の制御も思ってたより難しくなかったし、というかなんでもできた。文字通りなんでもだ。その気になれば元々いた世界にも自力で帰れた。魔王を倒さなきゃ帰れませんってなると思ってたけど予想以上に俺のチート能力はチートで、神様に「ああ、とりあえずやれること全部能力にしてやるから魔王倒しといて」とでも言われてるような気がした。そんな能力だけでも充分すぎるのに、さらには勇者の剣やら勇者の鎧等々の勇者シリーズ装備。付加されている能力もかなりいい!!勇者の剣は切れば切るほど切れ味が増していき尚且つ相手の生命力やら魔力を吸収し俺自身のものにするという武器!!簡単に言うとHP吸収、MP吸収、敵倒すだけ攻撃力UPしかも上限なしという能力だ。勇者の鎧は毒やら呪いやらを受け付けず、壊れても自動で回復する、さらに装備している者の生命力や魔力を回復し続けてくれるという感じだ。これも簡単に言うと、状態異常無効、自動修復、HPMP自動回復(効果大)みたいな感じだ。これだけでも単身魔王軍と戦えんじゃね?ってくらい強力なものらしい。それプラス俺の能力。異世界生活はバラ色だ!!!!俺も召喚されたばっかのときはそう思ってたんだよね……



 最初のころは騎士団長様に剣教わったり、大魔術士様に魔法教わったりでそれなりに充実してた。だが一ヶ月もたてば騎士団長なんて触れなくても倒せるようになったし、大魔術士様の魔法の数百倍の威力の魔法を撃てるようになっていた。魔王軍が城に攻めてきたってほとんど単身で全滅させられるようになっていた。魔王軍を率いている中には「俺は魔王様の忠実なる僕、四天王の○○○○だー!!」なんて言うやつもいたがそれすらも騎士団長様レベルだった。一ヶ月で城に直で魔王軍がくるんだから、切羽詰ってると思ってたけど意外とあっさり倒せて拍子抜けしたくらいだった。

 一ヶ月も準備すれば充分だろうとのことで王様に命令され城の外に捨てられた。まあ捨てられたといっても盛大にパレードやらなにやらしてもらったし、馬車やら食料やら一緒に行くメンバーやらはもらったわけだが……勇者パーティーという名の美少女をはべらせながらの行軍が始まった。美女、美少女、美幼女そろったパーティーで全員志願して俺についていくことになったらしい。一ヶ月も王城にで訓練してれば色々な女の子との出会いがあるわけで、しかも勇者補正なのか異常なほどモテるしで、とりあえず女の子がよってきた。なかにはムフフな関係になった子もいるしと言うかパーティーにいるのは全員ムフフな関係だったりするんだけど……もちろん俺を召喚してくれた姫さんも攻略済みです。この子も色んな魔法が使えて強いらしいよ!!まあそんなこんなで俺の異世界の旅が始まった。



 異世界を行軍しはじめて半年くらい時間がたった。俺が堕ちてきたとき世界の八割が魔王軍に占領されてたらしいけど、俺の活躍のおかげか地域の方々の頑張りかで四割くらいまで取り戻すことができた。いやぁ皆さん頑張ってますね!!まあその頑張りの中に俺たち勇者パーティーが魔王軍の殲滅などをしたのも含まれるんだけどね。というかそれがメインです。俺らが行った先々で魔王軍討伐の士気が高くなるんだってさ。この半年間の中で色々と辛いこともあって俺自身も人間的に成長したんだと思われる。まあ勇者パーティーは誰も欠けてないんだけどね!!むしろ行軍する先々で新しい仲間(女性)が増えていっている現状です。猫耳やら竜人やらエルフやらいろんな人たちが増えた。ちなみに全員攻略済みさ!!勇者補正の中にハーレム作成ってのでもあるのかもね!!



 異世界を行軍し始めて1年たった。ついに魔王軍本拠地、魔王城にたどりついた。今までとは桁が違う魔王軍の数。その城の奥には魔王が待っているのだろう。余計なことを何も考えずただそれだけを目標にしてきたから、なんか感慨深いものがある。ちなみに俺も勇者パーティーだけできたわけでなくちゃんと軍を率いている。いつの間にか魔王討伐軍の長になっており、魔王軍に負けないくらいの軍隊をつれしっかり最終戦争に備えたつもりである。ちなみに、色々と前置きが長くなったがここからがこの話のメインだ。今までの話は全部前置き、ぶっちゃけいらないくらいだ。ここからがメインディッシュ、さあ戦争を始めよう!!!


