仁義
ダンビラ掲げて褌一丁
並ぶ私兵に対峙する
背負う風景
儚くて
背中の菩薩
儚げに
ペンは剣より強しと言うが
質と量と鉛の前では
まして刃は
なおさら滑稽
笑いの神の
供物にせよと
首魁は顎を
孤高へしゃくる
良心より
忠誠が勝る私兵は
容易く引いた
引き金を
銃口に咲く百合
飛ばす種子
意地を貫き
咲かせて彼岸花
菩薩貫き
咲かせて彼岸花
それでも意地は
まだ折れぬ
世界規模なら小さなイジリ
銀河規模ならちっぽけな
それも他人の
犬に噛まれた傷
他人が傷付いても
己は痛まぬ
他人が苦しんでも
己は苦しまぬ
人の不幸は
蜜なのに
なぜそうも
意地を貫く
されど我らは物理の一部
例外無しに法則の虜囚
孤高も
例外に非ず
事が終わって
何事もなく首魁は花売りに愛想を振りまく
私兵は枯れた彼岸花から目を逸らす
嘲笑おうとする
この気持ちを
咎める心は
一体何だ?




