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第53話 偽りの救済

絶望の中、翔太のスマートフォンが震えた。


画面を見ると、奇跡的に電波が1本立っている。


そして、LINEの通知。


震える指で開く。


『緊急救助隊より』


翔太の心臓が跳ね上がった。


『あなたの位置を特定しました』

『もうすぐ救出に向かいます』

『それまで持ちこたえてください』


本当か?


助かるのか?


希望が、一気に膨れ上がる。


返信を打とうとする。


だが、その前に新しいメッセージが届いた。


『ところで、お名前は?』

『フルネームでお答えください』

『本人確認のため必要です』


名前。


また、名前。


翔太の指が、止まった。


何か、違和感がある。


なぜ、こんなタイミングで名前を聞く?


GPSで位置が分かっているなら、誰かも分かっているはずでは?


『早くお名前を』

『藤原翔太さんですね?』

『ゴーストハンターさん?』


向こうから、名前を言ってきた。


知っているなら、なぜ確認する必要が?


そして、決定的なメッセージ。


『おなかすいた』

『はやくきて』

『にゃあ』


翔太は、スマートフォンを投げ捨てた。


罠だった。


名前を確認するための罠。


最後の希望さえも、偽りだった。


もう、どこにも救いはない。

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