「俺はこれから単身魔王城に乗り込み魔王を殺してくる。みんなはここで魔王軍の相手をしていてくれ」

 「でも勇者様、護衛の一人でも連れて行かないと危険ですわ!!」

 「大丈夫だって、俺にはチート能力もあるし最高の武器もある。他のやつらがいたらむしろ全力で戦えないくらいだよ」

 「ですが……!!いえ……わかりました。魔王軍はお任せください」

 「よろしく!それじゃあ行ってくる!!」

 「必ず勝って帰ってきてください!!」

 適当に格好つけて俺は魔王城に単身で乗り込む。城の中には時空魔法でワープだ。大群を相手した後に魔王と戦うなんてしんどくてやってらんないからな。

そして俺はついに玉座の間にたどり着く。黒いフードをかぶった魔王が俺の目の前にいる。今まで感じたことのない威圧感。こいつは強いと俺の本能が警鐘を鳴らす。

 「よくきたな勇者よ……まさかこんなにも短時間で我の前にたどり着くとは思わなかったぞ……」

 「ああ……大群の相手が面倒くさくてな。全部押し付けてお前の首を取りにきた」

 「ふふ……変わっているな……お前ほど力を持つものなら、あれぐらい一瞬で片付けられるくせに……勇者なら無駄に犠牲を出さぬよう尽力するものではないのか?」

 「いいんだよ。ラストバトルくらいそれっぽくしないとみんな倒した気にならないだろ?」

 「ふむ……そういうものか?」

 「さあ?そんなの俺が知るかよ」

 「……お前は我を馬鹿にしているのか?」

 「別に面倒だったってのは本当だよ。お前の首さっさと取っちまえばこの戦いもすぐに終わるさ」

 「たいした自信だな……我を倒した先に何を望む?今ですら何でもできるというのに」

 「別になにも、この世界じゃほしいものなんて全部手に入ったさ。元の世界じゃ絶対に手に入らないものばっかな。地位も名誉も金も女もなんでもな。その気になれば世界だって俺のものだ。神にだってなれるだろうさ。だから望みなんてなにもないな」

 「ふむ……つまらない男じゃな……」

 「なんとでもいえ。なんでもできるってのは結構空っぽなもんなんだよ」

 俺は昔から異世界を夢見ていたし、召喚された時はそれはもう喜んだ。なんでもできるチート能力や武器。俺の周りにいる美女、美少女、美幼女は全員俺のことが好きでなんでもやり放題。金だって腐るほどあって贅沢し放題。自分が夢みていたこと全てが叶ったって言うのに不思議と心は満たされることが無かった。つまらなかった。空虚だった。なんでもできるはずなのに、どんなものだって手に入るのに、絶対に満たされない。かといって何かほしいものがあるわけでもない。元の世界にいた時と一緒で、いつも満たされない毎日を異世界にきてからも俺は送っていた。

 「戯言はもういいな。サクッと死んでくれや」

 「ふふふ……せっかちなやつだな……そんなに死にたいなら……我が殺してやるさ」

 そういってフードをとる魔王。フードを取るだけで威圧感が増す。その素顔は銀色の髪にシャープな顎くっきりと大きな瞳に長い睫毛が……って

 「女だったのかよ!!!!」

 「なっ!!女じゃ悪いのかよ!!!魔王が女じゃ悪いんですかー?!」

 「いや、悪いとかじゃないけどさ!!ここまでテンプレできたのに何で最後にちょっと変化球投げてきてんだよ!!!普通にどこぞの魔神みたいな風貌でよかったじゃん!!!」

 「お前も私を女だからって馬鹿にするのか!!どいつもこいつも女だからって!!!もういい!!!ちょっと顔が好みだったから生かして奴隷にでもしようと思ってたけど、お前なんか八つ裂きにして城の前に首飾ってやるんだからな!!!」

 「いやなんかさぁ!!さっきまでと口調も変わっちゃってるし!!!普通に可愛い女の子になっちゃってるし!!!普通魔王ってもっと威厳のあるもんじゃないの?!元の世界で魔王が女の人の小説も見たことあるけどさぁ!!もうちょっと強そうって言うか威厳があるって言うか……」

 「か、かわいいとか言うなよ……照れるだろ……///」

 「そういうのがなんか違うって言ってるのにぃぃ!!!!」

 「なんだよなんだよ!!!可愛い魔王じゃダメなんですかー?!可愛いは正義って言うの知らないのかよ!!」

 「なんでお前が元の世界の名言知ってんだよ!!つーか魔王が正義語ってどうすんだよ!!魔王は普通悪だろ!!」

 「正義を語る魔王がいたっていいじゃないか!!あーもういいよ!!お前なんか八つ裂きだから!!後で泣いたって許してやんないんだからね!!」

 「なんでもいいよもう!!かかってこいやぁ!!!」

 なんとも締まらない感じだが、こうして俺と魔王の戦いは幕を開ける。こんなふざけた始まり方をしても勇者と魔王。ありえないほどの超絶魔法や戦技が繰り広げられる。他に誰も入ってこれないような破壊の嵐が巻き起こる。

 「死ねやこらぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 「魔王がそんな三下みたいな発言してんじゃねぇよ!!」

 「うるさい!!三下な魔王がいたっていいじゃないか!!!」

 「だったら実力も三下レベルにしろや!!!いちいち死に欠けるんだよ!!!」

 「そのまま死ねばいい!!!」

 「そう簡単に死ねないんだよ!!!」

次々と巻き起こる破壊の嵐。勇者の腕が吹っ飛べば、魔王の足が千切れ飛ぶ。魔王の顔が潰れれば、勇者の内臓がはじけ飛ぶ。どっちも脅威的な威力の技を使ってるので致命的な一撃が何度も決まっているのだが、二人とも驚異的な再生力、もしくはチート能力があるので勝負がつかない。

「ぜぇぜぇ……いい加減死になさいよ!!!」

「ゲホッゲホッ……こっちのセリフだ!!!」

外から見れば魔王と勇者が大激戦しているのだが、少し近づくだけで中学生の喧嘩みたいになってしまっている。なんとも締まらないが……なぜか俺は少し楽しくなってしまっていた。

「ちょっと……なんで笑ってるのよ」

「笑ってねぇ」

「嘘つかないで!!めちゃくちゃニヤニヤしてるじゃない!!」

「仕方ないだろ!!こんなに一生懸命、全力でやることなんて今まで無かったんだから!!楽しいんだよ!!!」

「うわぁ……殺し合いが楽しいなんてとんだ戦闘狂ね……引くわぁ……」

「別に殺し合いを楽しんでるわけじゃねぇよ!!」

「今やってるの殺し合いなんですけど!?それ以外のなにが楽しいのよ?」

「さあ?全力でぶつかってることとか?」

「なんであんたが疑問系なのよ……」

「俺だってわからない」

「……馬鹿なの?」

「馬鹿じゃねぇよ!!馬鹿って言ったほうが馬鹿だろうが!!」

「あんたに馬鹿って言われたくないわよ!!」

「うるせぇ!!ばーかばーか!!」

「むきゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

小学生みたいな口げんかをしてまた戦闘を再開させる。それをなんどもなんども無限ループのように繰り返す二人。ただ、この無限ループは勇者の一言で終わりを告げる。

「ぜぇぜぇはぁはぁ……一個、気づいたことがあんだけど……」

「ふぅふぅ……なによ?」

「俺さぁ……お前とこういうことしてるから楽しいのかな?」

「は?なにそれ、やっぱ戦闘狂?」

「いや違うって!!こうやって魔王様と喧嘩みたいなことしてるのが楽しいのかなぁと思いましてですね……」

「ごめん、全然意味がわからない」

「もしこのままお前殺しちゃったら、こういうことできなくなると思うとなんか寂しいというか……」

 「なにが言いたいのかさっぱりなんだけど?」 

 「だから!お前と一緒になにかしたら他のことも色々楽しいんじゃないかって思ったわけ!!」

 「なにそれ?新手のプロポーズ?」

 「プロポーズ?あーそういうことになんのかな?」

 「え……?」

 「面倒だから率直に言うか、俺と一緒にもっと面白いこと探しに行かないか?お前とだったら楽しい気がする」

 「え、えっとぉ……それは、あれ?俺と一緒に愛の逃避行しようぜ!!てきなやつですか?」

 「ん?そうなるのかな?いや面倒だからそうしよう!!俺と一緒に愛の逃避行しよう!!」

 「ななななななななななななななな!!!!!!!」

 「ダメか?結構いい案だと思ったんだが……」

 「なんで私なのよ!?あんた色んな女に手出してめちゃくちゃハーレム作ってるじゃない!!そいつらでも連れてけばいいでしょ!!」

 「いや全力でぶつかれるのお前くらいだし、それにお前以上に面白そうなやついないし」

 「なっなっな!!!!」

 「俺と一緒に行くのは嫌か?」

 「はぅ!!い、嫌じゃないけどさ……///」

 「じゃあ決まりだ!!」

 「けど戦争はどうすんのよ!?かなり激戦になってたはずですけど!?」

 「そんなの俺たちが暴れまわったせいでとっくに終わってるよ」

 「え……」

 「それに、魔王と勇者がいなくなれば戦争も起きないだろうしな。さっきはっちゃけたせいでどっちも損害が酷そうだし」

 「そ、そう……それで……どこ行くのよ?私たち二人で逃げれるような場所、この世界には無いわよ?」

 「この世界にないなら、他の世界に行けばいいさ」

 「そういえば、そんな反則みたいな技もってたわね……」

 「そういうこと!!んじゃさっさと行こうぜ!!」

 「そ、その前に一個約束しなさいよ……///」

 「ん?なんだ?」

 「う、浮気は絶対ダメだからね!!!」

 「そんなことか!!大丈夫だって、俺はお前にしか興味ないからさ!!!」

 「ふぐぅ……や、約束はしなさい……///」

 「わかったわかった。約束する。お前以外の女のとこに行ったりしないよ」

 「……約束だからね!!」

 「おう、約束だ!!」

 「……それじゃいきましょうか」

 「おう!!次の異世界はきっとめちゃくちゃ楽しいぞ!!なんせ魔王様と一緒だからな!!」

 

 こうして、俺と魔王は今いる世界から逃げ出して新しい異世界に行くことになった。今までは退屈でつまらなかった日常も、魔王と一緒なら楽しく過ごせるそんな気がする。これから先は二人で色々な世界を楽しんでいこうと思う。




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